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(平成14年度:事例10)住友金属鉱山(株)及び同和鉱業(株)による硫酸事業の統合について

第1 本件の概要等

1 本件の概要

 本件は,住友金属鉱山(株)(以下「住友鉱山」という。)及び同和鉱業(株)(以下「同和鉱業」という。)が,物流面の合理化,営業体制の効率化等を目的として,共同販売会社の設立により,硫酸事業を統合するものである(新会社の名称は,「(株)アシッズ」。)。

2 製品概要

 硫酸には,非鉄金属メーカーが銅・亜鉛を製造する際に副産物として製造される場合(注)と,硫黄焙焼メーカーが,硫黄を焙焼(硫黄鉱石を融解しない程度の高温度で酸化させること。)することにより製造される場合がある。しかしながら,いずれの場合であっても,品質・価格に大きな差はみられない。
 硫酸は,使用量の8割強を占める濃硫酸を基本として,主に濃度によって区分され,濃硫酸,薄硫酸,精製硫酸及び発煙硫酸の4種類に大別される。硫酸メーカーは,ユーザーの希望する濃度等に応じて納品しているが,ユーザーにおいて,希釈等によって,濃度等を調節することも可能であるため,ユーザーが他の種類に変えて使用している場合もある。
 硫酸の主な用途としては,肥料,合成繊維,酸化チタンなどがあり,広範な用途で用いられている。
 なお,硫酸は,危険物であり,輸送・保管上の制約から,その運搬・保管の取扱いは容易ではない。

 (注) 国内で生産される硫酸の7割強は,非鉄金属を製造する際の副産物として製造されており,当事会社の場合も同様である。

第2 独占禁止法上の考え方

1 一定の取引分野

 硫酸には,前記のとおり,4種類が存在しているが,ユーザーにおいて,容易に他の種類に変えることが可能であることから,硫酸全体の製造・販売分野に一定の取引分野が成立すると判断した。

2 競争への影響

(1) 市場の状況

 本件統合により,当事会社の合算販売数量シェア・順位は,約25%・第2位となる。また,上位3社累積シェアは,約65%となる。

硫酸の国内販売数量シェア
順位 メーカー 区分 シェア
1 A社 非鉄金属 約25%
2 同和鉱業 非鉄金属 約15%
3 B社 非鉄金属 約15%
4 住友鉱山 非鉄金属 約10%
5 その他 非鉄金属 約10%
  その他 硫黄焙焼 約25%
(2) 当事会社合算 約25%
  合計 100%

 (出所:当事会社提出資料)
 (注) 区分は,硫酸を製造するメーカーの違いを示す。

(2) 考慮事項

ア 競争事業者

 有力な競争事業者として,販売数量シェア約25%及び同約15%を有する非鉄金属メーカーが存在する。また,硫黄焙焼メーカーは,非鉄金属メーカーと異なり,硫黄から硫酸を製造しているため,国内の需要動向に応じて,生産数量を調整することが可能となっている。
イ 取引先変更の容易性

 硫酸は,いずれの製造方法においても,また,メーカー間においても,品質及び価格に大きな差は認められないことから,ユーザーの取引先変更は容易となっている。
ウ 非鉄金属メーカーの販売上の制約要因

 非鉄金属メーカーは,銅・亜鉛の製造の際の副産物として,硫酸を製造していることから,国内の需要動向に応じた生産数量の調整が困難である。このため,需給状況にかかわらず,硫酸の販売先を随時確保していく必要があり,販売先を確保できない場合には在庫として保管せざるを得ない。しかしながら,メーカー及びユーザーの貯蔵タンクの貯蔵能力には限界があり,さらに,硫酸は危険物であるため,その運搬・保管等の取扱いが難しく,保管場所の確保は容易ではない。
 このため,非鉄金属メーカーは,硫酸の販売先及び保管先を確保できない場合には,輸送コストが非常に高くなり国内販売に比べて採算面で不利となるにもかかわらず,輸出に振り向ける等により処理せざるを得ない状況にある。
 このような状況の下,非鉄金属メーカーは,硫酸の販売に当たり,国内の販売先の確保を最優先とした販売方針を採らざるを得ないことから,ユーザーの価格交渉力は強いものとなっている。
エ 非鉄金属メーカーの輸出

 我が国の硫酸の輸出量は,国内販売数量の約2割に達している。しかしながら,非鉄金属メーカーは,前記ウのように輸出よりも国内への販売を最優先とせざるを得ないことから,現在の輸出分が国内への供給余力として機能しているものと考えられる。

(3) 独占禁止法上の評価

 当事会社においては,銅・亜鉛を製造する際の副産物として硫酸が生ずるため,国内の需要動向に応じた生産数量の調整が困難であり,また,硫酸の製品特性から,国内販売先の確保に重点を置いた販売方針を採らざるを得ないものとなっているため,国内の販売先ユーザーの価格交渉力は強いものとなっている。
 このため,本件統合により,硫酸の取引分野における競争を実質的に制限することとはならないと考えられる。

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