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(平成19年度:事例11)A社とB社の事業統合

第1 本件の概要

 本件は,医療用機械器具の製造販売事業を営むA社と同業を営むB社が,X機器の製造販売事業を統合することを計画したものである(注)。
 関係法条は,独占禁止法第10条及び第15条の2である。

 (注) A社とB社は,X機器の製造販売事業以外の事業についても統合を計画していたところ,本事業の統合については一定の取引分野における競争を実質的に制限することとはならないと判断され,計画どおり統合が実施された。本事業統合計画については記載を省略する。

第2 一定の取引分野

1 商品の概要

 X機器は,求められる機能に応じて素材及び形状が異なり,10種類の品目に分かれている。X機器のうち,当事会社間で競合する種類の製品は,6品目存在する。
 なお,X機器が対象とする効能と同様の効能を有する薬剤もあり,そうした薬剤が新たに開発されれば,X機器は大きく販売数量を落とすという実態にある。

2 薬事法による医療機器の製造販売に関する規制

 薬事法の規定により,X機器の製造販売をしようとする者は,厚生労働大臣の許可を受けなければならず,その製造販売について品目ごとに厚生労働大臣の承認を受けなければならない。X機器については,治験に長期間を要することから,最終的に承認が得られるまでに3~4年の期間を要している。

3 一定の取引分野の画定

 X機器には様々な種類があり,患者の症状により使い分けられている。また,X機器を製造販売するには,品目ごとの承認に3~4年の期間を要するため,X機器の種類間に供給の代替性はないと考えられることから,X機器については,その種類ごとに商品範囲を画定することとした。
 以上を踏まえ,検討対象分野は,当事会社間で競合している6種類のX機器(X-1ないしX-6)とした。
 また,X機器メーカーは,これらの機器を全国へ販売していることから,地理的範囲については全国で画定した。

第3 本件企業結合が競争に与える影響の検討

1 市場規模

 X機器については,新たに保険適用となる疾患もあるものの,新たな薬剤が開発されれば,その薬剤に需要を奪われることとなるので,基本的には,市場規模は横ばい又は縮小していく見通しである。
 X機器のうち当事会社間で競合する6種類の機器の市場規模は,それぞれ数億円から約20億円である。

2 市場シェア・集中度

 競合する6種類の機器に係る統合後の当事会社の合算シェアは,以下のとおりである。

(1) 機器X-1

 本件企業結合後のHHIは約5,300,HHIの増分は約1,600である。

順位 会社名 シェア
1 A社(当事会社) 約40%
2 C社 約40%
3 B社(当事会社) 約20%
(1) 当事会社合算 約60%
合計 100%

 (注)平成17年度実績
 (出所:当事会社提出資料を基に当委員会にて作成)

(2) 機器X-2

 本件企業結合後のHHIは10,000,HHIの増分は約4,600である。

順位 会社名 シェア
1 B社(当事会社) 約65%
2 A社(当事会社) 約35%
(1) 当事会社合算 約100%
合計 100%

 (注)平成17年度実績
 (出所:当事会社提出資料を基に当委員会にて作成)

(3) 機器X-3

 本件企業結合後のHHIは10,000,HHIの増分は約3,900である。

順位 会社名 シェア
1 B社(当事会社) 約70%
2 A社(当事会社) 約30%
(1) 当事会社合算 約100%
合計 100%

 (注)平成17年度実績
 (出所:当事会社提出資料を基に当委員会にて作成)

(4) 機器X-4

 本件企業結合後のHHIは10,000,HHIの増分は約4,800である。

順位 会社名 シェア
1 B社(当事会社) 約60%
2 A社(当事会社) 約40%
(1) 当事会社合算 約100%
合計 100%

 (注)平成17年度実績
 (出所:当事会社提出資料を基に当委員会にて作成)

(5) 機器X-5

 本件企業結合後のHHIは10,000,HHIの増分は約4,100である。

順位 会社名 シェア
1 A社(当事会社) 約70%
2 B社(当事会社) 約30%
(1) 当事会社合算 約100%
合計 100%

 (注)平成17年度実績
 (出所:当事会社提出資料を基に当委員会にて作成)

(6) 機器X-6

 本件企業結合後のHHIは4,900,HHIの増分は約1,200である。

順位 会社名 シェア
1 A社(当事会社) 約55%
2 D社 約30%
3 B社(当事会社) 約10%
4 E社 約5%
5 F社 0~5%
(1) 当事会社合算 約65%
合計 100%

 (注)平成17年度実績
 (出所:当事会社提出資料を基に当委員会にて作成)

3 価格動向

 X機器は,その種類ごとに保険適用における償還価格が定められており,この償還価格の範囲内でメーカー又は代理店とユーザーの交渉により実販売価格が決められているが,償還価格でみた場合,各種のX機器の価格はほぼ横ばい状態である。

4 供給余力

 当事会社は,各種のX機器について約3割の供給余力を有している。一方,競争業者の供給余力は不明であるが,小規模な生産設備で生産が可能であることから,設備の増強は容易であると考えられる。

5 輸入圧力及び参入圧力

 X機器は,薬事法上の製造販売承認を取得すること等の法令上の要件を満たせば輸入や参入が可能であるが,新たな薬剤が開発されれば市場は急速に縮 小するものであること,そもそも市場が小さいことから,承認を得るための費用及び期間を考慮した場合,輸入や参入が拡大する状況にはないと認められる。

6 競争事業者の状況

 機器X-6については,当事会社以外にD社,E社及びF社が供給を行っているが,E社及びF社のシェアが低いことに加え,F社については,輸入品 を販売しており,ユーザーがアフターケアを重視して国内メーカーとの取引を優先していることから,有力な競争事業者と評価することは困難である。
 その結果,機器X-6についても,本件統合が実現すれば,本市場における有力な競争事業者は,当事会社以外に1社となる。

第4 独占禁止法上の評価

 X機器については,本件統合後,6種類の機器のいずれについても,各市場において当事会社による独占又は複占となること,また,輸入圧力及び参入圧力が認められる状況にないことを踏まえると,当事会社が単独で,又は当事会社と競争事業者との協調的行動により,一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなるおそれがあると考えられる。

第5 結論

 本件統合について,X機器事業における競争上の問題を指摘したところ,当事会社から,本件X事業の統合を取りやめる旨の申出があった。

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