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(平成10年度:事例4) 秩父小野田(株)と日本セメント(株)の合併(平成10年7月合併届出受理,10月合併)(新会社名 太平洋セメント(株))及び宇部興産(株)と三菱マテリアル(株)によるセメント事業の統合(平成10年8月営業譲受け届出受理,10月営業譲受け)(新会社名 宇部三菱セメント(株))

1 本件の概要

(1) 秩父小野田(株)と日本セメント(株)の合併

 セメント専業メーカーである秩父小野田(株)(以下「秩父小野田」という。)と日本セメント(株)(以下「日本セメント」という。)が,徹底的な効率化,コストダウンにより国内及び海外市場での競争力を強化してセメント事業の安定化を図るとともに,両社の経営資源を結集し,研究開発をより一層充実させることにより事業を多角的に展開し,経営の安定化を図ることを目的として,合併しようとするものである。

(2) 宇部興産(株)と三菱マテリアル(株)によるセメント事業の統合

 宇部興産(株)(以下「宇部興産」という。)と三菱マテリアル(株)(以下「三菱マテリアル」という。)が,両社のセメント事業について,将来にわたり事業を存続させ,競争力を確保するため,包括的に事業提携を行うこととし,生産・研究開発部門において提携を行うほか,共同出資により新会社を設立して販売・物流部門を統合し,合理化・効率化を図ろうとするものである。

2 独占禁止法上の考え方

(1) 一定の取引分野

ア 商品範囲

 セメントは,一般的に,ポルトランドセメント及び混合セメントに大別されるが,ポルトランドセメントの用途の範囲が非常に広いこと,ポルトランドセメントと混合セメントの用途・製造方法の違いはわずかであること等から,ポルトランドセメント及び混合セメント(以下「セメント」という。)について一定の取引分野が成立すると判断した。

イ 地理的範囲

 本件当事会社4社を含む大手セメントメーカーは全国的に事業展開しており,本件計画により影響を受ける地域は全国となる一方で,セメントは販売価格に占める輸送コストの比率が高く,一般に各メーカーの物流体制や営業体制は北海道,東北,関東,東海,北陸,近畿,中国,四国,九州及び沖縄の各地区を管轄地域とする支店を単位として運営されていることから,本件においては全国及び各地区におけるセメントの販売分野に一定の取引分野が成立すると判断した。

(2) 競争への影響

ア 当委員会の指摘

 以下の事情を総合的に勘案すると,全国並びに北海道地区,関東地区及び沖縄地区のセメント販売分野における競争を実質的に制限することとなるおそれがあると考えられることから,当委員会は当事会社にその旨の指摘を行った。

(ア) 当事会社の地位及び市場の状況

 新会社2社が誕生することにより,上位3社のセメントの国内販売シェア(株式所有により結合関係にあるメーカーの販売シェアを加算したもの。以下同じ。)は全国で約80%と極めて高くなるため,メーカー間で協調的行動が採られやすくなる。
 合併新会社(秩父小野田と日本セメント)の国内販売シェアは全国で約40%,北海道地区,関東地区でいずれも約50%かつ第1位となり,統合新会社(宇部興産と三菱マテリアル)の国内販売シェアは全国で約25%,沖縄地区では琉球セメント(株)が宇部興産と結合関係にあるため約60%となる(注:地区別シェアは輸入を含まない。)。ただし,全国並びに北海道地区及び関東地区においては,当事会社以外に販売シェアが20%内外の有力な競争業者が各1社存在する。

(イ) 輸入

 セメントの輸入は,国内向け販売の1%に満たず,ユーザーの選好や物流設備等の事情から,少なくとも短期的には十分な代替供給源たり得ないとみられる。ただし,セメントの輸入に係る制度的制約はなく,輸出国の事情や国内の需給状況いかんによっては,ある程度の輸入圧力が期待できると考えられる。

(ウ) セメントの流通

 セメント販売店が取り扱うブランドはおおむね1ブランドに固定されており,ブランドごとに販売店会を組織して親睦を図るなど,同一ブランド内の販売店間の競争は余りないこと,セメント需要の約7割を占める生コンメーカーが使用するセメントのブランドも1ブランド又は2~3ブランドに特定されていることが多いこと及び当事会社が出資している生コンメーカーも多数存在すること,以上から,生コンメーカーに至るまでのセメントの流通において,取引先の変更という形での競争は余り行われていない。
 生コンメーカーは,多くの地区で協同組合を設立し,共同販売事業を行っており,協同組合内では相互に販売シェアを調整するなど生コンメーカー間の自由な競争が行われていないことから,生コンメーカー間の活発な競争がセメントメーカー間の競争を促すという関係は余り期待できないと考えられる。
 ただし,生コン販売においては,一般に,ユーザーである建設業者の地位が強く,また,生コンメーカーの稼働率が低いことから,生コン価格の引上げは困難であるとみられ,セメント価格の大幅な引上げは行いにくいと考えられる。

イ 当事会社の申し出た措置

 当委員会の指摘に対し,各当事会社からそれぞれの案件により生じる問題点を解消するために,次のような措置を採る旨の申出があった。

(ア) 秩父小野田及び日本セメント

(1) 販売シェアを流動化させるため,全国約40のSS(サービスステーション。セメントの備蓄・出荷拠点。)について,希望者に譲渡若しくは貸与,他用途への転用又は廃棄のいずれかを行う。

(2) 輸入の促進に資するよう,臨海大型SSについて,輸入業者への貸与を申し出る。

(3) セメントの販売店間の競争を促進するため,販売店の販売地域,取引先等を拘束するものではないことを明確にし,また,現在の販売店会は解散し,合併新会社としての販売店会は組織しない。

(4) 生コンメーカー間の競争がセメントメーカー間の競争を促すようにするため,合併新会社が実質的に経営権を有する生コンメーカーの一部の工場について,他の生コンメーカーの工場と集約化させ,又は実質的経営権を合併新会社の影響力の及ばない生コンメーカー等に移すこととするほか,北海道地区及び関東地区において,共同販売事業から離脱させ,かつ,協同組合から脱退させる。

(イ) 宇部興産及び三菱マテリアル

(1) 今後,合併新会社に依存することのないよう,同社との交換出荷を現行の年間約190万トンから半分以下に縮減する。(注:交換出荷とは,セメントメーカーが物流経費の削減を目的として,工場又はSSを有しない地区において他のセメントメーカーから商品を引き取り,当該相手方が工場又はSSを有しない他の地区において当該相手方に対し等量の出荷を行うこと。)

(2) 琉球セメント(株)に対する影響力を低下させるため,同社に対する出資比率を引き下げ,役員兼任関係を解消する。

ウ 当委員会の判断

 上記の各措置が講じられることとなれば,それぞれの案件とも,本件合併又は統合によって,(1)において画定したいずれの取引分野においても競争を実質的に制限することとはならないと判断した。

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公表事例において輸入について検討を行った例

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