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10 事業者団体によるユーザーに対する要請文書

 建築物用電気機械器具メーカーの団体が,会員事業者の製造する電気機械器具の省エネ基準適合品への切換え及び現行品の製造中止を周知する文書を作成し,ユーザーの所属する各団体に対して配布することについて,直ちに独占禁止法上問題となるものではないと回答した事例

1 相談者

 A工業会(建築物用電気機械器具メーカーの団体)

2 相談の要旨

(1) A工業会には電気機械器具等のメーカーが正会員として200社,その他関連する事業者が賛助会員として100社加盟しているが,その事業規模は大手企業から中小企業まで様々である。

(2) エネルギー使用の合理化に関する法律(以下「省エネ法」という。)により,特定機器に指定された品目を製造するメーカーは,自らが製造する当該特定機器のうち一定割合以上について,エネルギー消費効率を高めるように定められた省エネの目標基準値を満たす製品とすることが義務付けられている。今般,省エネ法の改正により,特定機器の品目が拡大され,A工業会の会員事業者が製造する機械器具Xについても特定機器に指定されたため,当該機械器具Xのメーカーは,自らが製造する機械器具Xのうち一定割合以上について省エネの目標基準値を達成することが必要となった。
 A工業会の会員事業者の中で,機械器具Xを製造販売しているメーカーは20社であり,会員以外で機械器具Xを製造販売しているメーカーはいない。
 なお,省エネ目標基準値を満たす機械器具X(適合品)の価格は,現行のもの(現行品)の価格と比べて2倍程度高くなる見込みであり,適合品への切換えが進めば,ユーザー(主に工場等で機械器具Xを使用するメーカー。小規模事業者が多い。)は,現行品よりも高い価格による製品の購入を余儀なくされることとなる。

(3) 省エネ法は,各メーカー毎に機械器具Xの総生産量の一定割合について適合品への切換えを義務付けるものであるが,適合品を製造するためには現行品とは別に製造ラインを設置する必要がある。多くの会員事業者は,現行品と適合品の2つの製造ラインを維持することは困難であることから,現行品の製造を中止するとともに,ユーザーに対して適合品への変更を要請したいと考えている。
 そこで,A工業会として,現行品から適合品への変更を円滑に進めるため,ユーザーが所属する各団体に対して,機械器具Xについての省エネ法対応の必要性並びに現行品の製造中止及び適合品への切換えに関する情報を提供し,協力を求める文書を以下のとおり作成して発出することを検討しているが,独占禁止法上問題ないか。

事業者団体によるユーザーに対する要請文書の画像

3 独占禁止法上の考え方

(1) 本件は,A工業会が会員事業者の製造する機械器具Xの適合品への切換えを促進するための取組として,ユーザーの所属する団体に対して文書を発出するものであることから,本件では,機械器具Xの販売における競争に及ぼす影響について検討する。

(2) 一般に,事業者団体が会員事業者の法律上の規制の遵守に向けた取り組みを行うことは,直ちに独占禁止法上問題となるものではない。しかし,法律上の規制を超える部分についてまで自主的な規制を課すことは,会員事業者の事業活動を不当に制限するおそれがある場合は,独占禁止法上問題となる(第8条第1項第4号)。

 【参考】
 事業者団体が,各構成事業者が特定の種類の商品のみを製造し,他の種類の商品を製造しないなど,特定の種類の商品又は役務を構成事業者が開発・供給しないことを決定することは,独占禁止法上違反となるおそれがある。[事業者団体ガイドライン7-1(特定の商品等の開発・供給の制限)]

 環境の保全や未成年者の保護等の社会公共的な目的又は労働問題への対処のために合理的に必要とされる営業の種類,内容,方法,営業時間等に関する自主的な基準を設定することは,原則として違反とならない。[事業者団体ガイドライン8-5(社会公共的な目的等のための基準の設定)]

(3) 本件は,省エネ法による規制の遵守のための取組として,省エネ法改正の内容や,機械器具Xが目標基準値の達成を義務付けられていることを説明し,それによりユーザーの現行品の調達に支障を来す可能性があることを,ユーザーに予め注意喚起するものであり,ユーザーの利便性に資することから,このような取組自体は,直ちに独占禁止法上問題となるものではない。

(4) しかしながら,省エネなど社会公共的な目的のための活動であっても,法的に現行品の製造が認められているにも関わらず,自主基準によって適合品のみを製造するように取り決めることは,会員事業者の競争手段に影響を及ぼすおそれがある。したがって,このような自主基準を定めることは,会員事業者の自由な事業活動を不当に制限し,独占禁止法上問題となるおそれがある。
 本件文書中2の記載については,すべての会員事業者が現行品の製造を中止することを前提とした内容となっており,このような内容の文書をA工業会として作成・配布することは,現行品の製造中止を定めた自主基準の策定につながることが懸念される。
 したがって,独占禁止法違反行為の未然防止の観点からは,会員事業者によっては製造中止により出荷できなくなる可能性があるとの情報を提供するにとどめる必要がある。

4 回答の要旨

 A工業会が,本件文書を発出すること自体は,直ちに独占禁止法上問題となるものではない。
 ただし,本件文書中2の記載については,すべての会員事業者が現行品の製造を中止することを前提とした内容となっており,このような文書をA工業会として作成・配布することは,現行品の製造中止を定めた自主基準の策定につながることが懸念されるため,当該記載は妥当ではない。

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