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(平成20年5月9日)外資系企業等におけるコンプライアンスの整備状況及び弁護士の立場からみた企業コンプライアンスに関する調査(概要)

平成20年5月9日
公正取引委員会

 経済取引における公正な競争を一層促進させるためには,独占禁止法の厳正な執行とともに,企業におけるコンプライアンスの向上が重要であり,これに関連した企業の取組を支援していく必要があると考えられる。
 公正取引委員会は,これまで,東証一部上場企業約1,700社,建設業者1,700社に対し,それぞれアンケート調査を実施し,コンプライアンスの実態に関する報告書を取りまとめたところである。
 他方,欧米においては,我が国に比べて競争法違反に対する制裁水準が高く,また,リーニエンシー制度も早い段階から導入され,有効に活用されており,これらが競争法分野における企業コンプライアンスに大きな役割を果たしているものと考えられる。
 今般,公正取引委員会は,我が国で事業を行っている外資系企業に対しアンケート調査を行い,外資系企業の我が国におけるコンプライアンスの状況を取りまとめることとし,同時に国内企業に対してもアンケート調査を行い,外資系企業と国内企業のコンプライアンスの状況の違いについても検討を行うこととした。
 また,平成17年独占禁止法改正法の施行等により,企業のコンプライアンスに関する意識がどのように変化したか等について,弁護士に対してアンケート調査を行った。

第1部 外資系企業等におけるコンプライアンスの整備状況

1 アンケート調査の対象等

(1) 調査対象

 外資系企業 : 我が国で事業を行っている事業者のうち,資本金5000万円以上かつ外資の比率が49パーセント以上の事業者を中心とした1,466社
 国内企業 : 東証一部上場企業のうち,無作為抽出した326社

(2) 調査項目

 調査項目は,(1)コンプライアンスの整備及び組織体制状況,(2)独占禁止法関係のコンプライアンスの取組,(3)独占禁止法関係のコンプライアンスの実効性確保,(4)平成17年独占禁止法改正に伴うコンプライアンスの取組の見直し,(5)諸外国との比較,の5項目である。

2 調査結果の概要及び考え方

(1) コンプライアンスの整備及び組織体制状況

 ○ 外資系企業において,コンプライアンス・マニュアルの制定,コンプライアンス担当役員の設置等のコンプライアンス体制の整備は,資本金額が低くなるにつれて整備されている割合が低下している。
 ○ 小規模な企業においては,コンプライアンスを担当するような総務・管理部門に多数の人員を配置することが困難等の事情により,コンプライアンス体制の整備が十分なされていないと推測されるところであるが,公正取引委員会がこれまでに小規模な企業に対して措置を行った事例もあるように,小規模な企業であってもコンプライアンスが社会的に求められていることを踏まえ,小規模な事業者においてもコンプライアンス体制の整備がなされることが望まれる。

【コンプライアンスに係る体制の整備に関する回答状況(外資系企業)】

コンプライアンス・マニュアルの制定 コンプライアンス担当役員の設置 コンプライアンス専任部署の設置 コンプライアンス委員会等の設置
全体 79.9% 53.1% 44.4% 42.6%
資本金1億円未満 59.3% 34.1% 21.8% 23.6%
資本金1億円以上5億円未満 73.5% 43.5% 30.1% 31.0%
資本金5億円以上10億円未満 81.5% 51.9% 37.0% 25.9%
資本金10億円以上50億円未満 91.7% 59.8% 53.7% 55.4%
資本金50億円以上100億円未満 100.0% 77.8% 77.8% 55.6%
資本金100億円以上 98.9% 81.4% 82.8% 76.5%
【コンプライアンスに係る体制の整備に関する国内企業との比較(資本金10億円以上)】

コンプライアンス・マニュアルの制定 コンプライアンス担当役員の設置 コンプライアンス専任部署の設置 コンプライアンス委員会等の設置
外資系企業 95.8% 71.5% 69.5% 65.1%
国内企業 97.3% 87.4% 64.0% 86.5%

(2) 独占禁止法関係のコンプライアンスの取組

 ○ 外資系企業において,自社や自社グループ会社における独占禁止法違反に対して危機意識を持っている企業は26%であり,国内企業の59%と比較して大きな差が認められる。また,独占禁止法遵守の規程の制定,独占禁止法の研修の実施,社内監査の実施及びヘルプラインの設置については,いずれも国内企業の方が割合が高くなっている。
 ○ これまで外資系企業が独占禁止法違反に問われた事例は多くはないことから,自社や自社グループで独占禁止法違反は起きないという認識が広まっているとも考えられるが,法令違反に対する危機意識を持つことは,コンプライアンス体制を整備,維持するに当たっての大きな要因であると考えられることから,実際の違反行為の有無にかかわらず,外資系企業においても独占禁止法違反に対する危機意識を持つことにより,コンプライアンス体制の更なる整備を進めることが望まれる。

【独占禁止法違反に対する危機意識に関する国内企業との比較(全体)】

起きないと思う 起こり得る不祥事であり危機感を持っている よく分からない
外資系企業 67.1% 25.9% 7.1%
国内企業 36.0% 59.0% 5.0%
【独占禁止法遵守の規程の制定等に関する国内企業との比較(資本金10億円以上)】

独占禁止法遵守の規程の制定 独占禁止法に関する研修の実施 独占禁止法に関する社内監査の実施 独占禁止法に関するヘルプラインの設置
外資系企業 76.1% 59.8% 30.3% 76.0%
国内企業 85.5% 71.6% 48.8% 98.1%

(3) 独占禁止法関係のコンプライアンスの実効性確保

 ○ 外資系企業において,独占禁止法違反を発見した場合の対応を決めていない企業は全体の50%であった。また,海外における事業所等で競争法違反が発見された場合,日本に所在する事業所に当該情報が入ってくるようになっている企業は45%であり,そのうち,海外における競争法違反の情報が入ってきた場合に,日本に所在する事業所において同様の行為がないか調査を行うこととなっている企業は67%である。
 ○ 違法行為が見つかった場合の対応をあらかじめ決めておくことは,問題の早期解決,問題の拡大を防ぐために非常に重要であることから,独占禁止法違反が発見された場合の対応について,早急に取り決めておくことが望ましい。また,海外における事業所で競争法違反が発見された場合についても,それらの情報を日本に所在する事業所において把握し,日本の事業所において同様の行為がないか調査を行うようなシステムを整備することが望まれる。
 ○ 自社のコンプライアンスシステムについて,形式的に十分であるとともに実質的にもよく機能していると認識している企業は,外資系企業で36%,国内企業で47%である。他方,実質的に機能していないと認識している企業も外資系企業・国内企業とも30%近くあり,コンプライアンスシステムがいまだ十分に整備されていない企業も存在していると考えられる。
 ○ 独占禁止法のコンプライアンスの徹底のためには,経営トップの意識が最も効果的であるとの認識が外資系企業,国内企業とも一番多い。また,独占禁止法のコンプライアンスに対する経営トップの関与の在り方としては,常日ごろから会議・研修等でコンプライアンスの重視を呼びかけているという企業が,外資系企業,国内企業とも一番多い。
 ○ 経営トップが常日ごろからコンプライアンスの重要性を呼びかける等,コンプライアンスに取り組む姿勢を示すことは非常に重要であるが,今後は,法令違反が発見された場合の処理を経営トップ自ら判断することやコンプライアンス委員会のトップとなる等のより実質的な関与が進むことも期待される。

【独占禁止法違反が発見された場合の対応等に関する回答状況(外資系企業)】

社内で独占禁止法違反が発見された場合の対応を決めている 海外における事業所等で競争法違反が発見された場合,日本に所在する事業所等に当該情報が入るようになっている
全体 49.5% 44.5%
資本金1億円未満 37.8% 31.7%
資本金1億円以上5億円未満 40.6% 39.8%
資本金5億円以上10億円未満 50.0% 25.0%
資本金10億円以上50億円未満 61.3% 54.0%
資本金50億円以上100億円未満 50.0% 44.4%
資本金100億円以上 69.0% 64.9%
【自社のコンプライアンスの取組に対する評価に関する国内企業との比較(全体)】

形式的に十分であるとともに実質的にもよく機能している 形式的には十分であるが,あまり機能していない 形式的には不十分であるが,実質的な機能は十分である 形式的にも実質的にも不十分である
外資系企業 36.3% 12.3% 30.3% 21.2%
国内企業 47.2% 16.0% 26.9% 9.9%
【コンプライアンスの取組への経営トップの関与に関する国内企業との比較(全体)】

コンプライアンス委員会のトップとなっている コンプライアンスの重視を呼びかけている 法令違反が発見された場合の処理はトップ自らが判断している その他
外資系企業 22.8% 47.7% 32.5% 8.1%
国内企業 50.2% 73.6% 33.0% 3.5%

(4) 平成17年独占禁止法改正に伴うコンプライアンスの取組の見直し

 ○ 外資系企業において,独占禁止法改正法の社内周知については,「特に行わない」との回答が35%を占め一番多い回答となっている。また,課徴金減免制度の利用については,半数近くの企業が「よく分からない」と認識し,「利用することを考えている」とする企業は15%にとどまっている。国内企業においては,課徴金減免制度について,「利用することを考えている」とする企業は31%である。
 ○ コンプライアンス・マニュアルに独占禁止法の遵守に関する内容が含まれている企業においても,外資系企業で40%,国内企業で28%が課徴金減免制度を利用するか「よく分からない」と回答している。
 ○ 課徴金減免制度を利用するか「よく分からない」と回答した企業は,独占禁止法改正法の社内周知を「特に行っていない」とする割合が高くなっており,課徴金減免制度の導入がコンプライアンスの向上の役に立つかについては,外資系企業及び国内企業とも,「分からない」という回答が一番多くなっていることからも,課徴金減免制度の意義の一層の周知を図るとともに,個別事案における実績の積重ねにより,課徴金減免制度に対する評価が高まることを期待するところである。

【課徴金減免制度の利用に関する国内企業との比較(全体)】

利用することを考えている 制度を勉強してみたい 利用することを考えていない よく分からない
外資系企業 15.3% 33.8% 3.0% 47.9%
国内企業 31.0% 33.3% 4.2% 31.5%

(5) 総括

 ○ 外資系企業と国内企業の比較においては,資本金額の違い,業種の構成の違いがあるものの,今回のアンケート調査で得られた結果からみる限りにおいては,全体として,外資系企業において,独占禁止法に関するコンプライアンスの整備状況は十分とはいえない結果であったと考えられる。ただし,外資系企業の中には,独占禁止法関係のコンプライアンス体制について形式的には不十分であっても実質的には機能しており,独占禁止法違反が起きないと認識している者が多いことから,形式的なコンプライアンス体制の整備より,実質的に 機能していることを重視しているとも考えられる。
 ○ 外資系企業については中小企業にも調査を実施したが,企業の規模が小さくなるに連れてコンプライアンスの体制整備が進んでいない傾向にあった。中小企業については,コンプライアンスの体制整備に関する負担が大企業よりも大きく,体制整備が進みにくいとは考えられるものの,コンプライアンス・マニュアルの制定,コンプライアンス担当者の設定等,比較的負担の少ない事項の対応から始める等の取組も考えられる。他方,外資系企業のうち大企業については,中小企業と比較してコンプライアンスの体制整備は進んでいるものの,国内企業との比較では,体制整備が進んでいない状況が確認されたため,今後の更なる体制整備が望まれる。
 ○ 国内企業については,平成18年1月に東証一部上場企業に対して実施したアンケート調査と比較して,約2年間でコンプライアンスの体制整備が進んでいたことは確認されたが,当該期間中も上場企業に対し公正取引委員会が法的措置を採った事例は続いており,コンプライアンス体制が実質的に十分機能しているとはいい難い状況といえる。
 ○ 公正取引委員会としては,今後も,企業におけるコンプライアンス体制の更なる整備を求めるところ,それが形式的な体制整備にとどまらず,より実効性のある取組が推進されることとなるよう期待するところである。

第2部 弁護士の立場からみた企業コンプライアンスに関する調査

1 アンケート調査の対象等

(1) 調査対象

 独占禁止法について見識の深い弁護士で構成される任意団体「競争法フォーラム」の協力を得て,同フォーラムに所属する弁護士に対し,アンケート調査を行った。
 なお,本調査は,回答数が限られているため,必ずしも弁護士全体又は競争法フォーラムに参加している弁護士全体の考えを示すものとして一般化できるものではない。また,意見については,回答した弁護士個人の意見である。

(2)調査項目

 調査項目は,(1)企業コンプライアンスに関する弁護士の認識,(2)平成17年独占禁止法改正に伴う企業のコンプライアンスに関する認識の変化,(3)課徴金減免制度に関する評価,(4)企業における独占禁止法関係のコンプライアンスが有効に機能するために留意している点等の4項目である。

2 調査結果の概要

(1) 企業コンプライアンスに関する弁護士の認識及び平成17年独占禁止法改正に伴う企業のコンプライアンスに関する認識の変化

 ○ 企業における独占禁止法関係のコンプライアンスの全体的な取組については,本調査への協力が得られた弁護士のうち,54%が「形式的には十分であるが,あまり機能していない」,35%が「形式的にも実質的にも不十分である」と回答している。これに対して,企業に対する調査においては,自社のコンプライアンスの取組に対する評価について,「形式的には十分であるが,あまり機能していない」との回答は,外資系企業で12%,国内企業では16%,「形式的にも実質的にも不十分である」との回答は,外資系企業では21%,国内企業では10%となっており,企業側の認識に比べて,弁護士は厳しい見方を示している。
 ○ 平成17年独占禁止法改正法の施行以降の企業の独占禁止法関係のコンプライアンスの対応の変化については,本調査への協力が得られた弁護士のうち,46%が「一部の企業で変化があった」,23%が「ほとんどすべての企業で変化があった」,23%が「約半数の企業で変化があった」と回答している。また,企業の対応の変化の内容については(複数回答可),73%が「コンプライアンス・マニュアルの作成等に関する相談が増えた」,42%が「課徴金減免申請に関する相談が増えた」等と回答している。

(2) 課徴金減免制度に関する評価等

 ○ 企業において,社内監査等で独占禁止法違反が見つかった場合,課徴金減免制度を利用すべきかについては,本調査への協力が得られた弁護士のうち,81%が「利用すべきと考える」と回答している。また,課徴金減免制度が企業コンプライアンスの向上に役立つかについては,85%が「役立つと考える」と回答している。
 ○ 課徴金減免制度に関する主な意見(アンケートに記載のとおり)

  •  減免制度は有効に機能しつつあると思うが,課徴金の額が低すぎて「ありがたみ」が少ない。
  •  グループ会社の申請を一つとして取り扱って欲しい。
  •  減免が出るまでの証拠資料の提出負担の軽減。

(3) 企業における独占禁止法関係のコンプライアンスが有効に機能するために留意している点等

 ○ 独占禁止法関係のコンプライアンスについての主な意見(アンケートに記載のとおり)

  •  社内のコンプライアンス担当部署,担当者が社内における信頼を得るためには,まず(1)トップの意思を明示的に示してもらうこと,(2)それに基づいて機能していることの啓蒙を重ねることが必要と考える。現によく機能している企業は,その連携が良く,ここに弁護士が協力する形で効果が得られている。
  •  業種ごと,企業ごとに独占禁止法上の問題が発生する原因,場面は異なることから,形式的に独占禁止法に関するコンプライアンス・トレーニングを実施したり,一般的なプログラムを作成するのではなく,各社の事業活動が問題点に応じたオーダーメイド的なコンプライアンス活動を行うこと。
  •  会社の関係者と話をするたびに,独占禁止法コンプライアンスの重要性を指摘するが,実際に営業現場の意識を変えるのは難しいというのが実感。コンプライアンス講習をしてもあまりピンと来ている風はない。もっと思い切った課徴金の増額とリニエンシー制度の活用による摘発の強化(いわば「飴と鞭」政策)なくして,実際の「現場の変化」は期待できないのではないかと思う。
  •  カルテル行為は日本経済・営業行動に浸み込んでいるので,トップから余程意識改革をしないと,あるいは実際摘発され痛い目を見ないと,コンプライアンスの実を上げられないように思われる。
  •  マニュアル重視主義からの脱却。実質的意義のあるマニュアル(従業員が内容を平易に理解し,どのような行動をとれば良いか分かる)の作成。
  •  トップの決意表明の重要性。
  •  従業員が独占禁止法違反を行えば,それが社内で必ず発覚する仕組みを作ることの重要性。個々の従業員が「やったらばれる。ばれたら損をする。だからやらない」仕組みの構築。
  •  会社全体で違反行為を行っている事例は激減したが,一部従業員が秘密裡に参加している事例は相変わらず存在する。こうした事例に適切に対処するための方策を制度として立案し,社内でトップを中心に実行していくことが大変である。
  •  カルテル・入札談合に対応したマニュアルの整備は各社とも進んでいるように思われるが,そこから一歩進んで実効性を持たせるための対応が難しいように思われる。

 【附属資料】

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問い合わせ先

公正取引委員会事務総局経済取引局総務課
電話03-3581-5476(直通)
ホームページ http://www.jftc.go.jp

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