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(平成25年8月8日)物流センターを利用して行われる取引に関する実態調査報告書

平成25年8月8日
公正取引委員会

関連資料

第1 調査の趣旨・方法等

1 調査の趣旨

 平成22年1月1日に施行された改正独占禁止法により,優越的地位の濫用は,独占禁止法第2条第9項第5号として法定化され,同法第20条の6の規定に基づき新たに課徴金納付命令の対象とされた。これを受けて,公正取引委員会は,法運用の透明性を一層確保し,事業者の予見可能性を向上させる観点から,平成22年11月30日に「優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方」(以下「優越ガイドライン」という。)を策定・公表し,優越的地位の濫用に関する考え方を明確化することで,違反行為の未然防止を図ってきたところである。また,優越的地位の濫用に係る違反事件に対しては,排除措置命令及び課徴金納付命令を行うなど厳正に対処している。
 当委員会は,優越的地位の濫用につながり得る事例が見受けられる取引分野について,その取引実態を把握するための調査を実施してきたところ,これまでの累次の実態調査において,センターフィー(注1)について,「協議の機会が与えられなかった」,「物流センターの利用によって得られる利益を上回る負担となっている」などの問題点を指摘してきたところである。
 物流センターの設置に伴い,小売業者が卸売業者又は製造業者(以下「納入業者」という。)に対してセンターフィーの負担を要請する際,具体的な負担額及び算出根拠,使途等について,明確に示さないまま負担を要請する場合や,物流センターの利用によって納入業者が得る直接の利益(注2)等を勘案して合理的であると認められる範囲を超えた額の負担を要請する場合は,納入業者に不当に不利益を与えることとなりやすく,優越的地位の濫用として問題を生じやすい。また,センターフィー以外にも,小売業者が一定数量を指定して物流センター内に在庫しておくよう指示する商品について,小売業者の一方的な都合で,必要以上の数量の保管を指示する,あるいは在庫量より著しく少ない数量しか実際に発注しないといった取引の条件を設定し,取引の相手方に不利益となっている場合があるとの問題も指摘されている。
 このような状況を踏まえ,今般,物流センターを利用した取引に焦点を当て,その実態を把握するため,本調査を実施することとした。

(注1)小売業者が運営している物流センターに商品を納入している卸売業者又は製造業者に対し,小売業者から,物流センターの利用料等の名目で要請されるもの。以下同じ。
(注2)費用を負担することが,商品の納入に当たってのコスト削減,商品の販売促進など実際に生じる利益をいい,費用を負担することにより将来の取引が有利になるといったような間接的な利益は含まない。

2 調査方法

(1) 書面調査
 本調査では,[1]卸売業者と小売業者との間の取引,[2]製造業者と小売業者との間の取引,[3]製造業者と卸売業者との間の取引を対象としている。

 卸売業者及び製造業者については,主として食品又は日用品を取り扱っており,前事業年度の売上高が10億円以上であると公正取引委員会が把握している者のうち,それぞれ2,000社を対象に調査票を送付し,書面調査を実施した。
 小売業者については,主として食品又は日用品を取り扱っている卸売業者又は製造業者と取引があり,前事業年度の売上高が100億円以上であると公正取引委員会が把握している者のうち,500社を対象に調査票を送付し,書面調査を実施した。
 調査票の発送数及び回答者数は,下記のとおりである。

対象事業者
発送数(A)
回答者数(B)(B/A)
卸売業者
2,000社
865社(43.3%)
製造業者
2,000社
857社(42.9%)
小売業者
 500社
306社(61.2%)

 なお,回答のあった事業者のうち,食品又は日用品に関し,
・製造業者又は小売業者と継続して直接取引を行っている卸売業者は462社,
・小売業者又は卸売業者と継続して直接取引を行っている製造業者は509社,
・製造業者又は卸売業者と継続して直接取引を行っている小売業者は259社,
であった。

(2) ヒアリング調査
 書面調査に回答した対象事業者のうち,小売業者又は卸売業者から受けた要請の内容を具体的に回答していた25社を対象にヒアリング調査を実施した。

3 調査内容

 本調査では,事業者間で継続して直接行われている「取引」に着目して集計等を行っている。例えば,卸売業者が3社の小売業者と取引していると回答した場合には,3取引としている。
 卸売業者に対しては,継続して直接取引を行っている小売業者及び製造業者のうち,食品又は日用品に係る取引高の多い上位5社との取引について,製造業者に対しては,同様に,小売業者及び卸売業者のうち取引高上位5社との取引について,小売業者に対しては,同様に,製造業者及び卸売業者のうち取引高上位5社との取引について,それぞれ回答を求めた。
 前記3つの類型の取引のうち,[1]については卸売業者からの回答を基に,[2]及び[3]については製造業者からの回答を基に,結果を取りまとめている。
 本調査では,
 ・[1]の卸売業者と小売業者との間では,1,926取引を,
 ・[2]の製造業者と小売業者との間では,1,370取引を,
 ・[3]の製造業者と卸売業者との間では,2,130取引を,
それぞれ調査対象とした。
 また,事業者間で複数商品カテゴリの取引がある場合には,最も取引高の多い商品カテゴリの取引内容に基づいて回答を求めた。
 商品カテゴリの区分は下記のとおりである。

大分類
中分類
小分類

食品

加工食品

調味料,食用油,乳製品,調理品,スープ,冷凍食品,
缶詰,麺類,パン,加工肉類等

生鮮食品

水産,畜産,農産等

菓子類

菓子,アイスクリーム類,ヨーグルト等

飲料・酒類

嗜好飲料,果実飲料,清涼飲料,乳飲料,アルコール飲料等

日用品

日用雑貨

口中衛生用品,石鹸類,衛生紙用品,衣料用・台所用洗剤,芳香・消臭剤等

化粧品

化粧品,香水,ヘアケア用品,化粧小物等

家庭用品

食品包材,掃除用品,洗濯・物干し用品,台所用品,調理用品,浴室・トイレ用品等

DIY用品

建築・塗装用具,建築・塗装材料,ガス・水道部品,園芸用品等

ペット用品

犬,猫,鑑賞魚,小鳥,小動物,昆虫,ハ虫類,両生類用品等

※JICFS分類基準(注3)による

(注3)一般財団法人流通システム開発センターが,商品を消費者分類(消費者にとっての効用や用途による分類)を基本として,売場分類(温度管理の必要性,流通形態による分類),原料分類(原材料による分類)を加味して設定した分類であり,POSデータ交換等の際,企業間の共通コードとして使用されている。

4 調査対象期間等

(1) 調査票発送日:平成25年2月21日
(2) 回答期限:平成25年3月22日
(3) 調査対象期間:平成24年1月1日から平成24年12月31日

第2 調査結果の評価

1 優越的地位の濫用につながり得る行為の状況

(1) 調査結果の概要
 [1]卸売業者と小売業者との間の取引,[2]製造業者と小売業者との間の取引,及び[3]製造業者と卸売業者との間の取引について,それぞれ[1]については卸売業者からの回答を基に,[2]及び[3]については製造業者からの回答を基に結果を取りまとめたところ,概要は図1のとおりであった。

図1 調査結果の概要(※1)

卸売業者と小売業者との間の取引
製造業者と小売業者との間の取引
製造業者と卸売業者との間の取引※2

調査対象取引数

1,926取引
1,370取引
2,130取引
(1) センターフィーの負担要請

物流センターを利用していない取引

753取引
365取引
453取引

物流センターの利用を名目とする協賛金等の負担要請があり,応じざるを得ないものとして応じている取引

22取引
6取引

2.9%
(22/753)
1.6%
(6/365)

物流センターを利用している取引

1,159取引
990取引
1,660取引

センターフィーの負担要請があり,応じている取引

945取引
684取引
437取引

センターフィーの負担要請の際,事前の協議の機会を与えられず,算出根拠,使途等を示されなかった取引

367取引
191取引
81取引
38.8%
(367/945)
27.9%
(191/684)
18.5%
(81/437)

協議の結果十分納得しておらず,直接の利益を上回る負担額を要請された取引

45取引
26取引
52取引
4.8%
(45/945)
3.8%
(26/684)
11.9%
(52/437)

センターフィーの負担額(率)の引上げの際,事前の協議の機会を与えられず,算出根拠,使途等を示されなかった取引

21取引
4取引
19取引
2.2%
(21/945)
0.6%
(4/684)
4.3%
(19/437)

(2) 預け在庫

預け在庫がある取引

182取引
96取引


小売業者の指示に基づき預け在庫を置いて
おり,納入業者に不利益となる事例が1つ
以上発生している取引

33取引
28取引
18.1%
(33/182)
29.2%
(28/96)

(3) センターフィーの補填要請

卸売業者が小売業者に支払ったセンターフィーの一部又は全部について,卸売業者から製造業者に対して補填要請があり,応じざるを得ないものとして応じている取引



290取引
13.6%
(290/2,130)

(※1)各設問における無回答を除いて記載している。
(※2)製造業者と卸売業者との間の取引については,「物流拠点」を「物流センター」に,「利用料等」を「センターフィー」にそれぞれ読み替えている。

(2) 各行為類型の状況

ア センターフィーの負担要請

(ア) 卸売業者と小売業者との間の取引

a 物流センターを利用していない場合
 物流センターを利用していない場合に,小売業者から物流センターの利用を名目とする協賛金等の負担要請があり,応じざるを得ないものとして応じていると卸売業者が回答している場合,優越的地位の濫用につながり得ると考えられる。
 卸売業者と小売業者との間の1,926取引のうち,物流センターを利用していない753取引についてみると,上記に該当する行為を受けたと卸売業者が回答した取引が22取引(2.9%)であった。
 当該22取引について,小売業者の業態別にみると(上位3業態まで記載する。以下同じ。),食品スーパーが10取引,専門量販店が6取引,ドラッグストアが4取引等であった。

b 物流センターを利用している場合
 物流センターを利用している場合に,センターフィーの負担要請があり,[1]負担要請の際,事前の協議の機会を与えられず,算出根拠,使途等を示されなかった,[2]協議の結果十分納得しておらず,直接の利益を上回る負担額を要請された,[3]センターフィーの負担額(率)の引上げの際,事前の協議の機会を与えられず,算出根拠,使途等を示されなかった,のいずれかに該当すると卸売業者が回答している場合,優越的地位の濫用につながり得ると考えられる。
 卸売業者と小売業者との間の1,926取引のうち,小売業者からセンターフィーの負担要請があり,応じている945取引についてみると,[1]に該当する行為を受けたと卸売業者が回答した取引が367取引(38.8%),[2]が45取引(4.8%),[3]が21取引(2.2%)であり,[1]に係る取引が特に多くなっていた。

 また,[1]から[3]に該当する行為を受けたと卸売業者が回答した取引について,小売業者の業態別にみると,[1]の367取引では,食品スーパーが188取引,総合スーパーが54取引,ドラッグストアが40取引等であった。[2]の45取引では,食品スーパーが14取引,ドラッグストアが12取引,総合スーパーが10取引等であった。[3]の21取引では,食品スーパーが11取引,総合スーパーが5取引,ディスカウントストア及びドラッグストアが共に2取引等であった。

(イ) 製造業者と小売業者との間の取引

a 物流センターを利用していない場合
 優越的地位の濫用につながり得る取引についての考え方は,前記の卸売業者と小売業者との間との取引と同様である。
 製造業者と小売業者との間の1,370取引のうち,物流センターを利用していない365取引についてみると,上記に該当する行為を受けたと製造業者が回答した取引が6取引(1.6%)であった。
 当該6取引について,小売業者の業態別にみると,食品スーパーが4取引,通販業者及び専門量販店が共に1取引であった。

b 物流センターを利用している場合
 優越的地位の濫用につながり得る取引についての考え方は,前記の卸売業者と小売業者との間との取引における[1]から[3]と同様である。
 製造業者と小売業者との間の1,370取引のうち,小売業者からセンターフィーの負担要請があり,応じている684取引についてみると,[1]に該当する行為を受けたと製造業者が回答した取引が191取引(27.9%),[2]が26取引(3.8%),[3]が4取引(0.6%)であり,[1]に係る取引が特に多くなっていた。

 また,[1]から[3]に該当する行為を受けたと製造業者が回答した取引について,小売業者の業態別にみると,[1]の191取引では,食品スーパーが80取引,総合スーパーが48取引,コンビニエンスストアが25取引等であった。[2]の26取引では,総合スーパーが9取引,食品スーパーが8取引,コンビニエンスストアが7取引等であった。[3]の4取引では,食品スーパー及びコンビニエンスストアが共に2取引であった。

イ 預け在庫
 預け在庫は,一般に,納入業者が,小売業者の物流センターに自社の名義で在庫している商品であり,小売業者の物流センターに納入した時点ではなく,物流センターから出荷された時点で,出荷された数量分だけ売上げが立つものとされている。
 預け在庫の場合,物流センターに納入し,受領検品を終えた時点で納入業者に売上げが立つ取引と異なり,出荷されるまでの在庫に関する毀損等のリスク,在庫に要する費用等を納入業者が負担することとなり,納入業者にとっては不利益となりやすい。
 そのため,[1]小売業者の指示に基づき預け在庫を置いていると納入業者が回答しており,かつ[2]小売業者から,一定数量を指定して在庫しておくよう指示があるため,やむを得ず置いている預け在庫について,保管料を負担している,小売業者からの指示に基づき商品を在庫していたにもかかわらず,小売業者の一方的な都合により,実際には在庫数量より著しく少ない数量しか発注されなかった,小売業者が独自に設定した販売期限を経過したことを理由とする返品があったなどの不利益が発生していると納入業者が回答している場合,優越的地位の濫用につながり得ると考えられる。

(ア) 卸売業者と小売業者との間の取引
 卸売業者と小売業者との間の1,926取引のうち,預け在庫があると卸売業者が回答した182取引についてみると,上記の[1]及び[2]に該当する行為を受けたと卸売業者が回答した取引が33取引(18.1%)であった。
 また,当該33取引について,小売業者の業態別にみると,コンビニエンスストアと食品スーパーが共に9取引,総合スーパーが6取引等であった。

(イ) 製造業者と小売業者との間の取引
 製造業者と小売業者との間の1,370取引のうち,預け在庫があると製造業者が回答した96取引についてみると,上記の[1]及び[2]に該当する行為を受けたと製造業者が回答した取引が28取引(29.2%)であった。
 また,当該28取引について,小売業者の業態別にみると,総合スーパーが7取引,食品スーパーが6取引,ホームセンターが4取引等であった。

ウ 利用料等の負担要請(製造業者と卸売業者との間の取引)
 卸売業者の運営する物流拠点(小売業者の運営する物流センターに相当するもの。以下同じ。)を利用している場合に,物流拠点を利用していることを理由とする利用料等(小売業者から納入業者に対して要請されるセンターフィーに相当するもの。以下同じ。)の負担要請があり,[1]負担要請の際,事前の協議の機会を与えられなかった,[2]協議の結果十分納得しておらず,直接の利益を上回る負担額を要請された,[3]利用料等の引上げの際,事前の協議の機会を与えられなかった,のいずれかに該当すると製造業者が回答している場合,優越的地位の濫用につながり得ると考えられる。
 製造業者と卸売業者との間の2,130取引のうち,卸売業者から利用料等の負担要請があり,応じている437取引についてみると,[1]に該当する行為を受けたと製造業者が回答した取引が81取引(18.5%),[2]が52取引(11.9%),[3]が19取引(4.3%)であった。

 また,[1]から[3]に該当する行為を受けたと製造業者が回答した取引について,卸売業者との主たる取引商品別にみると,[1]の81取引では,加工食品が39取引,飲料・酒類が13取引,菓子類が11取引等であった。[2]の52取引では加工食品が25取引,菓子類が20取引,飲料・酒類が7取引であった。[3]の19取引では加工食品が13取引,飲料・酒類が5取引,生鮮食品が1取引であった。

エ センターフィーの補填要請(製造業者と卸売業者との間の取引)
 卸売業者が小売業者に支払ったセンターフィーの一部又は全部について,卸売業者から製造業者に対して補填要請があり,応じざるを得ないものとして応じていると製造業者が回答している場合,通常,製造業者に直接の利益が生じているとは考えられないため,優越的地位の濫用につながり得ると考えられる。
 製造業者と卸売業者との間の2,130取引についてみると,上記に該当する行為を受けたと製造業者が回答した取引が290取引(13.6%)であった。
 また,当該290取引について,卸売業者との主たる取引商品別にみると,加工食品が152取引,菓子類が85取引,飲料・酒類が43取引等であった。

(3) 優越的地位の濫用につながり得る行為の傾向

ア 卸売業者と小売業者との間の取引
 卸売業者と小売業者との間の1,926取引のうち,前記第2の1(2)のア及びイで述べてきた優越的地位の濫用となり得る行為に該当する行為を1つ以上受けたと卸売業者が回答した取引は,重複を排除すると446取引(23.2%)であった。

(ア) 卸売業者の小売業者に対する取引依存度と,小売業者による卸売業者に対する優越的地位の濫用につながり得る行為との相関
 卸売業者と小売業者との間の1,926取引のうち,卸売業者が調査票において小売業者との年間取引高又は自社の売上高を記載していないため,取引依存度を算出できない83取引を除いた1,843取引を卸売業者の小売業者に対する取引依存度ごとに区分すると,図5の「当該区分に該当する取引数」欄に記載の取引数([2])となる。
 また,優越的地位の濫用につながり得る行為がみられた上記446取引のうち,同様に,取引依存度を算出できない20取引を除いた426取引について,取引依存度ごとに区分すると,「優越的地位の濫用につながり得る行為がみられた取引数」欄に記載の取引数([1])となる。
 そして,[2]の取引数に占める[1]の取引数の割合を算出したものが「[2]の取引数に占める[1]の取引数の割合」欄に記載の割合であり,取引依存度が高い卸売業者ほど優越的地位の濫用につながり得る行為を受けたと回答する割合が高くなるという傾向がみられた。

(イ) 卸売業者と小売業者との年間取引高と,小売業者による卸売業者に対する優越的地位の濫用につながり得る行為との相関
 卸売業者と小売業者との間の1,926取引のうち,卸売業者が調査票において小売業者との年間取引高を記載していないため,年間取引高を算出できない42取引を除いた1,884取引を卸売業者の小売業者に対する年間取引高ごとに区分すると,図6の「当該区分に該当する取引数」欄に記載の取引数([2])となる。
 また,優越的地位の濫用につながり得る行為がみられた上記446取引のうち,同様に,年間取引高を算出できない20取引を除いた426取引について,年間取引高ごとに区分すると,「優越的地位の濫用につながり得る行為がみられた取引数」欄に記載の取引数([1])となる。
 そして,[2]の取引数に占める[1]の取引数の割合を算出したものが「[2]の取引数に占める[1]の取引数の割合」欄に記載の割合であり,年間取引高が高い卸売業者ほど優越的地位の濫用につながり得る行為を受けたと回答する割合が高くなるという傾向がみられた。

イ 製造業者と小売業者との間の取引
 製造業者と小売業者との間の1,370取引のうち,前記第2の1(2)のア及びイで述べてきた優越的地位の濫用となり得る行為に該当する行為を1つ以上受けたと製造業者が回答した取引は,重複を排除すると246取引(18.0%)であった。

(ア) 製造業者の小売業者に対する取引依存度と,小売業者による製造業者に対する優越的地位の濫用につながり得る行為との相関
 製造業者と小売業者との間の1,370取引のうち,製造業者が調査票において小売業者との年間取引高又は自社の売上高を記載していないため,取引依存度を算出できない78取引を除いた1,292取引を製造業者の小売業者に対する取引依存度ごとに区分すると,図7の「当該区分に該当する取引数」欄に記載の取引数([2])となる。
 また,優越的地位の濫用につながり得る行為がみられた上記246取引のうち,同様に,取引依存度を算出できない12取引を除いた234取引について,取引依存度ごとに区分すると,「優越的地位の濫用につながり得る行為がみられた取引数」欄に記載の取引数([1])となる。
 そして,[2]の取引数に占める[1]の取引数の割合を算出したものが「[2]の取引数に占める[1]の取引数の割合」欄に記載の割合であり,取引依存度が高い製造業者ほど優越的地位の濫用につながり得る行為を受けたと回答する割合が高くなるという傾向がみられた。

(イ) 製造業者と小売業者との年間取引高と,小売業者による製造業者に対する優越的地位の濫用につながり得る行為との相関
 製造業者と小売業者との間の1,370取引のうち,製造業者が調査票において小売業者との年間取引高を記載していないため,年間取引高を算出できない62取引を除いた1,308取引を製造業者の小売業者に対する年間取引高ごとに区分すると,図8の「当該区分に該当する取引数」欄に記載の取引数([2])となる。
 また,優越的地位の濫用につながり得る行為がみられた上記246取引のうち,同様に,年間取引高を算出できない4取引を除いた242取引について,年間取引高ごとに区分すると,「優越的地位の濫用につながり得る行為がみられた取引数」欄に記載の取引数([1])となる。
 そして,[2]の取引数に占める[1]の取引数の割合を算出したものが「[2]の取引数に占める[1]の取引数の割合」欄に記載の割合であり,年間取引高が高い製造業者ほど優越的地位の濫用につながり得る行為を受けたと回答する割合が高くなるという傾向がみられた。

ウ 製造業者と卸売業者との間の取引
 製造業者と卸売業者との間の2,130取引のうち,前記第2の1(2)のウ及びエで述べてきた優越的地位の濫用となり得る行為に該当する行為を1つ以上受けたと製造業者が回答した取引は,重複を排除すると359取引(16.9%)であった。

(ア) 製造業者の卸売業者に対する取引依存度と,卸売業者による製造業者に対する優越的地位の濫用につながり得る行為との相関
 製造業者と卸売業者との間の2,130取引のうち,製造業者が調査票において卸売業者との年間取引高又は自社の売上高を記載していないため,取引依存度を算出できない70取引を除いた2,060取引を製造業者の卸売業者に対する取引依存度ごとに区分すると,図9の「当該区分に該当する取引数」欄に記載の取引数([2])となる。
 また,優越的地位の濫用につながり得る行為がみられた上記359取引のうち,同様に,取引依存度を算出できない8取引を除いた351取引について,取引依存度ごとに区分すると,「優越的地位の濫用につながり得る行為がみられた取引数」欄に記載の取引数([1])となる。
 そして,[2]の取引数に占める[1]の取引数の割合を算出したものが「[2]の取引数に占める[1]の取引数の割合」欄に記載の割合であり,取引依存度が高い製造業者ほど優越的地位の濫用につながり得る行為を受けたと回答する割合が高くなるという傾向がみられた。

(イ) 製造業者と卸売業者との年間取引高と,卸売業者による製造業者に対する優越的地位の濫用につながり得る行為との相関
 製造業者と卸売業者との間の2,130取引のうち,製造業者が調査票において卸売業者との年間取引高又は自社の売上高を記載していないため,年間取引高を算出できない45取引を除いた2,085取引を製造業者の卸売業者に対する年間取引高ごとに区分すると,図10の「当該区分に該当する取引数」欄に記載の取引数([2])となる。
 また,優越的地位の濫用につながり得る行為がみられた上記359取引のうち,同様に,年間取引高を算出できない3取引を除いた356取引について,年間取引高ごとに区分すると,「優越的地位の濫用につながり得る行為がみられた取引数」欄に記載の取引数([1])となる。
 そして,[2]の取引数に占める[1]の取引数の割合を算出したものが「[2]の取引数に占める[1]の取引数の割合」欄に記載の割合であり,年間取引高が高い製造業者ほど優越的地位の濫用につながり得る行為を受けたと回答する割合が高くなるという傾向がみられた。

2 物流センターを利用した取引における留意点

(1) 物流センターの利用状況
 今回の調査において,卸売業者と小売業者との間の取引及び製造業者と小売業者との間の取引をみると,小売業者の95.4%が物流センターを運営していると回答していた(図11)。また,卸売業者と小売業者との間の取引において,60.2%の卸売業者が,製造業者と小売業者との間の取引において,72.3%の製造業者が,それぞれ,物流センターを利用していると回答しており,物流センターが取引の中で広く利用されていることが認められた(図12及び図13)。

(2) センターフィーの負担要請の状況

ア センターフィーの負担要請
 卸売業者と小売業者との間の取引では,物流センターを利用している1,159取引のうち952取引(82.1%)でセンターフィーの負担要請があり,うち945取引で負担要請に応じていると卸売業者が回答していた。
 次に,製造業者と小売業者との間の取引では,物流センターを利用している990取引のうち692取引(69.9%)でセンターフィーの負担要請があり,うち684取引で負担要請に応じていると製造業者が回答していた。
 いずれの取引においても,小売業者からのセンターフィーの負担要請については,ほとんど全ての納入業者が応じていることが認められた。

イ 要請されているセンターフィーの実態

(ア) センターフィーの負担要請の根拠
 センターフィーについては,「物流センターを利用した取引が行われるようになる以前,納入業者は小売業者の店舗までの配送等を行い,小売業者と納入業者との間の取引価格には,『小売業者の店舗』までの配送費用が含まれていた。小売業者が物流センターの開設・運営するようになって以降は,納入業者は物流センターへの納品までを行い,店別仕分け,配送等の作業は小売業者が代わって行うようになった。一方で,取引価格としては,引き続き『小売業者の店舗』までの配送費用を含んだ価格での取引を行う小売業者と,取引価格を見直し,『小売業者の物流センター』までの配送費用を含んだ価格での取引を行う小売業者がみられるようになった。センターフィーは,『小売業者の店舗』までの配送費用を含んだ価格で取引が行われている場合に,小売業者が代わって行うようになった物流センターでの作業等と店舗までの配送等に要した費用として,納入業者に要請しているものである。」と小売業者から説明される場合がある。
 卸売業者と小売業者との間の取引では,物流センターを利用している1,159取引のうち,小売業者との取引価格に含まれている配送費用の範囲が「小売業者の物流センター」までであると卸売業者が回答した取引が403取引(34.8%),「小売業者の店舗」までであると卸売業者が回答した取引が742取引(64.0%)であった。
 センターフィーが,小売業者が代わって行うようになった作業等に要した費用だとすれば,「小売業者の物流センター」までの配送費用を含んだ価格で行われる取引においてはセンターフィーの負担の要請は行われないはずであるが,当該403取引について,物流センターを利用していることを理由とするセンターフィーの負担要請の有無,及び当該要請に応じているかを聞いたところ,「負担要請があり,応じている」が260取引(64.5%)であった(図14)。

 また,製造業者と小売業者との間の取引では,物流センターを利用している990取引のうち,小売業者との取引価格に含まれている配送費用の範囲が「小売業者の物流センター」までであると製造業者が回答した取引が454取引(45.9%),「小売業者の店舗」までであると製造業者が回答した取引が522取引(52.7%)であった。
 当該454取引について,物流センターを利用していることを理由とするセンターフィーの負担要請の有無,及び当該要請に応じているかを聞いたところ,「負担要請があり,応じている」が235取引(51.8%)であった(図15)。

 さらに,そもそも物流センターを利用していない取引においても,小売業者から物流センターの利用を名目とする協賛金等の負担要請を受けたとの回答が,卸売業者と小売業者との間の1,926取引のうち物流センターを利用していない753取引では22取引(2.9%),製造業者と小売業者との間の1,370取引のうち物流センターを利用していない365取引では6取引(1.6%)でみられた。
 このように,センターフィーは,上記の小売業者の説明とは異なり,「小売業者の物流センター」までの配送費用を含んだ価格で行われる取引や,そもそも物流センターを利用していない取引においても,納入業者に対して要請されている事例が少なくない。

(イ) センターフィーを要請する際の留意点
 これまでの実態調査と同様に,[1]センターフィーの負担要請の際,事前に協議の機会が与えられず,算出根拠,使途等を示されなかった,[2]協議の結果十分納得しておらず,センターフィーの負担額が直接の利益を上回る水準となっている,といった問題がみられ,特に,[1]の割合が,卸売業者と小売業者との間の取引では38.8%,製造業者と小売業者との間の取引では27.9%となっていた(図2及び図3の[1])。[2]に関しては,納入業者からの回答において,納入業者が負担の要請に納得していない理由として,「センターフィーの額(率)について小売業者から一方的に示され,合理的根拠を説明してもらえなかった」が最も多くなっていた(図16及び図17)。さらに,物流センターの利用によって納入業者が負担する配送費用や製造に要する費用がかえって増加しているといった事例もみられた。

《具体的回答事例》
【物流センターを利用していない場合の協賛金等の負担要請】
○ 専門量販店が物流センターの運営を開始して以降,物流センターを利用しないと取引ができないという方針が示された。当社の取り扱う商品は安定的に製造業者から仕入れることが難しいため,物流センター内に一定量の商品を在庫すること,物流センターから指定された時間内に商品を納入することが難しい旨を専門量販店に説明し,発注に応じて小売業者の店舗に直接納品している。当社は,物流センターを利用していないが,取引高に一定率を掛け合わせた金額をセンターフィーとして専門量販店に支払っている。
 当社にとってはこのような支払に応じるメリットはないが,この専門量販店は当社にとって主要な取引先であり,取引を継続するためには応じざるを得ない経費であると考え,負担に応じている。

○ 物流センターを利用していないが,センターフィーという名目で協賛金を負担している。当社は何らメリットを得ていないが,これを断ると取引そのものがなくなってしまうおそれがある。また,当該小売業者は販売数量が多い主たる取引先であり,製造業者から求められる販売数量をクリアするためにも取引を継続していく必要があるため,要請を受けざるを得ない。

【センターフィーの料率の決定方法】
○ センターフィーの料率は,小売業者が物流センターの利用を納入業者に求めてくる時点で小売業者が定めた料率を一方的に示されるもので,決定された料率について協議はなく,合理的根拠を説明してもらったことはない。取引そのものが無くなってしまったら当社の経営に与える影響が大きいので,取引を継続してもらうためには小売業者が定めた料率のまま受け入れるしかない。

【物流センターを利用する際の負担の増加】
○ 当社は物流拠点から食品スーパーの各店舗まで1時間以内に配送できる環境にあるが,店舗所在地から地理的に離れた場所に物流センターが設置されたことで,かえって配送費用が増大した。その上,センターフィーとして,食品スーパーから要請された料率を負担しなければならないため,物流センターを利用しても物流コストが削減できるといったメリットはない。

○ 自社で小売業者の店舗まで直接納品していた時期は,同一の種類の商品を続けて製造する,より遠くの店舗に納入する商品を先に製造する等により,効率良く製造することができた。しかし,小売業者が物流センターの運営を開始して以降は,指定された時間までに全ての種類の商品を揃えなければならず,生産効率が悪化した。これに伴い,製造に要する費用が増加しているが,取引価格について小売業者に見直しを求めることはできない。

 これらの調査結果を踏まえると,センターフィーは,内容そのものが曖昧で,合理的根拠等がない中で負担を要請されている場合があるほか,事前に協議の機会が与えられず,算出根拠,使途等を示されなかった,又はセンターフィーの負担額が直接の利益を上回る水準となっていることにより,優越的地位の濫用となり得る場合があると考えられる。
 このため,小売業者が,納入業者に対し,センターフィーの負担を要請する際には,納入業者に対して不当に不利益を与えることとならないよう,負担額及びその算出根拠,使途等について,当該納入業者との間で事前に十分に協議する機会を設けるとともに,当該納入業者が得る直接の利益等を勘案して合理的であると認められる範囲を超えた負担とならないように留意する必要がある。
 このことは,取引開始時又は物流センターの運用開始時に,センターフィーの額(率)を定める場合だけでなく,一旦定めたセンターフィーの額(率)を引き上げる場合にも当てはまる。

(3) センターフィー以外の負担の要請の状況
 センタ―フィー以外にも,小売業者が,物流センターの利用に伴い発生する様々な費用を納入業者に負担させている事例がみられた。
 預け在庫については,小売業者の指示に基づき預け在庫を置いていると納入業者が回答している取引において,「小売業者から,一定数量を指定して在庫しておくよう指示があるため,やむを得ず置いている預け在庫について,保管料を負担している」,「小売業者からの指示に基づき商品を在庫していたにもかかわらず,小売業者の一方的な都合により,実際には在庫数量より著しく少ない数量しか発注されなかった」,「小売業者が独自に設定した販売期限を経過したことを理由とする返品があった」などの不利益が発生しているとの回答が多くみられた。
 このほか,物流センターに商品を納入する際,小売業者から納入業者に対し,店舗別仕分け用ラベルの購入の要請,専用のコンテナの利用の要請,物流センター内での作業の要請等が行われていた。
 これらは,センターフィーの負担要請に比べて発生頻度は高くないものの,小売業者が一方的に,取引の条件を設定することなどにより,納入業者に不当に不利益を与えることとならないよう,留意が必要である。

《具体的回答事例》
【預け在庫】
○ ホームセンターからは,平均的出荷量の約7日分と数量を指定して在庫としておくように指示があり,その指示に基づいて納品する。当社に売上げが立つのは同社の物流センターに納品した時点ではなく,物流センターから店舗に出荷された時点である。小売業者の物流センター内に商品は在庫としておかなければならない。
 一旦小売業者の物流センターに納品すると,他の小売業者の物流センターに動かすことはできず,物流センター内に在庫されている間の保管費用についても,当社が全額を負担している。

【預け在庫の返品】
○ 物流センターに在庫している商品について,製造から賞味期限までの期間の3分の1を経過すると,小売業者の店舗に出荷できなくなり,返品されることになる。期限の3分の1を経過した商品については,小売業者の店舗で処分販売を行うか,返品されたものを当社で見切り販売を行う形で対処している。

【共通クレートの利用要請】
○ 2,3年前から,大手総合スーパー数社で共通クレート(商品を入れる箱)を導入することとなり,導入日以降は,共通クレートをレンタルしなければ,物流センターでの納入を受け付けないこととされた。この方針は文書で一方的に示され,納入業者から意見を示す機会は与えられず,頭ごなしの要請であった。
 やむなく指示された共通クレートを使用しているが,当社の規模で月に平均150万円のレンタル代を負担させられている。
 当社としては,元々小売業者に出荷するために保有しているクレートを使用できず,非常に高額なレンタル費用に加えて,レンタルした共通クレートについて在庫数量の管理のため余計な人件費がかかっているため,メリットは何もない。
 さらに,小売業者の物流センター内の作業効率を上げるためというのであれば,全メーカーに使用させるべきであるが,使用させられているのは中小メーカーのみで大手メーカーは依然として各社のクレートの使用が許されており,言うことを聞く中小メーカーをいじめているとしか思えない。

【物流拠点内での作業の要請】
○ 小売業者との契約上は,物流センターに商品を納入することのみを合意しているが,大手総合スーパーからは,配送に赴いた当社の社員に対し,物流センター内に商品を納入した際,商品を店舗別,出荷期限順に仕分けする作業を要請されている。
 当社が納入している商品は短い消費期限が定められているため,毎日出荷作業があり,物流センター内での作業コストが掛かるのは分かるが,本来,センターフィーとして支払っている金額に物流センター内での作業費用は含まれているはずであり,作業の要請と合わせ二重に負担を課されている。

(4) 卸売業者と製造業者との間の取引の状況
 卸売業者と製造業者との間の取引でも,物流拠点の利用料等の負担要請について,[1]事前に協議の機会が与えられず,算出根拠,使途等を示されなかった,[2]協議の結果十分納得しておらず,直接の利益を上回る負担額を要請された,など小売業者の場合と同様に,優越的地位の濫用につながり得る要請が行われていることが明らかになった(図4)。
 また,本調査では,センターフィーにより生じた費用の負担方法として,「費用の一部を,製造業者にも負担してもらった」との回答の割合が29.2%となっていた(図18)。

 製造業者からも,「小売業者からの要請がきつい卸売業者が,製造業者にセンターフィーの補填を求めているのであり,原因は小売業者にある」との回答があり,卸売業者が自社だけでは小売業者から要請される費用を負担しきれず,製造業者に負担を要請しているという状況にあると考えられる。
 こうした補填要請も,卸売業者と製造業者との間において優越的地位の濫用につながり得るものであるため,留意する必要がある。

《具体的回答事例》
【補填要請】
○ 当社の売掛金の請求に対して,一方的に補填金額分を相殺した金額による明細書を作成してくる。請求明細書の摘要欄に記載されている「CF」,「センターフィー」といった項目を見て初めてその金額が売掛金から相殺されたことが分かるようになっているが,事前に相殺される金額について説明されたことはない。全ての卸売業者から負担を求められているわけではないことから考えても,小売業者からの要請がきつい卸売業者が,製造業者にセンターフィーの補填を求めているのであり,原因は小売業者にある。

 各種の協賛金等やセンターフィーの補填要請を受けて利益が圧迫されることで,「新規商品の開発に設備投資ができる製造業者自体少なくなっている」との意見を述べている製造業者もいる。このような場合,製造業者は競争力の減退により,ますます取引上不利な立場に追い込まれるとともに,事業上の創意工夫や,それによる消費者への利益還元というメリットを減殺しかねない状況となっていると思われる。
 さらに,卸売業者に負担を要請された製造業者を通じ,配送業務を委託している物流事業者にも影響が及んでいる事例があるなど,取引上不利な立場にある者への負担の要請が連鎖的に行われている。こうした観点から,取引全体に広範な影響を与えている小売業者において,優越的地位の濫用につながるような不当な要請を行うことがないように十分留意する必要がある。

(5) 優越的地位の濫用につながり得る行為がみられた取引における留意点
 本調査において,[1]卸売業者と小売業者との間の取引,[2]製造業者と小売業者との間の取引,及び[3]製造業者と卸売業者との間の取引それぞれについて,取引依存度又は年間取引高が高い取引先との取引において,優越的地位の濫用につながり得る要請がみられた取引の割合が高くなるという傾向がみられた。
 小売業者又は卸売業者が,自社との取引依存度又は年間取引高が高い納入業者に対して,センターフィー等の負担の要請を行う場合,納入業者は,自社にとって不利益となる要請であっても,今後の取引に与える影響等を懸念して当該要請を受け入れざるを得ないと考える可能性がある。小売業者又は卸売業者が,センターフィー等の負担の要請を行う際には,こうした可能性を意識しておく必要があると考えられる。

第3 公正取引委員会の対応

1 今回の調査の結果,卸売業者と小売業者との間の取引及び製造業者と小売業者との間の取引だけでなく,製造業者と卸売業者との間の取引においても,一部の取引について優越的地位の濫用につながり得る行為が行われていることが明らかになった。
 このため,公正取引委員会は,違反行為の未然防止の観点から,調査結果を公表することにより,小売業者及び卸売業者に対して,自己の取引先納入業者との取引実態について点検を促すとともに,双方の関係事業者団体等に対し,次の対応を行うこととする。

(1) 小売業者及び卸売業者を対象とする優越的地位の濫用に関する講習会を実施し,本調査結果等を説明するとともに,違反行為の未然防止と取引の公正化の推進を図る。

(2) 小売業者及び卸売業者が優越的地位の濫用を行うことのないようにするため,関係事業者団体に対して,本調査結果等を報告するとともに,小売業者及び卸売業者が問題点の解消に向けた自主的な取組が行えるよう,改めて優越ガイドライン等の内容を傘下会員に周知徹底するなど,業界における取引公正化に向けた自主的な取組を要請する。

2 今後とも,小売業者及び卸売業者の取引実態を注視し,独占禁止法上問題となるおそれのある行為の把握に努めるとともに,優越的地位の濫用等の独占禁止法に違反する疑いのある行為が認められる場合には,厳正に対処する。

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問い合わせ先 公正取引委員会事務総局経済取引局取引部企業取引課
電話 03-3581-3373(直通)
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