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(平成27年3月26日)農業協同組合等が発注する穀物の乾燥・調製・貯蔵施設及び精米施設の製造請負工事等の施工業者に対する排除措置命令,課徴金納付命令等について

平成27年3月26日
公正取引委員会

 公正取引委員会は,農業協同組合等(注1)(以下「農協等」という。)が発注する穀物の乾燥・調製・貯蔵施設(注2)及び精米施設(注3)の製造請負工事等(注4)の施工業者に対し,独占禁止法の規定に基づいて審査を行ってきたところ,後記第1のとおり,特定農業施設工事(注5)について,同法第3条(不当な取引制限の禁止)の規定に違反する行為を行っていたとして,本日,同法第7条第2項の規定に基づく排除措置命令及び同法第7条の2第1項の規定に基づく課徴金納付命令を行った(違反行為については別添排除措置命令書参照)。
 また,農協等から施主代行業務(注6)を受託していた全国農業協同組合連合会(以下「全農」という。)に対し,本日,後記第2のとおり,申入れを行った。
(注1)「農業協同組合等」とは,農業協同組合,地方公共団体,農事組合法人,営利法人,任意組合及び全国農業協同組合連合会をいう。
(注2)「穀物の乾燥・調製・貯蔵施設」とは,穀物を乾燥,調製若しくは貯蔵する設備のいずれか又は複数を有する施設をいう。
(注3)「精米施設」とは,玄米の糠(ぬか)層を除去して白米に加工する施設をいう。
(注4)「製造請負工事等」とは,施工業者が,一定の性能等を有する機械,設備,装備等の工場製作,現場での組立て,据付け,調整等を一括して請け負って完成させる製造請負工事並びに当該工事及び建設工事が併せて発注される工事をいう。
(注5)「特定農業施設工事」とは,農協等が,北海道の区域を除く全国において,一般競争入札,一般競争見積,指名競争入札,指名競争見積又は見積り合わせの方法により発注する穀物の乾燥・調製・貯蔵施設及び精米施設の製造請負工事等から福井県経済農業協同組合連合会が施主代行業務を提供する工事を除いたものをいう。
(注6)「施主代行業務」とは,施主が,施行管理能力を有する者に委託する,基本設計の作成,実施設計書の作成又は検討,工事の施行(当該工事の施工業者決定のための入札等参加業者の選定についての助言,入札等の執行の補助等の業務を含む。),施工管理等の業務をいう。

第1 排除措置命令及び課徴金納付命令について

1 違反事業者数,排除措置命令及び課徴金納付命令の対象事業者数並びに課徴金額(違反事業者名,各違反事業者の課徴金額等については別表のとおり。)

違反事業者数

排除措置命令
対象事業者数

課徴金納付命令
対象事業者数

課徴金額
8社 6社 7社 11億7589万円

2 違反行為の概要

 別表記載の8社(以下「8社」という。)は,遅くとも平成22年6月30日以降(クボタアグリサービス株式会社〔以下「クボタアグリサービス」という。〕にあっては平成24年8月1日以降),特定農業施設工事について,受注価格の低落防止等を図るため
 (1)ア 受注すべき者(以下「受注予定者」という。)を決定する
イ 受注予定者以外の者は,受注予定者が受注できるように協力する
旨の合意の下に
 (2)ア 受注を希望する者(以下「受注希望者」という。)が1社のときは,その者を受注予定者とする
イ 受注希望者が複数社のときは,当該工事それぞれについて,対象となる穀物の乾燥・調製・貯蔵施設及び精米施設の建設等又は保守点検等の実績,施主である農協等への営業活動の実績等を勘案して,受注希望者間の話合いにより受注予定者を決定する
ウ 受注予定者が提示する入札価格又は見積価格(以下「入札価格等」という。)は,受注予定者が定め,受注予定者以外の者は,受注予定者が連絡した入札価格等以上の入札価格等を提示する
などにより,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにすることにより,公共の利益に反して,特定農業施設工事の取引分野における競争を実質的に制限していた。

3 排除措置命令の概要

 (1) 8社のうち,排除措置命令の対象事業者(以下「名宛人」という。)は,それぞれ,次の事項を,取締役会において決議しなければならない。
ア 前記2の行為を取りやめていることを確認すること。
イ 今後,相互の間において,又は他の事業者と共同して,農協等が,北海道の区域を除く全国において,一般競争入札,一般競争見積,指名競争入札,指名競争見積又は見積り合わせ(以下「競争入札等」という。) の方法により発注する穀物の乾燥・調製・貯蔵施設及び精米施設の製造請負工事等について,受注予定者を決定せず,各社がそれぞれ自主的に受注活動を行うこと。
 (2) 名宛人は,それぞれ,前記(1)に基づいて採った措置を,自社を除く名宛人に通知するとともに,前記(1)イ記載の工事の施主である農協等に周知し,かつ,自社の従業員に周知徹底しなければならない。
 (3) 名宛人は,今後,それぞれ,相互の間において,又は他の事業者と共同して,前記(1)イ記載の工事について,受注予定者を決定してはならない。
 (4) 名宛人は,それぞれ,次の事項を行うために必要な措置を講じなければならない。
ア 自社の工事の受注に関する独占禁止法の遵守についての行動指針の作成又は改定及び自社の従業員に対する周知徹底(株式会社サタケ及びクボタアグリサービスにあっては当該行動指針の自社の従業員に対する周知徹底)
イ 前記(1)イ記載の工事の受注に関する独占禁止法の遵守についての,当該工事の営業担当者に対する定期的な研修及び法務担当者による定期的な監査

4 課徴金納付命令の概要

 課徴金納付命令の対象事業者は,平成27年6月29日までに,それぞれ別表の「課徴金額」欄記載の額(総額11億7589万円)を支払わなければならない。

第2 全農に対する申入れについて

1 本件審査の過程において認められた事実

 (1) 全農の県本部の担当者は,全農が県本部において施主代行業務を受託した特定農業施設工事の競争入札等の実施に当たり
ア 施主である農協等の希望等を踏まえ,競争入札等の前に特定の施工業者に対し,受注者に関する意向を示すことがあった。
イ 競争入札等の前に特定の施工業者に対し,非公表情報である予定価格等に関する情報を教示することがあった。
 (2) 全農が県本部において施主代行業務を受託した穀物の乾燥・調製・貯蔵施設及び精米施設の製造請負工事等のうち,補助金等の助成対象となるものについては,受注者を選定するに当たり,原則として,競争入札等を実施しなければならないところ,全農の県本部の担当者は,競争入札等を実施したかのように体裁を整えるため,施工業者に対し,入札書等に記載すべき入札価格等を指示して,競争入札等の関係書類を提出させるなどの行為を行うことがあった

2 申入れの概要

 前記1(1)の行為は,前記第1の2の違反行為を誘発し,又は助長していたものと認められる。また,前記1(2)の行為は,競争入札等の制度の趣旨に反するものであり,公正かつ自由な競争を妨げるものである。
 よって,公正取引委員会は,公正かつ自由な競争を確保するため,全農に対し,前記1と同様の行為が再び行われることのないよう適切な措置を講ずることを申し入れた。

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公正取引委員会事務総局審査局第五審査
電話 03-3581-1779(直通)
ホームページ http://.jftc.go.jp/

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