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(平成27年10月9日)独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が発注する北陸新幹線消融雪設備工事の入札参加業者らに対する排除措置命令及び課徴金納付命令について

(平成27年10月9日)独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が発注する北陸新幹線消融雪設備工事の入札参加業者らに対する排除措置命令及び課徴金納付命令について

平成27年10月9日
公正取引委員会

 公正取引委員会は,北陸新幹線消融雪設備工事(注1)の入札参加業者らに対し,本日,独占禁止法の規定に基づき排除措置命令及び課徴金納付命令を行った。
 本件は,北陸新幹線消融雪設備工事の入札参加業者らが,独占禁止法第3条(不当な取引制限の禁止)の規定に違反する行為を行っていたものである。
 なお,本件は,平成25年独占禁止法改正法(平成274月施行)により導入された意見聴取手続が行われた初めての事件である。
(注1)「北陸新幹線消融雪設備工事」とは,独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(以下「鉄道・運輸機構」という。)が,北陸新幹線の長野・金沢間の軌道上における雪害対策を目的として,平成2310月以降,条件付一般競争入札の方法により発注する融雪基地機械設備工事(注2)及び消雪基地機械設備工事(注3)(これらの工事が併せて発注されるもの及びこれらの工事以外の工事が併せて発注されるものを含む。)をいう。
(注2)「融雪基地機械設備工事」とは,温めた不凍液を,線路脇に設置した融雪パネルの内部に流すことで,融雪パネルの上に積もった雪をとかす設備を設置する工事をいう。
(注3)「消雪基地機械設備工事」とは,河川等から取水した水を温めて,線路脇に設置したスプリンクラーから散水することで,軌道上に降った雪をとかす設備を設置する工事をいう。

1 違反事業者数,排除措置命令及び課徴金納付命令の対象事業者数並びに課徴金額(違反事業者名,各違反事業者の課徴金額等については別表のとおり。)

違反事業者数
排除措置命令
対象事業者数
課徴金納付命令
対象事業者数
課徴金額
11社 11社 7社 10億3499万円

2 違反行為の概要(詳細は別添排除措置命令書参照)

 別表記載の11社(以下「11社」という。)は,平成23年9月14日,東京都内の飲食店において開催した会合において,北陸新幹線消融雪設備工事について,受注価格の低落防止等を図るため
(1) 11社を順番に受注予定者とすること及びその順番
(2) 前記(1)の順番を変更する場合は,関係各社間の協議によること
(3) 受注予定者以外の者は,受注予定者が受注できるように協力すること
を合意することにより,公共の利益に反して,北陸新幹線消融雪設備工事の取引分野における競争を実質的に制限していた。

3 排除措置命令の概要

(1) 11社は,それぞれ,次の事項を,取締役会において決議しなければならない。
ア 前記2の合意が消滅していることを確認すること。
イ 今後,相互の間において,又は他の事業者と共同して,鉄道・運輸機構が北陸新幹線の軌道上における雪害対策を目的として発注する融雪基地機械設備工事及び消雪基地機械設備工事(これらの工事が併せて発注されるもの及びこれらの工事以外の工事が併せて発注されるものを含む。)について,受注予定者を決定せず,各社がそれぞれ自主的に受注活動を行うこと。
(2) 11社は,それぞれ,前記(1)に基づいて採った措置を,自社を除く10社及び鉄道・運輸機構に通知し,かつ,自社の従業員に周知徹底しなければならない。
(3) 11社は,今後,それぞれ,相互の間において,又は他の事業者と共同して,前記(1)イ記載の工事について,受注予定者を決定してはならない。
(4) 11社のうちダイダン株式会社,株式会社三晃空調,三機工業株式会社,株式会社柿本商会及び新菱冷熱工業株式会社を除く6社は,次のアからエまでの事項を行うために必要な措置を,ダイダン株式会社,三機工業株式会社及び株式会社柿本商会は,次のア,イ及びエの事項を行うために必要な措置を,株式会社三晃空調及び新菱冷熱工業株式会社は,次のア及びイの事項を行うために必要な措置を,それぞれ,講じなければならない。
ア 官公需の受注に関する独占禁止法の遵守についての行動指針の自社の従業員に対する周知徹底(株式会社朝日工業社にあっては当該行動指針の作成及び自社の従業員に対する周知徹底,ダイダン株式会社にあっては当該行動指針の改定及び自社の従業員に対する周知徹底)
イ 官公需の受注に関する独占禁止法の遵守についての,前記(1)イ記載の工事の営業担当者に対する定期的な研修及び法務担当者による定期的な監査
ウ 独占禁止法違反行為に関与した役員及び従業員に対する処分に関する規程の作成又は改定
エ 独占禁止法違反行為に係る通報又は調査への協力を行った者に対する適切な取扱いを定める規程の作成又は改定

4 課徴金納付命令の概要

 課徴金納付命令の対象事業者は,平成28510日までに,それぞれ別表の「課徴金額」欄記載の額(総額10億3499万円)を支払わなければならない。
 なお,ダイダン株式会社及び高砂熱学工業株式会社は,新日本空調株式会社と共同して(以下,ダイダン株式会社,高砂熱学工業株式会社及び新日本空調株式会社のことを「3社」という。),前記2の違反行為をすることを企て,かつ,11社のうち3社を除く8社に対し当該違反行為をすることを唆すことにより,当該違反行為をさせたことが認められたため,独占禁止法第7条の2第8項第1号に該当する者であることから,同項の規定に基づき,5割加算した算定率を適用している。

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問い合わせ先

公正取引委員会事務総局審査局第二審査
電話 03-3581-3384(直通)
ホームページ http://www.jftc.go.jp/

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