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(平成27年10月9日)平成26年度公正取引委員会年次報告について

平成27年10月9日
公正取引委員会

 公正取引委員会は,独占禁止法第44条第1項の規定に基づき,内閣総理大臣を経由して,国会に対し,毎年,独占禁止法等の所管法令の施行の状況を報告しているところ,本日,平成26年度公正取引委員会年次報告を国会に送付したものである。その要旨は以下のとおりである。

1 独占禁止法改正等

(1)平成25年独占禁止法改正法の施行等

 公正取引委員会が行う審判制度の廃止,排除措置命令等を行う際の処分前手続として実施される意見聴取手続の整備等を内容とする「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律」(平成25年法律第100号。以下「平成25年独占禁止法改正法」という。)は,平成25年12月7日に可決・成立し,同月13日に公布された後,平成27年4月1日に施行された。平成25年独占禁止法改正法の施行に伴い,排除措置命令等を行う際の処分前手続として実施される意見聴取及び公正取引委員会の認定した事実を立証する証拠の閲覧・謄写に係る手続を定めるため「公正取引委員会の意見聴取に関する規則」(平成27年1月21日公布,4月1日施行)を制定するなど,関係法令について所要の整備を行った。

(2)消費税転嫁対策特別措置法の改正等

 消費税率の引上げの施行日の変更に伴う消費税転嫁対策特別措置法の所要の改正(同法の失効期限の平成29年3月31日から平成30年9月30日への延長等)を含む「所得税法等の一部を改正する法律」は,平成27年3月31日に可決・成立し,同日に公布された(平成27年法律第9号)。また,前記の失効期限の延長を踏まえ,「消費税の転嫁の方法及び消費税についての表示の方法の決定に係る共同行為の届出に関する規則」について所要の改正を行った。

2 厳正・的確な法運用

(1) 独占禁止法違反行為の積極的排除

 ア 公正取引委員会は,迅速かつ実効性のある事件審査を行うとの基本方針の下,  国民生活に影響の大きい価格カルテル・入札談合・受注調整,中小事業者等に不当に不利益をもたらす優越的地位の濫用や不当廉売など,社会的ニーズに的確に対応した多様な事件に厳正かつ積極的に対処することとしている。
 イ 独占禁止法違反被疑事件として平成26年度に審査を行った事件は128件である。そのうち同年度内に審査を完了したものは117件であった。
 ウ 平成26年度においては,10件の法的措置を採った。これを行為類型別にみると,私的独占が1件,価格カルテルが5件,受注調整(民需)が2件,不公正な取引方法が2件となっている(第1図参照)。また,総額171億4303万円の課徴金の納付を命じた(第2図参照)。
 なお,平成26年度においては,課徴金減免制度に基づき事業者が自らの違反行為に係る事実の報告等を行った件数は61件であった。

<平成26年度における法的措置事件>

私的独占

○ 福井県経済農業協同組合連合会による私的独占事件

価格カルテル

○ 東日本地区に交渉担当部署を有する需要者向け段ボールシート又は段ボールケースの製造業者及び大口需要者向け段ボールケースの製造業者による価格カルテル事件
○ 鋼球の製造業者による価格カルテル事件
○ 網走管内コンクリート製品協同組合による価格カルテル事件

受注調整(民需)

○ 北海道に所在する農業協同組合等が発注する低温空調設備工事の工事業者による受注調整事件
○ 農業協同組合等が発注する穀物の乾燥・調製・貯蔵施設及び精米施設の製造請負工事等の施工業者による受注調整事件

優越的地位の濫用

○ 総合ディスカウント業者による納入業者に対する優越的地位の濫用事件

取引妨害

○ 岡山県北生コンクリート協同組合による取引妨害事件

第1図 法的措置件数等の推移

第2図 課徴金額等の推移

(注1) 平成17年独占禁止法改正法(独占禁止法の一部を改正する法律〔平成17年法律第35号〕をいう。以下同じ。)による改正前の独占禁止法に基づく課徴金の納付を命ずる審決に係る金額を含み,同法に基づく審判手続の開始により失効した課徴金納付命令に係る金額を除く。
(注2) 平成17年独占禁止法改正法による改正後の独占禁止法に基づく課徴金納付命令については当初命令額を記載している。

エ このほか,違反するおそれのある行為に対する警告1件,違反につながるおそれのある行為に対する注意102件(不当廉売事案について迅速処理による注意を行った982件を除く。)を行うなど,適切かつ迅速な法運用に努めた。
オ 公正取引委員会は,独占禁止法違反行為についての調査の過程において,競争政策上必要な措置を講じるべきと判断した事項について,事業者団体等に申入れや要請を行っている。
 平成26年度においては,東日本段ボール工業組合,全国農業協同組合連合会などに対して,それぞれ申入れや要請を行った。
カ 平成26年度における審判件数は,前年度から繰り越されたもの165件,平成26年度中に審判手続を開始したもの142件の合計307件(排除措置命令に係るものが151件,課徴金納付命令に係るものが156件)であった(第3図参照)。これらのうち,平成26年度中に平成25年独占禁止法改正法による改正前の独占禁止法に基づく審決を33件(排除措置命令に係る審決15件,課徴金納付命令に係る審決18件〔うち1件は審判手続を経ないで行う審決のため係属件数に影響しない。〕)行った。この結果,平成26年度末における審判件数(平成27年度に繰り越すもの)は275件となった。

第3図 審判件数の推移

(注1) 審判件数は,行政処分に対する審判請求ごとに付される事件番号の数である。
(注2) 「排除措置命令審判事件」には,平成17年独占禁止法改正法による改正前の独占禁止法に基づく審判事件(課徴金納付命令に係るものを除く。)を含む。

(2) 公正な取引慣行の推進

ア 優越的地位の濫用に対する取組

(ア) 公正取引委員会は,以前から,独占禁止法上の不公正な取引方法に該当する優越的地位の濫用行為が行われないよう監視を行うとともに,独占禁止法に違反する行為については厳正に対処している。
 平成26年度においては,1件の法的措置を採った。
 また,優越的地位の濫用行為に係る審査を効率的かつ効果的に行い,必要な是正措置を講じていくことを目的とした「優越的地位濫用事件タスクフォース」を設置し,審査を行っている。
 平成26年度においては,49件の注意を行った。
(イ) 公正取引委員会は,中小事業者の取引の公正化を図る必要が高い分野について,実態調査等を実施し,普及・啓発に努めている。
 平成26年度においては,「食品分野におけるプライベート・ブランド商品の取引に関する実態調査報告書」(平成26年6月20日公表)及び「荷主と物流事業者との取引について」(平成27年3月11日公表)を公表した。
(ウ) 公正取引委員会は,過去に優越的地位の濫用規制に対する違反がみられた業種,各種の実態調査で問題がみられた業種等の事業者に対して一層の法令遵守を促すことを目的として,業種ごとの実態に即した分かりやすい具体例を用いて説明を行う業種別講習会を実施している。
 平成26年度においては,業種別講習会を20回実施した。
(エ) 公正取引委員会は,下請事業者を始めとする中小事業者からの求めに応じ,当委員会事務総局の職員が出向いて,下請法等の内容を分かりやすく説明するとともに相談受付等を行う「中小事業者のための移動相談会」を実施している。
 平成26年度においては,「中小事業者のための移動相談会」を全国10か所で実施した。このほか,事業者団体が開催する研修会等に職員を49回講師として派遣した。

イ 不当廉売に対する取組

 公正取引委員会は,小売業における不当廉売について,迅速に処理を行うとともに,大規模な事業者による不当廉売事案又は繰り返し行われている不当廉売事案であって,周辺の販売業者に対する影響が大きいと考えられるものについては,周辺の販売業者の事業活動への影響等について個別に調査を行い,問題がみられた事案については,法的措置を採るなど厳正に対処している。
 平成26年度においては,酒類,石油製品,家庭用電気製品等の小売業において,不当廉売につながるおそれがあるとして982件(酒類635件,石油製品326件,家庭用電気製品3件,その他18件)の事案に対して注意を行った。

ウ 下請法違反行為の積極的排除等

(ア) 公正取引委員会は,下請事業者からの自発的な情報提供が期待しにくいという下請取引の実態に鑑み,中小企業庁と協力し,親事業者及びこれらと取引している下請事業者を対象として定期的に書面調査を実施するなど違反行為の発見に努めている。また,昨今の厳しい経済情勢の下で,中小事業者の自主的な事業活動が阻害されることのないよう,下請法の迅速かつ効果的な運用により,下請取引の公正化及び下請事業者の利益の保護に努めている。
 平成26年度においては,親事業者38,982名及びこれらと取引している下請事業者213,690名を対象に書面調査を行い,書面調査等の結果,下請法に基づき7件の勧告を行い(第4図参照),5,461件の指導を行った。

<平成26年度における主な勧告事件>
○ ぱちんこ遊技機及び回胴式遊技機の部品の製造業者(親事業者)による下請事業者に対する下請代金の減額事件
○ スポーツ用品等の小売業者(親事業者)による下請事業者に対する下請代金の減額及び返品事件
○ 食料品,日用雑貨品等の小売業者(親事業者)による下請事業者に対する下請代金の減額事件
○ 日用品等の小売業者(親事業者)による下請事業者に対する返品及び買いたたき事件

第4図 下請法の事件処理件数の推移

(注1) 勧告を行った事件の中には,製造委託等及び役務委託等との双方において違 反行為が認められたものがあるが,本図においては,当該事件の違反行為が主として行われた取引に区分して,件数を計上している。
(注2) 「製造委託等」とは,製造委託及び修理委託をいい,「役務委託等」とは,情報成果物作成委託及び役務提供委託をいう。

(イ) 平成26年度においては,下請事業者が被った不利益について,親事業者209名 から,下請事業者4,142名に対し,下請代金の減額分の返還等,総額8億7120万円相当の原状回復が行われた(第5図参照)。このうち,主なものとしては[1]下請代金の減額事件においては,親事業者は総額4億499万円を下請事業者に返還し,[2]返品事件においては,親事業者は下請事業者から総額2億2830万円相当の商品を引き取り,[3]受領拒否事件においては,親事業者は下請事業者から総額1億6725万円相当の商品を受領し,[4]下請代金の支払遅延事件においては,親事業者は総額6299万円の遅延利息を下請事業者に支払った。

第5図 原状回復の状況

(ウ) 公正取引委員会は,親事業者の自発的な改善措置が,下請事業者が受けた不利益の早期回復に資することに鑑み,当委員会が調査に着手する前に,違反行為を自発的に申し出,かつ,自発的な改善措置を採っているなどの事由が認められる事案については,親事業者の法令遵守を促す観点から,下請事業者の利益を保護するために必要な措置を採ることを勧告するまでの必要はないものとして取り扱うこととし,この旨を公表している(平成20年12月17日公表)。
 平成26年度においては,前記のような親事業者からの違反行為の自発的な申出は47件であった。また,同年度に処理した自発的な申出26件については,前記の取扱いがなされた。
(エ) 公正取引委員会は,下請代金の支払遅延,下請代金の減額,買いたたき等の行為が行われることのないよう,平成26年10月31日,約19万4千名の親事業者及び約640の関係事業者団体に対し,下請法の遵守の徹底等について,公正取引委員会委員長及び経済産業大臣連名の文書をもって要請を行った。

エ 消費税転嫁対策に関する取組

(ア) 公正取引委員会は,様々な情報収集活動によって把握した消費税の転嫁拒否等の行為(以下「転嫁拒否行為」という。)に関する情報を踏まえ,立入検査等の調査を積極的に実施している。これらの調査の結果,転嫁拒否行為が認められた事業者に対しては,転嫁拒否行為に係る不利益の回復などの必要な改善指導を迅速に行っている。
 平成26年度においては,中小企業庁と合同で,中小企業・小規模事業者等(売手側。約400万名)に対する悉皆的な書面調査を実施した。また,中小企業庁と合同で,個人事業者(売手側。約350万名)に対する書面調査を実施した。さらに,中小企業庁と合同で,大規模小売事業者及び大企業等(買手側。約4万名)に対して,報告義務を課した書面調査を実施した。書面調査等の結果,消費税転嫁対策特別措置法に基づき勧告を行ったものは19件,指導を行ったものは316件であった。
(イ) 公正取引委員会は,転嫁拒否行為等に関する事業者からの相談や情報提供を一元的に受け付けるための相談窓口を設置するとともに,平成26年4月1日の消費税率の引上げ時に集中する相談に対応するため,休日専用ダイヤルを設けるなど相談対応の強化を図った。また,事業者にとって,より一層相談しやすい環境を整備するための移動相談会については,平成26年度において,全国各地で47回実施した。
(ウ) 公正取引委員会は,転嫁拒否行為を受けた事業者にとって,自らその事実を申し出にくい場合もあると考えられることから,転嫁拒否行為を受けた事業者からの情報提供を受動的に待つだけではなく,中小企業庁と合同で書面調査を実施し,転嫁拒否行為に関する情報収集を積極的に行った。また,様々な業界における転嫁拒否行為に関する情報や取引実態を把握するため,平成26年度においては,8,744名の事業者及び1,263の事業者団体に対してヒアリング調査を実施した。
(エ) 公正取引委員会は,平成26年度においては,消費税の転嫁の方法の決定に係る共同行為13件及び消費税についての表示の方法の決定に係る共同行為3件の合計16件の届出を受け付けたほか,事業者又は事業者団体からの届出書の記載方法等に関する50件の相談に対応した。
(オ) 公正取引委員会は,消費税転嫁対策特別措置法の内容を広く周知するため,事業者及び事業者団体を対象として,当委員会主催の説明会を実施している。
 平成26年度においては,30回の説明会を実施した。また,商工会議所,商工会及び事業者団体が開催する説明会等に公正取引委員会事務総局の職員を講師として59回派遣した。

(3) 企業結合審査の充実

ア 企業結合規制の的確な運用

 独占禁止法は,一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる会社の株式取得・所有,合併等を禁止している。公正取引委員会は,我が国における競争的な市場構造が確保されるよう,企業結合規制の的確な運用に努めている。
 平成26年度においては,独占禁止法第9条から第16条までの規定に基づく企業結合規制に関する業務として,銀行又は保険会社の議決権保有について5件の認可を行い,持株会社等について103件の報告,会社の株式取得・合併・分割・共同株式移転・事業譲受け等について289件の届出をそれぞれ受理し,必要な審査を行った。
 また,平成26年度に届出のあった主な企業結合事案としては,次のようなものがあり,的確に処理するとともに,その内容を公表した。

<平成26年度に届出のあった主な企業結合事案>
○ ジンマーとバイオメットの統合
○ 王子ホールディングス株式会社による中越パルプ工業株式会社の株式取得

イ 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第九条から第十六条までの規定による認可の申請,報告及び届出等に関する規則の改正

 公正取引委員会は,「規制改革実施計画」(平成26年6月24日閣議決定)を踏まえ,独占禁止法第9条に基づく事業に関する報告及び届出制度について,簡素化の観点から検討し,「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第九条から第十六条までの規定による認可の申請,報告及び届出等に関する規則」を改正した(平成27年3月31日公布,同年4月1日施行)。具体的には,事業報告書又は会社設立届出書の様式について,会社名等を記載する子会社及び実質子会社の限定,提出会社グループの総資産合計額の計算に含める会社の限定,提出会社の議決権保有比率の記載欄の削除等の改正を行った。

3 競争環境の整備に向けた調査等

(1) 保育分野に関する調査・提言

 我が国の少子化の要因の一つとして,仕事と子育ての両立の難しさが挙げられている。特に都市部では,保育の需要に対して子供を預かる保育施設が不足しており,待機児童の発生が大きな問題となっている。また,「日本再興戦略」(平成25年6月14日閣議決定)では,保育分野は,「制度の設計次第で巨大な新市場として成長の原動力になり得る分野」,「良質で低コストのサービス(中略)を国民に効率的に提供できる大きな余地が残された分野」とされている。このように,保育分野は,需要の充足が求められているだけではなく,我が国の成長分野となることが期待されている分野である。
 このため,公正取引委員会では,平成26年度において,事業者の公正かつ自由な競争を促進し,もって消費者の利益を確保することを目的とする競争政策の観点から,保育分野の現状について調査・検討を行い,平成26年6月25日,競争政策上の考え方や提言を取りまとめた「保育分野に関する調査報告書」を公表した。同調査報告書では,[1]多様な事業者の参入促進,[2]補助制度・税制におけるイコールフッティングの確保,[3]情報公開・第三者評価の充実,[4]付加的なサービスの拡大について提言を行った。

(2) 競争政策と公的再生支援の在り方に関する研究会

 我が国において,公的再生支援が様々な政策目的を達成するために行われている中,これら支援による関連する市場における競争への影響を最小限のものとすることが重要であるとの認識の下,競争政策の観点から必要な検討を行うことを目的として,内閣府特命担当大臣決定により,有識者からなる「競争政策と公的再生支援の在り方に関する研究会」(以下「研究会」という。)が開催された。同研究会は,平成26年8月13日の第1回会合以降,全8回にわたって開催された。同研究会は,公的再生支援を行う機関,支援を受ける事業者やその競争事業者及び専門家から,我が国及び欧米における制度や実態についてヒアリングを実施し,ヒアリング結果を踏まえて具体的な検討を行った上で,競争政策の観点から公的再生支援の在り方について中間取りまとめを行い,平成26年12月19日に公表した。同中間取りまとめでは,公的再生支援を行う際に留意すべき事項や公的再生支援の適切さを確保するための枠組み等について提言が行われた。

(3) 競争評価に関する取組

 平成19年10月以後,各府省が規制の新設又は改廃を行おうとする際,原則として,規制の事前評価の実施が義務付けられている。規制の事前評価を行う際には,規制による競争状況への影響分析(以下「競争評価」という。)についても行うこととされ,平成22年4月から試行的に実施されている。競争評価については,各府省は,規制等に関して,競争状況への影響・分析に関する競争評価チェックリストの記入を行い,評価書と共に総務省に提出し,総務省は競争評価チェックリストを公正取引委員会へ送付することとされている。
 平成26年度においては,総務省から50件の競争評価チェックリストを受領し,内容を精査した。

(4) 「流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針」の一部改正

 公正取引委員会は,「規制改革実施計画」(平成26年6月24日閣議決定)を踏まえ,「流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針」(平成3年7月11日公表。以下「流通・取引慣行ガイドライン」という。)の第2部第1及び第2に関し「規制改革実施計画」において「平成26年度措置」とされた事項について,明確化を行うため,流通・取引慣行ガイドラインを一部改正し,平成27年3月30日に公表した。具体的には,垂直的制限行為に関し,垂直的制限行為に係る適法・違法性判断基準についての考え方や再販売価格維持行為規制における「正当な理由」についての考え方等について明確化を行った。

(5) 入札談合の防止への取組

 入札談合の防止を徹底するためには,発注者側の取組が極めて重要であるとの観点から,公正取引委員会は,地方公共団体等の調達担当者等に対する独占禁止法や入札談合等関与行為防止法の研修会を開催するとともに,国,地方公共団体等が実施する調達担当者等に対する同様の研修会への講師の派遣及び資料の提供等の協力を行っている。
 平成26年度においては,研修会を全国で24回開催するとともに,国,地方公共団体及び特定法人に対して294件の講師の派遣を行った。

(6) 独占禁止法コンプライアンスの向上に向けた取組

 独占禁止法コンプライアンスの向上に関連した企業の取組を促していく観点から,公正取引委員会では,企業における独占禁止法に関するコンプライアンス活動の状況を調査し,改善のための方策等と併せて,報告書の取りまとめ・公表を行うとともに,その周知に努めている。
 平成26年度においては,近年,我が国企業が外国競争法違反による摘発を受け,巨額な罰金や制裁金が課されたり,我が国企業の役員・従業員が禁錮刑を科されたりする事案が多数発生し,我が国企業における外国競争法に関するコンプライアンス(以下「外国競争法コンプライアンス」という。)態勢の脆弱性が指摘されていることから,我が国企業における外国競争法コンプライアンス態勢の強化に資することを目的として,アンケート調査及びヒアリング調査を実施し,平成27年3月27日,外国競争法コンプライアンスを推進するために有効と考えられる方策や留意点を取りまとめた報告書「我が国企業における外国競争法コンプライアンスに関する取組状況について~グローバル・ルールとしての取組を目指して~」を公表した。

4 競争政策の運営基盤の強化

(1) 競争政策に関する理論的・実証的な基盤の整備

 競争政策研究センターは,平成15年6月の発足以降,独占禁止法等の執行や競争政策の企画・立案・評価を行う上での理論的・実証的な基礎を強化するための活動を展開している。
 平成26年度においては,4つの研究テーマに取り組んだほか,国際シンポジウムを開催(株式会社日本経済新聞社との共催)するとともに,公開セミナーを3回,ワークショップを6回開催した。

(2) 経済のグローバル化への対応

 近年,複数の国・地域の競争法に抵触する事案,複数の国・地域の競争当局が同時に審査を行う必要のある事案等が増加するなど,競争当局間の協力・連携の強化の必要性が高まっている。このような状況を踏まえ,公正取引委員会は,二国間独占禁止協力協定,経済連携協定等に基づき,関係国の競争当局と連携して執行活動を行うなど,外国の競争当局との間で緊密な協力を行っている。
 また,公正取引委員会は,国際競争ネットワーク(ICN),経済協力開発機構(OECD),アジア太平洋経済協力(APEC),国連貿易開発会議(UNCTAD)等といった多国間会議にも積極的に参加している。
 さらに,発展途上国において,既存の競争法制を強化する動きや新たに競争法制を導入する動きが活発になっていることを受け,公正取引委員会は,これら諸国の競争当局等に対し,当委員会事務総局の職員の派遣や研修の実施等による技術支援活動を行っている。
 このほか,我が国の競争政策の状況を広く海外に周知することにより公正取引委員会の国際的なプレゼンスを向上させるため,英文ウェブサイトに掲載する報道発表資料の一層の充実,海外の弁護士会等が主催するセミナー等へのスピーカーの派遣等を行っている。

<平成26年度における主な国際的な取組>
○ ICN第13回年次総会への参加(平成26年4月)
○ 企業結合審査に係る国際協力枠組みの運用
○ 東アジア競争政策トップ会合への参加(平成26年10月)
○ 競争当局間協議の開催(韓国及び米国)
○ 競争当局間の協力に関する覚書の署名(ブラジル及び韓国)
○ 日・オーストラリア経済連携協定への署名(平成26年7月)
○ 競争政策に関する技術支援の実施(ベトナム,中国,フィリピン等)

(3) 競争政策の普及啓発に関する広報・広聴活動

 競争政策に関する意見・要望等を聴取して施策の実施の参考とし,併せて競争政策への理解の促進に資するため,独占禁止政策協力委員から個別に意見聴取を行った。
 また,経済社会の変化に即応して競争政策を有効かつ適切に推進するため,公正取引委員会が広く有識者と意見を交換し,併せて競争政策の一層の理解を求めることを目的として,独占禁止懇話会を開催しており,平成26年度においては,3回開催した。
 さらに,全国8都市において公正取引委員会委員と各地の有識者との懇談会を,また,全国各地区において地方事務所長等の当委員会事務総局の職員と各地区の有識者との懇談会を,全国15都市において公正取引委員会委員等による弁護士会や経済界等に対する講演会等を,それぞれ開催した。
 前記以外の活動として,本局及び地方事務所等の所在地以外の都市における独占禁止法等の普及啓発活動や相談対応の一層の充実を図るため,「一日公正取引委員会」を開催するとともに,一般消費者に独占禁止法の内容や公正取引委員会の活動を紹介する「消費者セミナー」を開催した。
 加えて,中学校,高等学校及び大学(短期大学等を含む。)からの要請を受けて職員を講師として派遣し,経済活動における競争の役割等について授業を行う独占禁止法教室(出前授業)の開催など,学校教育等を通じた競争政策の普及啓発に努めた。

<平成26年度における主な取組>
○ 独占禁止政策協力委員150名に対する意見聴取の実施
○ 独占禁止懇話会の開催(3回)
○ 地方有識者との懇談会の開催(札幌市,秋田市,千葉市,岐阜市,大津市,鳥取市,徳島市及び宮崎市)
○ その他の地方有識者との懇談会の開催(83回)
○ 弁護士会や経済界等に対する講演会等の開催(29回)
○ 一日公正取引委員会の開催(苫小牧市,青森市,宇都宮市,津市,大津市,山口市,松山市及び佐賀市)
○ 消費者セミナーの開催(53回)
○ 独占禁止法教室の開催(中学生向け69回,高校生向け18回,大学生等向け61回)

関連ファイル

 平成26年度公正取引委員会年次報告(PDF:4,340KB)

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問い合わせ先

公正取引委員会事務総局官房総務課
電話 03-3581-3574(直通)
ホームページ http://www.jftc.go.jp/

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