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(平成28年4月18日)加藤化学株式会社に対する審決について(異性化糖及び水あめ・ぶどう糖の製造業者らによる価格カルテル事件)

平成28年4月18日
公正取引委員会

 公正取引委員会は,被審人加藤化学株式会社(以下「被審人」という。)に対し,平成25年10月9日,審判手続を開始し,以後,審判官をして審判手続を行わせてきたところ,平成28年4月15日,被審人に対し,独占禁止法の一部を改正する法律(平成25年法律第100号)による改正前の独占禁止法(以下「独占禁止法」という。)第66条第2項の規定に基づき,被審人の各審判請求を棄却する旨の審決を行った(本件平成25年(判)第24号ないし第27号審決書については,当委員会ホームページの「報道発表資料」及び「審決等データベース」参照)。

1 被審人の概要

事業者名 本店所在地 代表者

加藤化学株式会社
法人番号1180001093025

愛知県知多郡美浜町大字河和字上前田18番地 代表取締役 加藤 栄一

2 被審人の審判請求の趣旨

(1) 平成25年(判)第24号審判事件

 平成25年(措)第7号排除措置命令の全部の取消しを求める。

(2) 平成25年(判)第25号審判事件

 平成25年(納)第15号課徴金納付命令の全部の取消しを求める。

(3) 平成25年(判)第26号審判事件

 平成25年(措)第8号排除措置命令の全部の取消しを求める。

(4) 平成25年(判)第27号審判事件

 平成25年(納)第24号課徴金納付命令の全部の取消しを求める。

3 主文の内容

 被審人の各審判請求をいずれも棄却する。

4 本件の経緯

平成25年
6月13日 排除措置命令及び課徴金納付命令
8月12日 被審人から排除措置命令及び課徴金納付命令に対して審判請求
10月9日 審判手続開始
11月14日 第1回審判

平成27年
11月10日 第13回審判(最終意見陳述を終了)
平成28年
1月12日 審決案送達
1月26日 被審人から審決案に対する異議の申立て及び委員会に対する陳述(直接陳述)の申出
3月10日 直接陳述の聴取
4月15日 被審人の各審判請求を棄却する審決

5 審決の概要

(1) 原処分の原因となる事実

 被審人は,9社(注1)と共同して,特定異性化糖(注2)(注3)の販売価格を引き上げる旨を合意することにより,公共の利益に反して,我が国における特定異性化糖の販売分野における競争を実質的に制限していた。また,被審人は,9社と共同して,特定水あめ・ぶどう糖(注4)の販売価格を引き上げる旨を合意することにより,公共の利益に反して,我が国における特定水あめ・ぶどう糖の販売分野における競争を実質的に制限していた(以下,特定異性化糖と特定水あめ・ぶどう糖を併せて「本件各製品」といい,特定異性化糖に係る合意と特定水あめ・ぶどう糖に係る合意を併せて「本件違反行為」という。)。
 被審人の本件違反行為の実行期間は,独占禁止法第7条の2第1項の規定により,平成23年3月1日から平成24年1月30日までであり,独占禁止法第7条の2の規定により算出された課徴金の額は,特定異性化糖の取引に係る2億2284万円及び特定水あめ・ぶどう糖の取引に係る1億6552万円である。

(注1) 昭和産業株式会社,日本食品化工株式会社,日本コーンスターチ株式会社,日本澱粉工業株式会社,サンエイ糖化株式会社,三和澱粉工業株式会社,群栄化学工業株式会社,王子コーンスターチ株式会社及び敷島スターチ株式会社の9社をいう。
(注2) 「異性化糖」とは,糖化製品(とうもろこしから生成されたでん粉をアミラーゼ等の酵素又は酸により加水分解して得られたものをいう。)のうち,とうもろこしから生成されたでん粉をアミラーゼ等の酵素又は酸により加水分解して得られたグルコース1分子の糖を,グルコースイソメラーゼ又はアルカリにより異性化して得られた果糖を含むものをいう。
(注3) 「特定異性化糖」とは,異性化糖のうち,ジャン決め(需要者との間で,あらかじめ価格の計算式,交渉時期,適用期間等を定めずに,原料価格の変動等を理由として,必要な都度,需要者と相対で交渉して価格を定める方式をいう。)によって価格を定める条件で取引する需要者向けに販売されるものをいう。
(注4) 「特定水あめ・ぶどう糖」とは,水あめ・ぶどう糖(糖化製品のうち,異性化糖を除いたものをいう。)のうち,ジャン決めによって価格を定める条件で取引する需要者向けに販売されるものをいう。

(2) 本件の争点

ア 被審人及び9社(以下,併せて「10社」という。)は,本件当初値上げ(注5)に当たり,本件各製品の販売価格を引き上げる旨を合意(以下「本件各当初合意」という。)したか(争点1)
イ 10社は,本件追加値上げ(注6)に当たり,本件各製品の販売価格を更に引き上げる旨を合意(以下「本件各修正合意」という。)したか(争点2)
ウ 争点1及び争点2に係る合意の対象に純果糖(注7)は含まれるか(争点3)

(注5) 平成23年1月から同年2月にかけて開始した販売価格の引上げを求める申入れをいう。
(注6) 本件当初値上げの後に行われた販売価格の追加引上げを求める申入れをいう。
(注7) 被審人が製造している無水結晶果糖(結晶・粉末化した異性化糖のうち,果糖100パーセントのもの。)の商品名をいう。

(3) 争点に対する判断の概要

ア 争点1について〔審決案32~34頁〕
 認定した事実関係によれば,本件当初値上げの前後の事情は,次のとおりである。
[1] 10社は,シカゴ商品取引所のとうもろこし先物相場(以下「とうもろこしのシカゴ相場」という。)の高騰を背景に,平成22年10月,同年11月及び同年12月の糖化委員会(注8)において,本件各製品の販売価格を年明けから1キログラム当たり10円引き上げること等に関する情報交換や,当該値上げのための日経対策(注9)に関する協議を行った。
[2] 同年11月の糖化委員会での協議結果を踏まえて日経記者との懇談会が行われ,同年12月22日付けの日本経済新聞に,王子コーンスターチ株式会社ほか2社が糖化製品の販売価格を1キログラム当たり10円値上げする旨の記事が掲載された。
[3] 10社ではそれぞれ,平成23年1月下旬までには,糖化委員会の会合の出席者又は当該出席者から糖化委員会の会合における情報交換の内容について報告を受けた者が中心となり,本件各製品の販売価格を1キログラム当たり10円引き上げる旨を決定し,平成23年1月から同年2月にかけて,その旨を需要者や商社に申し入れた。
[4] 同年1月以降の糖化委員会において,出席者の間で,本件各製品の販売価格引上げの交渉の進捗状況について情報交換が行われた。
[5] 糖化委員会の場以外でも,10社の間では,個別の需要者に対する販売価格引上げの交渉の時期,販売価格引上げ幅及び交渉の進捗状況等について,他の入れ合い先と連絡を取り合って足並みをそろえるなどしていた。
 他方で,被審人における本件当初値上げが9社の行動と無関係に独自の判断によって行われたことをうかがわせる事情はない。
 これらの事情に鑑みると,遅くとも平成22年12月の糖化委員会が開催された同月28日までには,10社は相互に,本件各製品の販売価格を1キログラム当たり10円引き上げることを認識ないし予測し,これと歩調をそろえる意思を有していたものであり,本件各当初合意が存在したものと認められる。

(注8) 日本スターチ・糖化工業会内に設けられていた10社をもって構成される委員会であり,砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律(昭和40年法律第109号)に基づき農林水産省が公表する価格等について,各社の共通する諸問題に関する意見及び情報の交換,需要分析,売戻価格の分析等を行っていた。
(注9) 値上げが必要な事情や各社の値上げの方針,値上げの状況を説明し,これを記事にしてもらうよう働きかけるなどの目的で日本経済新聞社の記者(以下「日経記者」という。)に対して懇談会の開催を申し入れることや,日経記者から糖化製品の価格に関して取材を受けた場合の対応の総称。

イ 争点2について〔審決案34~36頁〕
 認定した事実関係によれば,本件追加値上げの前後の事情は,以下のとおりである。
[1] 10社は,とうもろこしのシカゴ相場が平成23年1月以降も高騰を続けたことを背景に,同年1月から同年6月までの各糖化委員会において,本件各当初値上げによる本件各製品の販売価格の引上げ額を1キログラム当たり15円ないし20円と修正することなどに関する情報交換や,当該値上げのための日経対策に関する協議を行った。
[2] 平成23年2月及び同年5月の糖化委員会での協議結果を踏まえて,日経記者との懇談会が行われ,同年6月2日付けの日本経済新聞に,日本食品加工等の糖化メーカーが異性化糖の販売価格を1キログラム当たり10円値上げする,値上げが浸透すれば昨年末に比べ20円の上昇となる旨の記事が掲載された。
[3] 10社ではそれぞれ,平成23年6月29日までには,糖化委員会の会合の出席者又は当該出席者から糖化委員会の会合における情報交換の内容について報告を受けた者が中心となり,本件各当初値上げにより1キログラム当たり10円引き上げることとした本件各製品の販売価格を更に引き上げ,引上げ額を1キログラム当たり15円ないし20円とする旨を決定し,その旨を需要者や商社に申し入れた。
[4] 同年7月以降の糖化委員会において,出席者の間で,追加分を含めた本件各製品の販売価格引上げの交渉の進捗状況に関する情報交換や,同年9月以降のとうもろこしのシカゴ相場の下落を踏まえた需要者からの本件各製品の販売価格の引下げ要請に対する対応の検討が行われた。
[5] 糖化委員会の場以外でも,10社の間では,個別の需要者に対する販売価格引上げの交渉の時期,販売価格引上げ幅及び交渉の進捗状況等について,他の入れ合い先と連絡を取り合って足並みをそろえるなどしていた。
 他方で,被審人における本件追加値上げが9社の行動と無関係に独自の判断によって行われたことをうかがわせる事情はない。
 これらの事情に鑑みると,遅くとも平成23年6月の糖化委員会が開催された同月29日までには,10社は相互に,本件当初合意により合意した本件各製品の引上げ額を1キログラム当たり15円ないし20円に引き上げることを認識ないし予測し,これと歩調をそろえる意思を有していたものであり,本件各修正合意が存在したものと認められる。

ウ 争点3について〔審決案36~37頁〕
 異性化糖を「糖化製品のうち,とうもろこしから生成されたでん粉をアミラーゼ等の酵素又は酸により加水分解して得られたグルコース1分子の糖を,グルコースイソメラーゼ又はアルカリにより異性化して得られた果糖を含むもの」と定義する場合,純果糖も異性化糖に含まれることについては,当事者間に争いがない。したがって,ジャン決めによって価格を定める条件で取引する需要者向けに販売される純果糖は,特定異性化糖に該当する。
 また,本件各合意がなされた背景には,糖化製品の原料価格(とうもろこしのシカゴ相場)の高騰により値上げの必要が生じたという事情があるところ,同事情は,純果糖にも当てはまるものであり,10社が糖化委員会の会合の場等において特定異性化糖の販売価格の引上げに関する情報交換や日経対策に関する協議を行った際にも,値上げの対象から純果糖が除外されていたことをうかがわせる証拠はなく,実際,被審人は,ジャン決めに係る純果糖についても,他の特定異性化糖と同様に,特定異性化糖に係る当初合意及び修正合意の内容に即した販売価格の引上げを申し入れている。
 これに加えて,[1]砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律は,異性化糖について前記定義と同旨の定義をしており(同法第2条第4項),液糖か結晶かという性状は問われていないこと,[2]純果糖と異性化液糖(液糖である異性化糖のこと。)は多くの用途において共通し,需要者においても,純果糖を水に溶かして異性化液糖の代替品を製造することが可能であると認識され,実際にも,それまでの純果糖の使用から異性化液糖の使用に切り替わった商品も存在すること,[3]純果糖の需要者の中には異性化液糖も購入している者が多数存在することなどを併せ考えると,純果糖と他の異性化糖の性状の相違など,被審人の主張する事情を考慮してもなお,特定異性化糖の当初合意及び修正合意の対象には純果糖も含まれていたと認めるのが相当である。

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電話 03-3581-5478(直通)
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