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(平成28年2月25日)積水化学工業株式会社及び三菱樹脂株式会社に対する審決について(塩化ビニル管及び同継手の製造販売業者による価格カルテル事件)

平成28年2月25日
公正取引委員会

 公正取引委員会は,被審人積水化学工業株式会社(以下「被審人積水化学工業」という。)及び被審人三菱樹脂株式会社(以下「被審人三菱樹脂」といい,2社を併せて「被審人ら」という。)に対し,平成21年5月13日,審判手続を開始し,以後,審判官をして審判手続を行わせてきたところ,平成28年2月24日,被審人らに対し,独占禁止法の一部を改正する法律(平成25年法律第100号)による改正前の独占禁止法(以下「独占禁止法」という。)第66条第2項及び第3項の規定に基づき,被審人三菱樹脂に対する平成21年2月18日付け課徴金納付命令(平成21年(納)第2号)の一部を取り消し,被審人らのその余の各審判請求を棄却する旨の審決を行った(本件平成21年(判)第6号ないし第9号審決書については,当委員会ホームページの「報道発表資料」及び「審決等データベース」参照)。

1 被審人らの概要

事業者名 本店所在地 代表者

積水化学工業株式会社
法人番号1120001059650

大阪市北区西天満二丁目4番4号 代表取締役 根岸 修史

三菱樹脂株式会社
法人番号1010001008775

東京都千代田区丸の内一丁目1番1号 代表取締役 姥貝 卓美

2 被審人らの審判請求の趣旨

(1) 被審人積水化学工業

ア 平成21年(判)第6号審判事件
平成21年(措)第1号排除措置命令の取消しを求める。
イ 平成21年(判)第8号審判事件
平成21年(納)第1号課徴金納付命令の取消しを求める。

(2) 被審人三菱樹脂

ア 平成21年(判)第7号審判事件
平成21年(措)第1号排除措置命令の取消しを求める。
イ 平成21年(判)第9号審判事件
平成21年(納)第2号課徴金納付命令の取消しを求める。

3 主文の内容

(1) 被審人三菱樹脂に対する平成21年2月18日付け課徴金納付命令(平成21年(納)第2号)のうち,37億1041万円を超えて納付を命じた部分を取り消す。
(2) 被審人三菱樹脂のその余の審判請求及び被審人積水化学工業の各審判請求をいずれも棄却する。

4 本件の経緯

平成21年
2月18日 排除措置命令及び課徴金納付命令
4月13日 被審人積水化学工業から排除措置命令及び課徴金納付命令に対して審判請求
4月16日 被審人三菱樹脂から排除措置命令及び課徴金納付命令に対して審判請求
5月13日 審判手続開始
6月29日 第1回審判

平成26年
3月14日 第27回審判(最終意見陳述を終了)
平成27年
9月28日 審決案送達
10月13日 被審人らから審決案に対する異議の申立て及び委員会に対する陳述(直接陳述)の申出
平成28年
1月14日 直接陳述の聴取
2月24日 被審人三菱樹脂に対する課徴金納付命令の一部を取り消し,被審人らのその余の各審判請求を棄却する審決

5 審決の概要

(1) 原処分の原因となる事実

 被審人らは,平成16年1月27日頃及び同年8月25日頃に株式会社クボタ(以下「クボタ」という。),シーアイ化成株式会社(以下「シーアイ化成」という。)及びアロン化成株式会社(以下「アロン化成」という。)と,平成17年8月25日頃及び平成18年5月11日頃までにクボタシーアイ株式会社(以下「クボタシーアイ」という。)とそれぞれ共同して,塩化ビニル管及び塩化ビニル管継手(以下,両者を併せて「塩化ビニル管等」という。)の出荷価格を引き上げる旨を合意することにより,公共の利益に反して,塩化ビニル管等の販売分野における競争を実質的に制限していた(以下,これらの行為を併せて「本件違反行為」という。)。
 被審人積水化学工業の本件違反行為の実行期間は平成16年3月1日から平成18年11月13日までであり,課徴金の額は79億6532万円である。
 被審人三菱樹脂の本件違反行為の実行期間は平成16年3月15日から平成18年11月13日までであり,課徴金の額は37億2137万円である。

(2) 本件の争点

ア 被審人らは,他の事業者との間で,塩化ビニル管等の出荷価格を引き上げる旨の合意をし,共同して相互にその事業活動を拘束したか(争点1)
(ア) 平成16年1月27日頃,被審人らは,クボタ,シーアイ化成及びアロン化成との間で塩化ビニル管等の出荷価格を引き上げる(以下,この価格の引上げを「第1次値上げ」という。)旨の合意をしたか。
(イ) 平成16年8月25日頃,被審人らは,クボタ,シーアイ化成及びアロン化成との間で塩化ビニル管等の出荷価格を引き上げる(以下,この価格の引上げを「第2次値上げ」という。)旨の合意をしたか。
(ウ) 平成17年8月25日頃,被審人らは,クボタシーアイとの間で塩化ビニル管等の出荷価格を引き上げる(以下,この価格の引上げを「第3次値上げ」という。)旨の合意をしたか。
(エ) 平成18年5月11日頃,被審人らは,クボタシーアイとの間で塩化ビニル管等の出荷価格を引き上げる(以下,この価格の引上げを「第4次値上げ」という。)旨の合意をしたか。
(以下,第1次値上げないし第4次値上げに係る合意を総称して「本件合意」という。)
イ 本件合意は一定の取引分野における競争を実質的に制限するか(争点2)
ウ 被審人らの主張する各商品は独占禁止法第7条の2第1項所定の「当該商品」に該当するか(争点3)

(3) 争点に対する判断の概要

ア 争点1について〔審決案41~95頁〕
(ア) 第1次値上げについて
 被審人ら及びクボタの各担当者は,平成16年1月21日,会合を開催し,遅くともこのときまでに,同年3月1日受注分から塩化ビニル管等の出荷価格について値上げをすることを決定した。当該会合を受けて,同年1月27日,被審人ら,クボタ,アロン化成及びシーアイ化成の各担当者は,会合を開催し,同年3月1日受注分から塩化ビニル管等の出荷価格について値上げをすることを合意した。
(イ) 第2次値上げについて
 被審人ら及びクボタの各担当者は,平成16年8月25日までの間に,同年10月1日出荷分から塩化ビニル管等の出荷価格について値上げをすることを決定した。同年8月25日,被審人ら,クボタ,アロン化成及びシーアイ化成の各担当者は,会合を開催し,同年10月1日出荷分から塩化ビニル管等の出荷価格について値上げをすることを合意した。
(ウ) 第3次値上げについて
 被審人ら及びクボタシーアイの各担当者は,平成17年8月25日,会合を開催し,同年10月11日頃出荷分から塩化ビニル管等の出荷価格について値上げをすることを合意した。
(エ) 第4次値上げについて
 クボタシーアイの担当者は,クボタシーアイ及び被審人らの各担当者がクボタシーアイの塩化ビニル管等の値上げの公表前に集まると,独占禁止法違反の疑いをかけられた場合に言い訳ができなくなると考え,平成18年5月8日,被審人積水化学工業の担当者を訪ね,クボタシーアイの塩化ビニル管等の値上げの公表までは個別に連絡を取り合うなどの方法により,クボタシーアイ及び被審人らの3社で合意するという従来の枠組みを維持していくことを提案し,また,第4次値上げはクボタシーアイが先頭になって値上げを実施するので,同社の値上げ方針に沿って被審人積水化学工業も値上げを実施するよう求め,了承を得た。そして,同月10日頃,クボタシーアイの担当者は被審人積水化学工業の担当者に電話をかけ,同年6月21日出荷分から塩化ビニル管等の出荷価格について値上げをすることを連絡し,了承を得た。
 また,同年5月11日,クボタシーアイの担当者は被審人三菱樹脂の担当者を訪ね,上記と同様の提案を行い,同年6月21日出荷分からの自社の値上げ方針等を伝え,被審人三菱樹脂も値上げを実施するよう求めたところ,了承を得た。
 なお,クボタシーアイの担当者は,自社の値上げ方針等を被審人らに連絡する際には,それぞれ他社の担当者にも同じ内容を伝えた,あるいは伝える旨を話して相互伝達を図っていた。
 このように,同年5月11日頃までに,クボタシーアイの担当者が被審人らの各担当者から,被審人らもクボタシーアイの値上げ方針に沿って塩化ビニル管等の値上げを実施することの同意を得たことにより,塩化ビニル管等の出荷価格について値上げすることを合意した。
(オ) 本件合意について
 上記認定事実等によれば,被審人らが他の事業者との間で塩化ビニル管等の出荷価格を引き上げる旨を合意したこと(本件合意をしたこと)が認められる。
 そして,本件合意により,合意参加者の事業活動が事実上拘束される結果となることは明らかであるから,本件合意は,独占禁止法第2条第6項の「その事業活動を拘束し」の要件を充足する。
 また,本件合意の成立により,合意参加者の間に,本件合意の内容に基づいた行動をとることを互いに認識し認容して歩調を合わせるという意思の連絡が形成されたものといえるから,本件合意は,同項の「共同して・・・相互に」の要件も充足する。
 したがって,被審人らは,他の事業者との間で,塩化ビニル管等の出荷価格を引き上げる旨の合意をし,共同して相互にその事業活動を拘束したと認められる。

イ 争点2について〔審決案95~101頁〕
(ア) 独占禁止法第2条第6項にいう「一定の取引分野における競争を実質的に制限する」とは,当該取引に係る市場が有する競争機能を損なうことをいい,本件のような価格カルテルの場合には,その当事者である事業者らがその意思で,当該市場における価格をある程度自由に左右することができる状態をもたらすことをいうと解される。
(イ) 本件における一定の取引分野
 「一定の取引分野」は,そこにおける競争が共同行為によって実質的に制限されているか否かを判断するために画定するものであるところ,不当な取引制限における共同行為は,特定の取引分野における競争の実質的制限をもたらすことを目的及び内容としているものであるし,また,行政処分の対象として必要な範囲で市場を画定するという観点からは,共同行為の対象である商品役務の相互の代替性について厳密な検証を行う実益は乏しいから,通常の場合,その共同行為が対象としている取引及びそれにより影響を受ける範囲を検討して,一定の取引分野を画定すれば足りると解される。
 本件合意は,塩化ビニル管等の販売価格の引上げに関するものであり,本件合意が対象としている取引は,それらの販売に関する取引であり,それにより影響を受ける範囲も同取引であるから,塩化ビニル管等の販売分野という一定の取引分野を画定し,このような取引分野において競争が実質的に制限されているかを検討するのが相当であり,かつ,それで足りるというべきである。
(ウ) 本件合意は一定の取引分野における競争を実質的に制限するか
 本件においては,平成17年8月以前における被審人ら,クボタシーアイ(同年3月以前にあってはクボタ及びシーアイ化成)及びアロン化成の塩化ビニル管等の販売金額の合計は,塩化ビニル管等の製造販売業者(以下「塩ビ管メーカー」という。)の我が国における塩化ビニル管等の総販売金額の大部分(同年9月以降における被審人ら及びクボタシーアイの合計にあっては過半)を占めていた。
 また,被審人ら及びクボタシーアイとその他の塩ビ管メーカーとの間には,生産規模や販売体制において格差があり,その他の塩ビ管メーカーは,それぞれ市場におけるシェアも小さい状況であって,さらに,本件合意の成立以前から,塩化ビニル管等の値上げに際して,中堅以下の塩ビ管メーカーは,大手の塩ビ管メーカーであるクボタ及び被審人らにより,塩化ビニル管等の値上げに協力するよう要請を受けて値上げに動き,塩ビ管メーカー全体が一丸となって値上げを実施していくという流れにあったのであり,大手の塩ビ管メーカーの値上げに他の塩ビ管メーカーが追随する状況であり,実際,クボタ及び被審人らの担当者は,本件合意の際も,本件合意に参加していない他の塩ビ管メーカーに対し,塩化ビニル管等の値上げに協力するよう要請している。
 したがって,本件合意の成立により,塩化ビニル管等の販売分野における競争が全体として減少し,被審人ら,クボタ,アロン化成及びシーアイ化成又は被審人ら及びクボタシーアイが,その意思で,ある程度自由に我が国における塩化ビニル管等の価格等の取引条件を左右することによって,塩化ビニル管等の販売分野という市場を支配することができる状態に至っていたと認められるから,本件合意が塩化ビニル管等の販売分野という一定の取引分野における競争を実質的に制限していたことは明らかである。

ウ 争点3について〔審決案101~188頁〕
(ア) 当該商品について
 独占禁止法は,課徴金の算定方法を具体的な法違反による現実的な経済的不当利得そのものとは切り離し,売上額に一定の比率を乗じて一律かつ画一的に算出することとして,カルテル禁止の実効性確保のための行政上の措置として機動的に発動できることを図ったものと解すべきである。
 そして,独占禁止法第7条の2第1項にいう「当該商品」とは,違反行為である相互拘束の対象である商品,すなわち,違反行為の対象商品の範ちゅうに属する商品であって,違反行為である相互拘束を受けたものをいうと解すべきであり,一定の商品につき,違反行為を行った事業者又は事業者団体が,明示的又は黙示的に当該行為の対象から除外するなど,当該商品が違反行為である相互拘束から除外されていることを示す特段の事情が認められない限り,違反行為による拘束が及んでいるものとして,課徴金算定の対象となる当該商品に含まれ,違反行為者が,実行期間中に違反行為の対象商品の範ちゅうに属する商品を引き渡して得た対価の額が,課徴金の算定の基礎となる売上額となると解すべきである。
(イ) 本件における当該商品
 本件において,塩化ビニル樹脂等を原料とする硬質ポリ塩化ビニル管及び硬質ポリ塩化ビニル継手のうち,電線保護管等は除外されていたものの,それ以外の塩化ビニル樹脂等を原料とする塩化ビニル管及び塩化ビニル管継手(すなわち塩化ビニル管等)は広く本件合意の対象となっていたと認められる。
 よって,本件違反行為の対象商品は塩化ビニル管等であり,その範ちゅうに属する商品は,違反行為者が明示的又は黙示的に本件違反行為の対象から除外するなど当該商品が違反行為である相互拘束から除外されていることを示す特段の事情が認められない限り,本件違反行為による拘束が及んでいるものと解される。
 被審人三菱樹脂が販売する商品のうち,次のaないしc以外の各商品については,本件違反行為の対象商品の範ちゅうに属し,かつ,本件違反行為の相互拘束から除外されていることを示す特段の事情があるとは認められないから,当該商品に該当する。
a コップスシステム用継手
 コップスシステムは,水田における水位管理のための装置であり,主にコップスユニットという給排水装置と個々のコップスユニットをつなぐパイプライン(用水パイプライン,排水パイプライン)を組み合わせ構築されている。
 コップスシステム用パイプは,コップスシステムのうちのパイプラインの部分であるから,塩化ビニル管に当たる。したがって,コップスシステム用パイプは,本件違反行為の対象商品の範ちゅうに属する。
 他方,コップスシステム用継手は,コップスシステムの需用者に対して販売される完成品としてのコップスユニットをいうのか,加工委託先にコップスユニットの部品として有償支給されるユニット用ボックスをいうのか証拠上明らかでないが,仮に後者であるとすれば,ユニット用ボックスはポリプロピレン製であるし,継手でもないから,塩化ビニル管継手に当たらないし,仮に前者であるとしても,完成品としてのコップスユニットは,その形状等からみて継手ではないから,塩化ビニル管継手に当たらない。したがって,コップスシステム用継手は,本件違反行為の対象商品の範ちゅうに属さないことから,当該商品には該当しない。
b 水栓柱用原管・同継手
 水栓柱は,住宅の外回りで水道の蛇口を立ち上げるための支柱となる製品であり,その外面は,御影石製,ステンレス製,塩化ビニル製等がある。水栓柱用原管・同継手の中には,塩化ビニルライニング鋼管及びその継手を原材料としたものが含まれているところ,塩化ビニルライニング鋼管は塩化ビニル管を構成部材として製造された鋼管であり,同様の特性を有する塩化ビニルライニング鋼管継手とともに,本件違反行為の対象商品の範ちゅうに属さない。
 ところで,被審人三菱樹脂の水栓柱用原管・同継手の売上額のうち塩化ビニルライニング鋼管及びその継手とそれ以外の商品の売上額の内訳は不明である。そうすると,仮に,水栓柱用原管・同継手のうち塩化ビニルライニング鋼管及びその継手以外の商品が当該商品に該当したとしても,その売上額がいくらとなるかの立証は無いことになる。
 したがって,水栓柱用原管・同継手の全部を課徴金算定の基礎となる当該商品から除くべきである。
c シュート管
 シュート管は,塩化ビニル管を半割りした加工製品であるところ,シュート管は,その名称の中に「管」という字が含まれているが,中空の円筒ではないから,シュート管を塩化ビニル管ということには疑義がある。もちろん,シュート管は,塩化ビニル管継手でもない。したがって,シュート管が本件違反行為の対象商品の範ちゅうに属するとは認められないから,シュート管は当該商品に該当しない。

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公正取引委員会事務総局官房総務課審決訟務室
電話 03-3581-5478(直通)
ホームページ  http://www.jftc.go.jp/

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