平成29年6月21日
公正取引委員会
公正取引委員会は,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号。以下「独占禁止法」といいます。)違反行為の未然防止と事業者及び事業者団体(以下「事業者等」といいます。)の適切な事業活動に役立てるため,事業者等が実施しようとする具体的な行為に関して個別の相談に対応しています。
また,公正取引委員会では,事業者等の独占禁止法に関する理解を一層深めることを目的として,相談者以外にも参考になると考えられる主要な相談の概要を取りまとめて相談事例集として毎年公表しています。
このたび,公正取引委員会は,平成28年度における事業者等の活動に関する主要な相談事例を取りまとめ,「独占禁止法に関する相談事例集(平成28年度)」として公表することとしました。
今回の相談事例集には,特徴的なものとして,次の事例を掲載しています。
1 メーカーによる小売業者への販売価格の指示(事例1)
家電メーカーが,商品売れ残りのリスク等を自ら負うことを前提として,販売委託先の小売業者に対して家電製品の販売価格を指示することについて,当該小売業者は単なる取次ぎとして機能しており,実質的にみて当該メーカーが販売していると認められることから,独占禁止法上問題となるものではないと回答した事例
2 共同研究開発の成果等の競争者への供与の制限(事例3)
家電メーカーが,共同研究開発の参加者である部品メーカーに対し,成果である技術の供与及び当該技術を用いた製品の販売を第三者に行うことを一定期間制限する際,特定の競争者に対してのみ制限期間を長期とすることについて,当該技術が競争上重要なものとなれば,当該特定の競争者の取引の機会を減少させるおそれがあること,また,制限期間に差を設けることに特段の合理的な理由が見当たらないことから,独占禁止法上問題となるおそれがあると回答した事例
3 競合するメーカーによる配送の共同化(事例7)
食料品メーカー2社が,商品配送の効率化のため,遠隔の地域に所在する卸売業者への配送を共同化することについて,2社が製造販売する食料品の販売価格に占める物流経費の割合は小さいこと,また,2社ともに食料品の販売価格に関する情報は物流子会社に対しても一切伝えず,配送先,配送数量等の配送の共同化に必要な情報は物流子会社間でのやり取りに限定し,2社には伝わらないよう情報遮断措置を採るとしていることから,独占禁止法上問題となるものではないと回答した事例
内 容 | 相談件数 | ||
---|---|---|---|
平成27年度 | 平成28年度 | ||
「事前相談制度」による相談 | 0件 | 0件 | |
事業者の活動に関する相談 | 0件 | 0件 | |
事業者団体の活動に関する相談 | 0件 | 0件 | |
一般相談 | 1381件 | 1428件 | |
事業者の活動に関する相談 | 1182件 | 1220件 | |
流通・取引慣行に関する相談 | 969件 | 953件 | |
(うち優越的地位の濫用に関する相談) | (432件) | (444件) | |
共同行為に関する相談 | 80件 | 109件 | |
技術取引に関する相談 | 35件 | 30件 | |
共同研究開発に関する相談 | 12件 | 25件 | |
その他 | 86件 | 103件 | |
事業者団体の活動に関する相談 | 199件 | 208件 | |
合計 | 1381件 | 1428件 |
関連ファイル
(印刷用)(平成29年6月21日)独占禁止法に関する相談事例集(平成28年度)について(PDF:80KB)
独占禁止法に関する相談事例集(平成28年度)(PDF:663KB)
問い合わせ先
問い合わせ先 公正取引委員会事務総局経済取引局取引部取引企画課相談指導室
電話 03-3581-5481(直通)
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