平成30年6月27日
公正取引委員会
公正取引委員会は,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号。以下「独占禁止法」といいます。)違反行為の未然防止と事業者及び事業者団体(以下「事業者等」といいます。)の適切な事業活動に役立てるため,事業者等が実施しようとする具体的な行為に関して個別の相談に対応しています。
また,公正取引委員会では,事業者等の独占禁止法に関する理解を一層深めることを目的として,相談者以外にも参考になると考えられる主要な相談の概要を取りまとめて相談事例集として毎年公表しています。
このたび,公正取引委員会は,平成29年度における事業者等の活動に関する主要な相談事例を取りまとめ,「独占禁止法に関する相談事例集(平成29年度)」として公表することとしました。
今回の相談事例集には,特徴的なものとして,次の事例を掲載しています。
1 プラットフォーム運営事業者による自己の競争者との取引制限(事例4)
プラットフォーム運営事業者が,自らのプラットフォームを通じてソフトウェアを配信するソフトウェアメーカーに対し,特定のソフトウェアの開発費用を一部負担すること等の見返りとして,当該ソフトウェアを一定期間自らのプラットフォームのみを通じて配信するよう義務付けることについて,他のプラットフォーム運営事業者が当該ソフトウェア以外にも様々な人気ソフトウェアを配信している複数のソフトウェアメーカーと取引することが可能なこと等から,独占禁止法上問題となるものではないと回答した事例
2 競合する家電製品メーカーによる配送の共同化のための情報共有(事例8)
家電製品メーカー6社が,将来における物流業務の共同化の実現性及びそのスキームを検討するために各社の物流業務に係る情報を共有することについて,6社がそれぞれ製造販売する家電製品の販売価格に占める各社の物流経費の割合(共同化割合)はいずれも約5パーセントと小さいこと,家電製品の価格又は数量に関する情報は共有しないこと等から,独占禁止法上問題となるものではないと回答した事例
3 事業者団体による会員の特定の曜日の休業推進(事例11)
交通インフラ工事業者を会員とする団体が,政府の働き方改革を踏まえ,会員における週休二日制の実現に向けて,特定の曜日を休業日とする運動を推進することについて,①交通インフラ工事の発注者が当該特定の曜日を含む週休二日制を前提とした工期で既に発注を行っていることなどから,発注者(需要者)の利益を不当に阻害するものではないこと,②会員間で不当に差別的な内容ではないこと,③会員の労働者の処遇改善及び人材の確保という社会公共的な目的に基づく取組であり,取組の内容も合理的に必要とされる範囲内のものであることに加え,当該団体は,当該運動への参加を会員に強制しないことから,独占禁止法上問題となるものではないと回答した事例
内 容 | 相談件数 | ||
---|---|---|---|
平成28年度 | 平成29年度 | ||
「事前相談制度」による相談 | 0件 | 0件 | |
事業者の活動に関する相談 | 0件 | 0件 | |
事業者団体の活動に関する相談 | 0件 | 0件 | |
一般相談 | 1428件 | 1554件 | |
事業者の活動に関する相談 | 1220件 | 1341件 | |
流通・取引慣行に関する相談 | 953件 | 1113件 | |
(うち優越的地位の濫用に関する相談) | (444件) | (561件) | |
共同行為・業務提携に関する相談 | 109件 | 101件 | |
技術取引に関する相談 | 30件 | 30件 | |
共同研究開発に関する相談 | 25件 | 15件 | |
その他 | 103件 | 82件 | |
事業者団体の活動に関する相談 | 208件 | 213件 | |
合計 | 1428件 | 1554件 |
関連ファイル
(印刷用)(平成30年6月27日)独占禁止法に関する相談事例集(平成29年度)について(PDF:134KB)
独占禁止法に関する相談事例集(平成29年度)(PDF:953KB)
問い合わせ先
問い合わせ先 公正取引委員会事務総局経済取引局取引部取引企画課相談指導室
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