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(平成30年3月28日)東京都,東京港埠頭株式会社又は成田国際空港株式会社が発注する舗装工事の工事業者に対する排除措置命令及び課徴金納付命令について

(平成30年3月28日)東京都,東京港埠頭株式会社又は成田国際空港株式会社が発注する舗装工事の工事業者に対する排除措置命令及び課徴金納付命令について

平成30年3月28日
公正取引委員会

 公正取引委員会は,東京都発注の特定二層式低騒音舗装工事(注1),東京港埠頭株式会社(以下「東京港埠頭」という。)発注の特定舗装工事(注2)又は成田国際空港株式会社(以下「NAA」という。)発注の特定舗装工事(注3)の工事業者に対し,本日,独占禁止法の規定に基づき排除措置命令及び課徴金納付命令を行った。
 本件は,各舗装工事の工事業者が,独占禁止法第3条(不当な取引制限の禁止)の規定に違反する行為を行っていたものである。

(注1)「東京都発注の特定二層式低騒音舗装工事」とは,東京都が希望制指名競争入札(施工能力審査型総合評価方式によるものを含む。)の方法により発注する舗装工事(当該工事以外の工事が併せて発注されるものを含む。)であって,道路舗装工事の有資格者(道路舗装工事の競争入札参加資格者として東京都に登録されている者をいう。以下同じ。)又は道路舗装工事の有資格者を構成員とする特定建設工事共同企業体を入札参加者とするもののうち,二層式低騒音舗装工事(タイヤ及び路面から発生する騒音の低減機能を向上させるために,空隙率の高いポーラスアスファルト混合物を二層構造とし,上層に下層より小粒径の骨材を用いる舗装工事のうち,二層を同時に舗設する工法のみを用いるものをいう。)が含まれるものをいう。
(注2)「東京港埠頭発注の特定舗装工事」とは,東京港埠頭が一般競争入札の方法により発注するコンテナ埠頭等の整備,改良又は補修工事であって,道路舗装工事の有資格者を入札参加者とするものをいう。
(注3)「NAA発注の特定舗装工事」とは,NAAが簡易型総合評価方式(平成24年4月1日以降は簡易型総合評価方式(通常型))による公募型競争の方法により発注する舗装工事(当該工事以外の工事が併せて発注されるものを含む。)であって,空港舗装工事の契約参加資格者としてNAAに登録されていることを応募資格とするものをいう。

1 違反事業者数,排除措置命令及び課徴金納付命令の対象事業者数並びに課徴金額(違反事業者名,各事業者の課徴金額等については別表のとおり。)

  違反事業者数

排除措置命令
対象事業者数

課徴金納付命令
対象事業者数

課徴金額
東京都発注の特定二層式低騒音舗装工事 8社 5社 6社 3億4064万円
東京港埠頭発注の特定舗装工事 7社 4社 4社 1億7619万円
NAA発注の特定舗装工事 8社 5社 6社 2億5382万円
合計

延べ23社
(実数9社)

延べ14社
(実数6社)

延べ16社
(実数9社)

7億7065万円

2 違反行為の概要(詳細は別添排除措置命令書参照)

(1) 東京都発注の特定二層式低騒音舗装工事
 8社(別表の番号1から7まで及び9の事業者)は,遅くとも平成23年12月15日以降,東京都発注の特定二層式低騒音舗装工事について,受注価格の低落防止等を図るため
 ア(ア) 受注すべき者又は特定建設工事共同企業体(以下(1)及び(3)において「受注予定者」という。)を決定する
  (イ) 受注すべき価格は,受注予定者が定め,受注予定者以外の者は,受注予定者がその定めた価格で受注できるように協力する
旨の合意の下に
 イ(ア) 受注を希望する者(以下「受注希望者」という。)が1社のときは,その者又はその者を代表者とする特定建設工事共同企業体を受注予定者とする
  (イ) 受注希望者が複数社のときは,当該工事に関する営業努力又は当該工事の施工場所を勘案して,受注希望者間の話合いにより受注予定者を決定する
などにより,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにすることにより,公共の利益に反して,東京都発注の特定二層式低騒音舗装工事の取引分野における競争を実質的に制限していた。

(2) 東京港埠頭発注の特定舗装工事
 7社(別表の番号1から7までの事業者)は,遅くとも平成24年1月26日以降,東京港埠頭発注の特定舗装工事について
 ア 受注すべき者(以下(2)において「受注予定者」という。)を決定する
 イ 受注すべき価格は,受注予定者が定め,受注予定者以外の者は,受注予定者がその定めた価格で受注できるように協力する
旨の合意の下に,当該工事に関する営業努力を勘案するなどにより,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにすることにより,公共の利益に反して,東京港埠頭発注の特定舗装工事の取引分野における競争を実質的に制限していた。

(3) NAA発注の特定舗装工事
 8社(別表の番号1から8までの事業者)は,遅くとも平成23年9月30日以降,NAA発注の特定舗装工事について,受注価格の低落防止等を図るため
 ア(ア) 受注予定者を決定する
  (イ) 受注予定者以外の者は,受注予定者が受注できるように協力する
旨の合意の下に
 イ(ア) 次のいずれかの方法により受注予定者を決定する
   a 受注希望者が1社のときは,その者又はその者を代表者とする特定建設工事共同企業体を受注予定者とする
   b 受注希望者が複数社のときは,受注希望者間の話合いにより受注予定者を決定する
  (イ) 受注予定者が提示する見積価格は,受注予定者が定め(受注予定者が特定建設工事共同企業体である場合にあってはその代表者が他の構成員と調整して定め),受注予定者以外の者は,受注予定者が定めた見積価格よりも高い見積価格を提示する
などにより,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにすることにより,公共の利益に反して,NAA発注の特定舗装工事の取引分野における競争を実質的に制限していた。

3 排除措置命令の概要

 前記2の違反行為ごとに,次のとおり排除措置命令を行った。
(1) 各取引分野における排除措置命令の対象事業者(以下「名宛人」という。)は,それぞれ,次の事項を,取締役会において決議しなければならない。
ア 前記2の行為を取りやめていることを確認すること。
イ 今後,相互の間において,又は他の事業者と共同して,
 (ア) 東京都発注の特定二層式低騒音舗装工事
 (イ) 東京港埠頭が発注するコンテナ埠頭等の整備,改良又は補修工事その他の舗装工事(当該工事以外の工事が併せて発注されるものを含む。)であって,道路舗装工事の有資格者を入札参加者とするもの
 (ウ) NAAが発注する舗装工事(当該工事以外の工事が併せて発注されるものを含む。)であって,空港舗装工事の契約参加資格者としてNAAに登録されていることを応募資格とするもの
について,受注予定者(注4)を決定せず,各社がそれぞれ自主的に受注活動を行うこと。

(注4)(ア)及び(ウ)にあっては受注すべき者又は特定建設工事共同企業体をいい,また,(イ)にあっては受注すべき者をいう。以下(3)においても同じ。

(2) 名宛人は,それぞれ,前記(1)に基づいて採った措置を,自社を除く名宛人及び発注者に通知し,かつ,自社の従業員に周知徹底しなければならない。

(3) 名宛人は,今後,それぞれ,相互の間において,又は他の事業者と共同して,前記(1)イの工事について,受注予定者を決定してはならない。

4 課徴金納付命令の概要

 課徴金納付命令の対象事業者は,平成30年10月29日までに,それぞれ別表の「課徴金額」欄記載の額(総額7億7065万円)を支払わなければならない。

関連ファイル

問い合わせ先

公正取引委員会事務総局審査局第五審査
電話 03-3581-1779(直通)
ホームページ http://www.jftc.go.jp/

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