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(平成30年5月23日)みんなのペットオンライン株式会社に対する独占禁止法違反被疑事件の処理について

(平成30年5月23日)みんなのペットオンライン株式会社に対する独占禁止法違反被疑事件の処理について

平成30年5月23日
公正取引委員会

 公正取引委員会は,みんなのペットオンライン株式会社(以下「みんなのペット」という。)が,同社が運営するブリーダー(注)と一般消費者の間の犬又は猫の取引を仲介するウェブサイト(以下「ペット仲介サイト」という。)である「みんなのブリーダー」及び「みんなの子猫ブリーダー」(以下,二つのペット仲介サイトを併せて「みんなのブリーダー等」という。)を利用するブリーダーに対し,みんなのブリーダー等以外のペット仲介サイト(以下「他のペット仲介サイト」という。)に犬又は猫の情報を掲載することを制限している疑いがあったことから,独占禁止法の規定に基づいて審査を行ってきた。
 今般,みんなのペットから,改善措置を自発的に講じた旨の報告があり,その内容を検討したところ,上記の疑いを解消するものと認められたことから,本件審査を終了した。
 (注)「ブリーダー」とは,販売を目的として,犬や猫等の繁殖を行う事業者をいう。

1 みんなのペットの概要

法人番号 1370001040552
名称 みんなのペットオンライン株式会社
所在地 仙台市宮城野区榴岡三丁目4番1号アゼリアヒルズ7階
代表者 代表取締役 一ノ坪 平

2 ペット仲介サイトを通じた犬又は猫の流通等

(1) 一般消費者が,ブリーダーが繁殖させた犬又は猫を購入するまでには様々な流通経路が存在するところ,ペット仲介サイトを通じた取引もその一つであり,ペット仲介サイトを運営する事業者は複数存在する。
(2) みんなのペットは,犬を対象としたペット仲介サイトとして「みんなのブリーダー」を,猫を対象としたペット仲介サイトとして「みんなの子猫ブリーダー」を運営しているところ,みんなのブリーダー等を通じて取引された犬又は猫の仲介実績等を踏まえると,みんなのペットは,ペット仲介サイトの運営分野において有力な事業者である。
(3) 一般的に,ペット仲介サイトの運営事業者は,ペット仲介サイトを通じて取引された犬又は猫の仲介実績,ペット仲介サイトに登録している犬又は猫の数及びペット仲介サイトに登録しているブリーダーの数をペット仲介サイトに掲載し,一般消費者に対し,仲介実績や犬又は猫の登録数の多さ等を訴求している。

3 みんなのペットによる仲介の仕組み

(1) みんなのブリーダー等に犬又は猫の情報を掲載しようとするブリーダーは,みんなのペットによる審査を経て,みんなのブリーダー等に登録することで,自らが販売しようとする犬又は猫の情報をみんなのブリーダー等に掲載することができる(以下,みんなのブリーダー等に登録したブリーダーを「登録ブリーダー」という。)。
 登録ブリーダーは,みんなのブリーダー等を通じて犬又は猫の取引が成立した場合に,みんなのペットに対し,成約手数料を支払うこととなっている。
(2) みんなのペットは,平成28年11月に,一定の条件を満たした登録ブリーダーが,みんなのペットに申請して同社に認められた場合に適用される「プレミアムパートナー制度」と称する制度を開始した。
(3) プレミアムパートナー制度が適用された登録ブリーダーは,①成約手数料が値引きされる,②一般消費者がみんなのブリーダー等で犬又は猫の情報を検索した場合に,検索条件に該当する犬又は猫の情報の表示順位が優遇される等の特典が受けられる。
 他方で,プレミアムパートナー制度が適用された登録ブリーダーは,他のペット仲介サイトに犬又は猫の情報を掲載することが禁止される。
(4) みんなのペットは,プレミアムパートナー制度が適用された登録ブリーダーが,他のペット仲介サイトに犬又は猫の情報を掲載していることを把握した場合,当該登録ブリーダーに対し,他のペット仲介サイトへの犬又は猫の情報の掲載を取りやめるよう複数回にわたって注意し,それでも他のペット仲介サイトへの犬又は猫の情報の掲載を取りやめないときには,プレミアムパートナー制度の適用を解除し,特典が受けられないようにしていた。

4 独占禁止法上の考え方

 一般に,販売業者と一般消費者との取引を仲介するウェブサイト(以下「仲介サイト」という。)の運営事業者が,市場において有力な地位を占め,自らが運営する仲介サイトを利用する多数の販売業者に対し,商品の範囲や期間を限定することなく他の仲介サイトの利用を禁止する場合は,他の仲介サイトを利用する販売業者が減少することにより,他の仲介サイトの運営事業者と販売業者との間の取引機会を減少させる効果を生じさせ,仲介サイトの運営事業者間の公正な競争を阻害するおそれがある(独占禁止法第19条〔一般指定第11項〔排他条件付取引〕〕)。
 また,このような行為は,他の仲介サイトに掲載される商品の数を減少させることにより,他の仲介サイトを選択する一般消費者も減少させる効果を生じさせ,仲介サイトの運営事業者間の公正な競争を阻害するおそれがある。

5 みんなのペットからの報告

 本件審査の過程において,みんなのペットから公正取引委員会に対し,次の改善措置を自発的に講じた旨の報告があった。
①  プレミアムパートナー制度を取りやめたこと
②  登録ブリーダー全てに対し,プレミアムパートナー制度を取りやめた旨を周知するとともに,自社の従業員全てに周知したこと

6 公正取引委員会の対応

 公正取引委員会は,みんなのペットによる上記5の措置が,独占禁止法違反の疑いを解消するものと判断し,本件審査を終了した。

関連ファイル

問い合わせ先

問い合わせ先 公正取引委員会事務総局審査局第二審査上席
電話 03-3581-3335(直通)
ホームページ http://www.jftc.go.jp/

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