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平成22年1月20日付 事務総長定例会見記録

平成22年1月20日付 事務総長定例会見記録

 [発言事項]
 競争政策研究センター(CPRC)の活動状況について

事務総長会見記録(平成22年1月20日(水曜)13時30分~ 於 官房第1会議室)

 [発言事項]

競争政策研究センター(CPRC)の活動状況について

 (事務総長) 私からは本日は1点,競争政策研究センター(CPRC)の活動状況についてお話したいと思います。 経済のグローバル化,ボーダレス化が進行し,技術革新も進んでいく状況におきまして,公正取引委員会における競争政策上の制度設計,あるいは法執行に関して,経済学的,あるいは法学的な分析の成果を取り入れる必要性が高まってきているわけであります。このようなことから,公正取引委員会は,平成15年6月に「競争政策研究センター」(CPRC(Competition Policy Research Center))を発足させ,今年で8年目を迎えているわけであります。 CPRCでは,外部の研究者や実務家といった方々と公正取引委員会の職員が協働,コラボレーションによって研究を行い,独占禁止法や関連する法律の執行,あるいは政策の立案等を行う上で必要な理論的な基礎を提供する,こうした活動を展開しているわけであります。 CPRCは,初代の所長に鈴村興太郎先生,現在は小田切宏之先生と,一橋大学の教授をそれぞれお迎えしまして,国際的にも大変著名な経済学者であるお二方のリーダーシップの下で,これまでにいろいろな活動実績を積んできております。具体的には,国際シンポジウムを6回,公開セミナーを19回,共同研究の報告書を29本,それからディスカッション・ペーパーを46本公表させていただいておりまして,競争政策の研究と啓発に努力しているところであります。 このCPRCの研究を深めていくことのほかに,もう一つ大きな役割として競争政策に関しての研究者や実務家の国際的な交流拠点としての機能を果たすことも重要であるということ,こうした国際的な交流の成果を広く世の中に発信していくことも重要であると思っております。その一つとして,国際シンポジウムというものがこの役割を果たしているわけでありまして,海外の競争当局の担当者や学識経験者等をお迎えして,これを開催しているわけであります。 前回の定例会見でもお話しさせていただきましたが,今年度は来月2月19日にKKRホテル東京で「東アジア諸国の経済発展における競争政策の役割」というテーマで,韓国,タイ,シンガポール,中国といった国から法学者,あるいは経済学者等をお招きして講演していただき,ディスカッションしていただく予定としております。こういった国際シンポジウムのほかにも公開セミナー等を年3,4回開催しており,一般の方にも公開して御参加いただけるようになっております。 こうした国際シンポジウムや共同研究の報告書といったものにつきましては,競争政策研究センター(CPRC)のホームページに掲載されており,どなたでもアクセスできるようになっておりますので,御関心のある方は御覧いただければと思います。 私からは以上であります。
 [質疑応答]

 (問)本日の一部報道で,昨日の日本航空の会社更生法の申請を受けて,全日空が国土交通省と公正取引委員会に,公正・公平な競争という観点から申入れを行うという記事がありましたが,そういったものがあったのでしょうか。あったのであれば,その内容はどういったものなのか教えてください。
 (事務総長)JALへの公的支援に関して全日空が国土交通省,あるいは公正取引委員会に申入れを行うという報道がされたという件についてということですが,本日夕方に,そのような申入れが行われるということを聞いております。まだ申入れをいただいておりませんので,具体的な内容までは承知しておりませんが,報道されていることによりますと,公正かつ公平な競争環境の確保がされなくなる可能性があるので,その競争がゆがめられないように配慮してほしいということなりの御要請かと思います。一般に,国が特定の事業者に対しまして一定の公的な補助,支援を行うというようなことは従来から時々あるわけでありますが,支援の有無にかかわらず,公正取引委員会としては,そのような分野においても公正かつ自由な競争の促進が重要であるという観点で,もし競争をゆがめられるような行為や,あるいは御懸念されるような,仮にダンピングがあるとか,不公正な取引方法が用いられるとか,独占的な行為があるというようなことがあれば,それは厳正に独占禁止法で対処していくということになるのだろうと考えております。
 (問) 政府や企業再生支援機構の支援策であっても,その問題性を感じた場合は,積極的に指摘していくという方向になるのでしょうか。
 (事務総長)再生機構等の支援策そのものについて,公正取引委員会が競争政策の観点から指摘することがあるのかという御質問ですが,それは,一定の政策目的のために国が拠出を行うであるとか,公的支援を行うということでありますから,そのこと自体について公正取引委員会が,発言をするということはあまりないと思います。ですから,御懸念されている点も,その後の企業行動において,独占禁止法違反,独占的な行為があったりとか,不公正な取引方法に該当するような行為があれば,それは問題ですので,当然,厳正に独占禁止法を適用していくということになるのであろうと思っております。
 (問)いつもの質問で恐縮ですが,キリンとサントリーの統合の進捗状況というのは,先週と変わらないということでよろしいでしょうか。
 (事務総長)キリンとサントリーの経営統合に関しては,追加資料の提出を求めているという状況でありますが,お話を聞いている限り,現在,当事会社において,鋭意,作業されているということです。先週もお話しさせていただきましたが,全部の資料がそろわないと受け付けないというものではないので,まとまったところから出していただきたいということをお願いしており,それに向けて,鋭意,作業を急がれていると承知しております。

 以上

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