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平成22年2月10日付 事務総長定例会見記録

 [発言事項]

事務総長会見記録(平成22年2月10日(水曜)13時30分~於 官房第1会議室)

 [発言事項]

最近の審決取消訴訟の高裁判決について

 (事務総長) 先月の1月29日に3件の審決取消訴訟についての高裁判決が出されました。
 1件目は,財団法人東京都新都市建設公社が発注する土木工事の入札談合事件,いわゆる多摩談合事件に係る課徴金の納付を命ずる審決取消訴訟について株式会社植木組ほか6社の請求を棄却する判決であります。
 2件目は,沖縄県発注の建築工事の入札談合事件に係る審決取消訴訟について株式会社野里組の請求を棄却する判決が出されております。
 3件目は,着うた提供業務における共同の取引拒絶事件に係る審決取消訴訟について原告らの請求を棄却する判決が出されております。
 本日は,これらのうち,着うた提供業務に係る共同の取引拒絶事件の審決取消訴訟の判決につきまして簡単に御紹介したいと思います。
 この事件は,公正取引委員会が平成17年3月24日に排除勧告を行い,応諾しなかった着うた提供業者らに対して審判手続を行いまして,平成20年7月24日,原告らを含む5社が,共同して設立したレーベルモバイル株式会社に対し,着うた提供業務を委託する一方,他の着うた提供業者に対して,原盤権の利用許諾を行わないようにしていることが,不公正な取引方法,一般指定と呼んでおりますが,これの第1項第1号に該当し,独占禁止法第19条の規定に違反するとして認定し,原告らに対して,排除措置を命ずる審判審決を行ったものでありますが,これに対しまして,審決取消訴訟が提起され,先月の29日に判決があったものであります。
 本件訴訟における大きな論点としては,5社が共同して原盤権の利用許諾を拒絶していたのかどうか,この一般指定第1項は,競争業者間で共同して行う行為に関して適用があるものですので,共同して行ったかどうかという問題が大きな争点であり,2つ目の論点が,排除措置の必要性があるかどうかということであります。
 判決では,本件審決の認定事実は実質的証拠に基づくものであり,その認定は相当なものであると判断した上で,次のような判示をしております。
 まず,共同の取引拒絶の有無についてでありますが,取引拒絶の共同性についての判断基準として,「共同して」に該当するためには,当該取引拒絶を行うことについての「意思の連絡」が必要となるものとし,この場合の「意思の連絡」とは,「複数事業者が同内容の取引拒絶行為を行うことを相互に認識ないし予測して,これを認容してこれと歩調をそろえる意思であることを意味しており,『意思の連絡』を認めるに当たっては,事業者相互間で明示的に合意することまでは必要ではなく,他の事業者の取引拒絶行為を認識ないし予測して黙示的に暗黙のうちにこれを認容してこれと歩調をそろえる意思があれば足りるものと解すべき」と判示しております。
 「意思の連絡」を認定するに当たりまして,黙示的な意思の連絡があれば足りるとしている前例につきましては,昨年,この場で御紹介したと思いますが,郵便区分機類の入札談合に係る審決取消訴訟の東京高裁判決,これは平成20年12月19日に出されましたが,それにそういう考え方が示されておりますし,それ以前の先例となるケースとしては東芝ケミカル,これは価格カルテルですが,審決取消請求事件において,これは平成7年9月の東京高裁判決ですが,いずれも不当な取引制限,カルテルに関して共同行為の共同とは何かということでありますが,この判断が同じく事業者の共同行為である共同の取引拒絶についても当てはまると示された初めてのケースであるということであります。そもそも,共同の取引拒絶という一般指定の第1項に該当する行為でありますが,審判審決を経て,審決取消訴訟に至って高裁の判決が出たというのは本件が初めてということであります。
 判決では,本件審決が認定した実質的証拠に基づく事実から認められる事情を総合考慮すれば,「5社は,それぞれ,他の着うた提供業者が価格競争の原因となるような形態で参入することを排除するためには他の着うた提供業者への原盤権の利用許諾を拒絶することが有効であること,を相互に認識し,その認識に従った行動をとることを相互に黙示的に認容して,互いに歩調をそろえる意思であった,すなわち,5社には原盤権の利用許諾を拒絶することについて意思の連絡があったと認めることができる」と判示しております。
 また,原告らは,原盤権者がその立場から着うた提供業者に利用許諾を拒絶する行為の法的正当性,経済的合理性があると強調していたわけでありますが,それゆえに利用許諾の拒絶行為の共同性まで否定されるべきという御主張があったわけでありますが,判示では,「そのような利用許諾の拒絶行為を5社が個別に行っていた場合にはそれが著作権法の観点から適法であって経済的合理性を有する行為であると仮に評価できるとしても,そのことは,本件において5社が意思の連絡の下に共同して利用許諾を拒絶していたとの事実認定やそれが独占禁止法に違反する違法な行為であるとの評価を左右するものではない」,仮に単独であれば,合法であったとしても,5社が共同して取引拒絶を行うというということについては,それを合法化するものではないとして,その主張を退けているわけであります。
 それから,もう1つの争点でありました排除措置の必要性につきましては,まず,「5社のいずれかが利用許諾の拒絶に係る意思の連絡から離脱したというためには,離脱者が離脱の意思を他の参加者に対して明示的に伝達することまでは要しないものの,離脱者が自らの内心において離脱を決意したにとどまるだけでは足りず,少なくとも離脱者の行動等から他の参加者において離脱者の離脱の事実を窺い知ることができる十分な事情の存することが必要である」という規範を示しております。
 それを本件に当てはめた結果,5社のうち,平成17年の4月26日に勧告を応諾しまして,同趣旨の勧告審決を受けて命じられた排除措置を履行しました1社,東芝イーエムアイ株式会社でありますが,この社については利用許諾の拒絶に係る意思の連絡から離脱していることが認められるとしながらも,その余の原告ら4名,これはエイベックスマーケティング株式会社,ビクターエンタテインメント株式会社,株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント,ユニバーサルミュージック合同会社でございますが,4社については利用許諾の拒絶の方針を変更して,将来において利用許諾を行う可能性があること等を他の者がうかがい知ることができるほどの十分な事情があるものとは認められない,勧告審決を受けた1社と同視することはできないと判示しております。
 本件につきましては,まだ上訴期間中でありますので,上告受理申立て等が行われる可能性もありますが,公正取引委員会といたしましては,こうした判決も踏まえて,今後とも独占禁止法等の厳正,的確な運用に努めてまいりたいと考えているところであります。
 私からは以上であります。

 [質疑応答]

 (問) キリンとサントリーの件ですが,先日,統合を白紙にするという発表がありましたが,これは事前相談の取下げということになるのでしょうか。当事者から取下げの申請というのは出ているのでしょうか。

 (事務総長) 当事会社からは,今回こういう状況に至ったという経緯の御説明がありまして,事前相談の取下げの申出がございましたので,私どもも,この事前相談を中止するということにしているところであります。

 (問) 最近,キリンやサントリーとか,BHPビリトンやリオ・ティントとか,比較的規模の大きい企業結合案件が何件か続いたと思いますが,一方で,公正取引委員会の審査の体制や審査の在り方というのが,これで十分なのかどうか。例えば,雑誌「公正取引」という雑誌にもそういう疑問を投げかける論文とかも出ているようですし,今後,公正取引委員会として対応の在り方みたいなものがもし何かありましたら教えてください。

 (事務総長) おっしゃるように,これだけ大型の事案が出てきますと私どもも詳細,慎重な審査を行わなければいけないことから,それなりのスタッフをそろえて対応することになります。キリンとサントリーの件については,そういう面では,途中で断念ということでありますから,若干肩透かし的な状況でもありますが,BHPビリトンの件に関しましては,昨年,これは通常の事前相談への対応ということではなく,事件審査として,場合によっては必要があれば法的措置を命じるということもできるような体制で取り組んだわけであります。
 今回,BHPビリトンとリオ・ティントとの統合に関しましては,本年1月20日に当事会社から事前相談の申出がありまして,2月8日に追加資料の提出を求めた状況であります。現在,事前相談の審査を進めているわけでありますが,こうした重要事案に関しましては,それなりのスタッフ,体制を整えて臨むということで取り組んでおります。
 それから,事前相談に対する回答ということもそうですが,それについて実際に必要があれば事件審査,あるいは法的措置を命じる必要が出てくることもありますので,そういう面ではそういうことにも十分対応できるような審査を進めなければならないと考えているところであります。

 (問) キリンとサントリーから事前相談の取下げの申出があったのは,破談を発表した同じ日ということですか。

 (事務総長) そうですね。報道されましたのが月曜日だと思いますが,月曜日に公表された直後に私どもの方にも御説明があり,その場において事前相談を取り下げますという意思を示されました。

 (問) BHPビリトンとリオ・ティントの統合計画の件ですが,こちらは,今後,追加の資料を求めていくという形になってくるのでしょうか。

 (事務総長) はい。御案内のとおり,事前相談の申出をしていただいた段階では,企業結合計画の概要に関するような資料を提出していただくわけでありますが,それは既に提出していただいているわけであります。企業結合審査にどういう資料が必要かということは,ガイドラインに,市場における競争の状況に関する資料,具体的には,例えば,市場規模や需要予測,参入障壁の有無などに関する資料が例示されておりますので,そういった資料を出していただく,今後の企業結合審査において競争制限になるかどうかという競争上の判断に必要となる資料を求めているという状況であります。

 以上

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