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平成23年6月1日付 事務総長定例会見記録

 [配布資料]

 [発言事項]

事務総長会見記録(平成23年6月1日(水曜)13時30分~ 於 官房第1会議室)

 [発言事項]

平成22年度における独占禁止法違反事件の処理状況について

 (事務総長)
 平成22年度における独占禁止法違反事件の処理状況につきましては,お手元のポイントという資料で御説明したいと思います。
 平成22年度の独占禁止法違反事件の処理状況に関しましては,課徴金減免制度が平成18年1月に導入されて5年目に入りましたが,価格カルテルや入札談合の審査において,大きな効果を発揮していることについてなど,主なポイントについて御紹介したいと思います。
 ポイントの2ページにありますとおり,平成22年度におきましては,迅速で実効性のある事件審査を行うという基本方針の下に12件の排除措置命令を行っております。このうち,入札談合,価格カルテルにつきましては,官製談合事件1件を含めて,入札談合事件が4件,価格カルテルが6件の計10件について法的措置を行っております。また,優越的地位の濫用事件1件,拘束条件付取引の事件1件について法的措置を行っているところです。
 また,価格カルテル・入札談合を行った事業者に対して総額で約720億円,正確には720億8706万円の課徴金の納付を命じています。
 この中には,本年度,排除措置命令を行った事件ではなく,平成21年度以前に排除措置を命じて,その後の審判手続を経て課徴金の納付を命じたものもありますが,このような事件を除いたもの,つまり公正取引委員会が平成22年度に行った事件審査の結果,納付を命じた課徴金の額は,約362億円ということになっております。
 また,1事業者当たりの課徴金額も過去最高額の約4億6000万円になっています。
 3ページを御覧ください。価格カルテルや入札談合については,国民生活に影響の大きい事件ということで,厳正かつ積極的に取り組んでいるところでありまして,こうした価格カルテル・入札談合を排除することによって,消費者利益の保護に努めているところです。
 平成22年度におきましては,今申し上げたとおり,10件の法的措置を行いましたが,その10件の法的措置の違反行為の対象となった市場規模は約3600億円に達しております。その中には,発注者が関与した官製談合事件も含まれております。
 3ページの表にありますとおり,インターネットで利用される光ファイバーケーブルや,建物の内部の配線に使われる電線,住宅や店舗の出入りに使われるシャッターなど国民生活に密接に関連を有する分野における価格カルテルや入札談合を排除し,消費者利益の保護に努めたと考えております。
 4ページを御覧ください。平成17年の独占禁止法改正によりまして,平成18年1月から課徴金減免制度が導入されました。この制度の導入をめぐりましては,当初,日本の風土にはなじまないのではないかなど,制度の運用を懸念する声もありましたが,実際に運用を開始すると,申請件数を見ていただくと分かりますが,課徴金減免制度は順調に定着したと考えております。
 また,課徴金減免申請の内容は,価格カルテルや入札談合事件の摘発を進めていく上での有力な情報源となっておりまして,平成22年度の場合,価格カルテル・入札談合について排除措置命令を行った10件のうち,課徴金減免制度の適用が,公表された事件数は7件となっておりまして,課徴金減免制度が適用された価格カルテルや入札談合の事件の割合が高いものとなっています。
 5ページを御覧ください。このほかにも課徴金減免制度の効果として,価格カルテル事件の規模が大型化していると言えると思います。平成20年度以来,市場規模の大きな分野における価格カルテルに対して排除措置命令を行っております。冒頭申し上げましたとおり,近年,課徴金額が高額になってきていますが,その理由の1つとして,価格カルテル事件の大型化というものが挙げられると思います。平成22年度におきましては,電線や光ファイバーケーブルといった分野について取り上げております。
 6ページを御覧ください。独占禁止法では価格カルテルや入札談合を不当な取引制限として禁止しているほか,不公正な取引方法についても禁止しております。平成22年度においては,流通分野における不公正な取引方法として,平成22年12月,ジョンソン・エンド・ジョンソンに対して排除措置命令を行いました。この事件におきましては,コンタクトレンズの取引先小売業者に対して,インターネットなどの広告における販売価格の表示を行わないようにさせていたものです。公正かつ自由な競争を維持する上で,商品,サービスの購入者である消費者に対して,十分な情報が提供され,消費者が価格などの条件を比較して商品を選ぶということが重要なのですが,この販売価格に関する情報を消費者が入手できないと競争が行われなくなるといえます。ジョンソン・エンド・ジョンソンのこのような行為により,取引先小売業者間の価格競争が回避され,いわゆる使い捨てタイプのコンタクトレンズを利用する消費者にとって,価格を比較するという機会が著しく失われていたというものであります。
 次に7ページですが,公正取引委員会は,中小の事業者が不当に不利益を受けるような優越的地位の濫用や不当廉売といった行為についても,厳正かつ積極的に対処しています。平成22年度におきましては,優越的地位濫用の事件として,ホームセンターを営んでいるロイヤルホームセンターに対して,不当な返品や納入業者の従業員の不当使用をしていたとして排除措置命令を行いました。
 また,優越的地位の濫用行為を未然に防止するということで,平成21年11月に優越的地位濫用事件タスクフォースを審査局内に設置しまして,問題がみられた大規模小売業者に注意を行っております。平成22年度は,タスクフォースが1年間を通じて活動した初めての年でありますが,1年間の注意件数は55件と,過去に比べて大幅に増加しておりまして,タスクフォースを設置した効果が表れてきていると考えております。
 8ページですが,公正取引委員会は,不当廉売についても中小事業者に不当に不利益を与える行為であるとして,その未然防止に努めており,具体的には,申告を受けてから原則として2か月以内に調査するということを目標として,問題の見られた事業者に注意を行っており,平成22年度におきましては,計2,700件の注意を行ったところであります。
 公正取引委員会としては,今後とも国民生活に影響の大きい価格カルテルや入札談合,また中小事業者に不当に不利益をもたらす優越的地位の濫用などの行為を排除することを通じて,公正かつ自由な競争の促進と一般消費者の利益の確保に務めてまいりたいと考えております。

 [発言事項]

新日本製鐵株式会社と住友金属工業株式会社の合併の件について

 (事務総長)
 新日本製鐵株式会社と住友金属工業株式会社の合併の競争に与える影響についての情報の募集という資料を見ていただければと思います。
 新日本製鐵と住友金属工業の合併に関しましては,昨日5月31日,当事会社から独占禁止法第15条第2項の規定による合併に関する計画の届出書が提出され,昨日,これを受理いたしました。
 本件は,我が国を代表する大規模な企業同士の合併案件であります。したがいまして,検討の対象となる商品分野も多岐にわたるところ,本件合併が行われた場合の競争に与える影響について,同業者や取引先の方から,広く情報を求めることといたしました。
 本件につきましては,当事会社から,事前相談の申出というものはなく,昨日,届出書の提出を受けて,法律で定められている手続で審査を行うことになります。別紙2にありますように,今後,この届出を受けて,第1次審査の法定期間は30日ですので,より詳細な審査が必要であるとして第2次審査に進む必要があるかどうかということについては,この第1次審査の期間が終了する6月30日までに判断を行う必要があります。
 本件合併につきましては,我が国を代表する大規模な企業同士の合併であるということ,そして,既に本件の合併計画については,当事会社が公表されているといった状況を踏まえまして,合併審査の早い段階で,取引先や同業者の方など,第三者から広く情報を求めることとしたものです。
 この資料の2ページ目をご覧ください。求める情報の内容を書いていますが,公正取引委員会としては,取引先や同業者の方から,本件の合併が行われた場合に,どの商品の競争に,どのような影響があるかということについて,取引の実態を踏まえ,できるだけ具体的に情報提供いただければと考えております。
 なお,当事会社が競合する主な商品は,別紙1に記載しています。
 公正取引委員会は,これまでも企業結合審査,個別の案件におきまして,競争事業者や取引先の方から必要に応じてヒアリングなどを行うとともに,これまでの事前相談制度の下では,第2次審査に移行した事案について,競争事業者や取引先の第三者から,広く情報の募集を行ってきましたが,本日御説明しているように,合併審査の早い段階で,第三者からの情報を広く求めるのは,初めてのケースになります。
 なお,本日,今お手元にお配りした資料につきましては,本日中に,当委員会のホームページに掲載する予定でありまして,今申し上げましたとおり,取引先や同業者など第三者の方から,できるだけ具体的な情報提供をいただければ大変ありがたいと考えているところです。

 [質疑応答]

 (問) 従来は二次審査の段階で行ってきた取引先や同業者などへの情報収集を,今回,一次審査の段階で初めてされるということは,基本的に6月30日までに公取として合併の可否を判断したいという意向の表れでしょうか。

 (事務総長) 今申しましたとおり,今回,こうした届出があった早い段階で,情報の募集を行うというのは初めてのケースだと思います。従来は,第二次審査に進んだ場合に,その旨を公表して,一般の方から意見を受けるという形でやっていたことはありますが,本件のように,早い段階で行うのは初めてですが,それは,30日以内に結論を出すということを予定して,このようなことをするということではありません。まさしく,非常に大規模な企業同士の合併で,対象となる商品分野も多岐にわたるということで,本件合併が行われた場合の競争に与える影響についていろいろな方から早い段階で意見を求める,情報を提供いただくということが,6月30日までに,第二次審査に進むかどうかということを判断を行う必要があるわけですが,その判断の参考にもさせていただきたいと思いますし,さらに,審査が続いた場合には,もちろん,その参考にさせていただくわけですが,今まだ,第一次審査の段階で,どのような結論になるかということを見越したものではありません。

 (問) 公取の合併審査は,これまで時間がかかり過ぎるという批判もある中で,非常に国内外の経済界にとって注目度の高い合併審査について早く結論を出すというのは,新日鐵と住金だけではなく,広く経済界全体にとってもメリットのあることだと思いますが,いかがでしょうか。

 (事務総長) その点につきましては,別途,本件とは別の形で,一般的に,企業結合審査の見直しということで検討を進めておりまして,先般のパブコメでのいろいろな意見も踏まえて,今,最終的な案をまとめて,7月からスタートしたいと考えているところですが,その案におきましては,従来行っていたような事前相談,会社からの説明を受けて,届出の前の段階で公正取引委員会としての判断を示すという事前相談制度を廃止するということを柱の一つとしておりますが,そのような事前相談制度の在り方を含めた企業結合の審査の仕組み等を見直しているというのは,一つには,今,御質問にもあるような審査の期間の迅速化,スピード感が大事だということを意識しているものです。案件によっては,競争への影響が大きく詳細に審査をしなければならない案件もあるでしょうし,それほど問題が認められないという案件も,両方あると思います。ただ,どちらの案件であっても,迅速性を常に念頭に置きながら,審査を進めていきたいと考えております。
 ただ,他方で,今申し上げたように競争に与える影響が大きくて,より詳細に審査をしなければならないという案件については,私どもとしては,競争の実態をよく把握して判断をしていくということは必要なことで,これは海外の競争当局においても,日本もそうですが,第一次審査,第二次審査という形で案件に応じて審査期間が変わってきておりますが,そのような枠組みの中で,できるだけ迅速に結論を得たいと考えております。

 (問) まず,基本的なところで恐縮なのですが,昨日受理されたということですが,審査は,昨日付けで開始するということなのか,それとも,今日からということになるのか,また,パブコメで新しいガイドラインについてもというお話だったと思いますが,そちらの方では,世界市場の例示を明示されていたと思いますが,今後の新日鐵,住金の審査に当たっては,そうした判断の基準というのは,旧基準と新基準,どのようになっていくのでしょうか。

 (事務総長) まず,審査のスタートということで言えば,昨日5月31日に届出を受けて受理いたしておりますので,30日以内ということで,先ほど申し上げましたとおり,6月30日が第一次審査の期間の終了ということになります。
 2点目のガイドラインのお話がありましたが,企業結合の案件について,独占禁止法の観点から,どのようなことを考慮要素として判断するかということについて,今,御質問のとおり,企業結合ガイドラインを明らかにしておりまして,世界市場については,平成19年のガイドラインでも書いており,また今回,より分かりやすく明確化するということで,先般の修正の原案でも一部修正しているところですが,その考え方に基づいてこの案件についても審査することになりますが,この個別の案件について,どのような市場での競争が行われていると判断するかということはこれから検討して進めることになります。

 (問) 昨日から審査を開始したという理解でよろしいですか。

 (事務総長) 第一次審査の審査期間というのは届出を受けて30日以内ということですので,法律上の審査期間がスタートしたということになろうかと思います。

 (問) 一次審査が終わった段階の判断について,それは当事会社のみに伝わるものなのか,それとも広く一般に公表を公正取引委員会としてされるものなのか,どのような手順を踏んでいくのか教えてください。

 (事務総長) 現行の事前相談制度の運用の方針でも明らかにしておりますし,また,今,7月からのスタートを考えているということを申し上げました新しい企業結合審査の手続きの対応方針,3月に公表しました案におきまして明らかにしておりますが,第一次審査で30日以内に問題がないか,それとも詳細に審査をするかということで,当事会社に報告を求めるということを判断するわけですが,報告の要請を行った場合には,当事会社に伝えるのは当然ですが,その旨を公表するということにしております。
 また,その公表をした後,当事会社以外の第三者の方が意見書を提出することができるということも従来から運用しており,今の御質問にお答えすれば,第二次審査に進むということで報告の要請を行った場合には,その旨を公表することにしています。

 (問) 問題がなかったという場合でも,それは公表するのかということが1点,もう1点は,その公表の方法はどのようにされるのでしょうか。ホームページにアップするのでしょうか。

 (事務総長) 公表の方法は,ホームページにアップすると思いますが,それ以外にも何らかの形で行うことはあるかもしれませんが,ホームページには,今申し上げましたように,単に第二次審査に進んだということを公表するだけではなく,本件の場合は,今回,早い段階で情報提供の募集を始めますが,一般的には第二次審査が始まった段階で第三者の方からの意見を求めるということ,第三者からの意見聴取を行うことにしていますので公表をすることになります。
 また,第二次審査に進まないということになった場合には,当時会社はその時点で分かることになります。しかし,すべての案件について公表することは特に考えておりません。一般的には,第一次審査の段階では,必ずしも当事会社の方で公表されているとは限りませんので,本件は公表されていますが,すべて公表されている案件とは限りませんので,第一次審査の段階ですべて公表することは予定しておりません。ただ,第二次審査に入るような案件は競争に与える影響が大きいので,それについては公表するという方針を採っています。

 (問) 今回,その情報を募集されるに当たって,早い段階で行う理由として大規模であることや,対象が多いということを先ほどおっしゃっていたのですが,過去の事例と比べてどのくらい多いなど数量的なものはお持ちなのでしょうか。対象品目がどのくらいであるなど。

 (事務総長) なかなか数量的に申し上げるのは難しいと思いますが,本件は社会的に見てもかなり大きな影響のある案件だと思いますが,具体的にどのぐらいの規模だからというものがあるものではありません。

 (問) 別紙1に競合する主な商品が羅列してあるのですが,これらがそれぞれ商品の範囲としてなっているのでしょうか。これはどのような意味合いで見たらよいですか。

 (事務総長) 別紙1の商品で10くらいの商品を並べておりますが,これについてはお配りしている資料の2ページの2番の注2に書いてあるのですが,当事会社が関連する会社も含めまして,競合する主な商品は別紙1のとおりですということで書いておりますが,商品の特定の方法はこれと同一である必要はありませんということで意見の募集をしております。
 また,別紙1は例示であり,それに書いていない情報も受け付けており,当事会社が取り扱っている商品で,実際に取引されている相手方や競争業者の方たちから意見を募集するに当たって,分かりやすさも含めて商品を掲げたもので,それ以上の意味があるものではありません。

 (問) 主な商品というのは,これ以外はそれほど問題がなさそうだとか,これは少なくとも問題になるという判断が既になされているのでしょうか。

 (事務総長) 主な商品というのは,当事会社が競合して取り扱っている主な商品ということで,これ以外にも,注2にも書きましたとおり,これに書いていない商品についての情報提供もあれば,私どもありがたいと思っていますし,他方で,ここに掲げた商品については問題があるというもので並べたものではなくて,両社が扱っている主な商品を並べたというものであります。

 (問) 早い段階で情報収集を求めるということですが,これは,今,当事会社もなるべく早く公取に判断を示してもらいたいという意向を持っていると思うのですが,そのような会社側の意向も忖度して,公取も早い判断を出すために早い情報収集に乗り出すという狙いや経緯があるのでしょうか。

 (事務総長) 今回,情報募集したことが早く回答するためかという御質問であれば,先ほど申し上げたように,本件は非常に大規模で,関連する商品も多岐にわたるので,いろいろな商品についての取引の実態や競争の実態について,実際に取引を行っている取引の相手方や競争している事業者の方からの具体的な意見を早い段階から情報提供を受けたいということで始めたものですから,審査を進めていく上での情報を広く求めたいということが,主眼となります。

 (問) 2点ありますが,既に公取の方に自主的に,いろいろなライバル会社や当事会社は,意見は言ってきているのですか。このような募集をせずとも,会社側は公表していますから,このような影響が出そうなどの意見は来ているのでしょうか。

 (事務総長) 取引先や第三者の方からですか。

 (問) そうです。

 (事務総長) そこは把握しておりませんが,もしそういうものがあっても,私どもはこのような形で,今回,募集をしておりますので,意見を出していただけると思っております。

 (問) 当事会社は海外の独禁当局にも同じような申請や届出をするということを聞いていますが,本件審査に当たって,公取でも海外当局と情報交換や連携はするのでしょうか。

 (事務総長) 必要に応じてそのようなことをすることもあろうかと思いますが,今の段階では特にそのような段階にはなっていないと思います。

 (問) 二次審査に進むというときに情報を公表されるということですが,これは当事会社に通知した当日に公表される予定でしょうか。

 (事務総長) 厳密に報告の要請を行ったその日にすぐ公表するかということまで考えておりませんが,現在,事前相談制度の下で報告の要請を行うという場合には,意見の受付を第三者からするということで公表するよう現在運用しておりますが,通常は,同日かまでははっきりしませんが,ほとんど間を空けることはないと思います。

 (問) このフローチャートの真ん中ではないルートをたどった場合に,左と右にたどった場合は公表されないという解釈でよろしいですか。

 (事務総長) 一般的には,今,申し上げたように公表は考えておりませんが,ただ,本件の場合は,事前にこのような情報の募集をしたということも公表しておりますし,6月30日までに第1次審査の結果を判断するということにしておりますので,その段階でお分かりになろうかと思います。

 (問) 公表される場合は,なるべく情報を早く公開していただきたいので,当日,出されたほうがよいと思うのですが,その辺はどうお考えでしょうか。

 (事務総長) 今,申し上げたように,公表するに際して,会社に伝える内容に事業者の秘密も入っていた場合に,事業者の秘密になるかどうかを考える必要があると考え,すぐその日にということを申し上げなかったのですが,そのような問題がなければ,私どもも遅らせる趣旨は全然ありませんので,できるだけ速やかに公表したいと思います。

 (問) 独占禁止法違反事件関連の質問でポイントの4枚目の課徴金減免制度は順調に定着というところで質問ですが,21年度までは80件前後ぐらいで推移しているのが,昨年度,131件と大幅に増加しています。これについて分析は何かできますでしょうか。

 (事務総長) 4ページの課徴金減免制度の申請の件数を見ますと,平成17年は別にして,平成18年から21年度まで大体80件前後の申請件数になっていましたが,平成22年度は131件と大きく増えております。ただ,この具体的な理由については明らかではありません。一般論として申し上げれば,課徴金制度の導入によって,大企業を中心として事業者のコンプライアンス意識というものが年々向上していると思います。そのような取組が,課徴金減免制度の定着,特に昨年は大幅に件数増えましたことの一つの背景になっているのかと考えております。

 (問) 5ページ目に,制度の導入後,事件が大型化とありますが,これは,一方で非常に市場規模の大きい案件になると他社に先駆けて違反を自主申告されてしまい,自分の会社が大きく課徴金を取られるということにもつながるという側面もあるかと思うのですが,さし合いがあったという表現がよいか分からないのですが,いかに早く手を挙げるか合戦になったような側面というのは考えられますか。

 (事務総長) いかに早く申請を出すかというのは,まさに会社が,ある分野において独占禁止法に違反することがあった場合には,会社としても,ほかの分野でもないかということで,コンプライアンスの部門がいろいろ内部調査を進めることが多いと思います。そして,その内部調査の過程で,別の分野でそのようなことがあったということで,公正取引委員会に申請をしようということを検討されるという場合もあろうかと思います。それは,まさしく課徴金減免制度を導入した目的や効果の一つだと思いますので,個別の独占禁止法違反事件が解明されて,その有力なツールとして課徴金減免申請があり,どの会社が課徴金減免申請を行って減免を受けたということも踏まえて,ほかの会社が社内のコンプライアンスを一層強化し,もし仮に事件が見つかった場合には公正取引委員会に申請するということは,まさしく制度の目的や効果と言えますので,今後もそのような形で会社のコンプライアンスの取組を進めていただきたいというのが私どもの希望です。
 ただ,今日,御説明しましたとおり,非常に大きな市場規模の分野で価格カルテルが依然としてなくならないということで,大手の企業を中心に,コンプライアンスの取組というのは相当進んできていると思いますが,まだそのような意味では実効あるものになっていないということで,今後,企業の方には社内的なコンプライアンスの推進という取組を一層強めていただきたいと考えているところです。

 (問) 去年も,その前も,非常にリーニエンシー制度が有力な情報源になっているという御説明がありましたが,あまりにこの制度に頼った調査をし過ぎてしまうと,仲間内で手を挙げなければ摘発されないのではないかとなっても,あまりよくはない状況かと思うのですが,この課徴金減免制度が効果的に機能するためには,公取としては,どのような心持ちで,調査していかなければならないと考えていらっしゃいますか。

 (事務総長) おっしゃるとおり,今,大型の違反事件が増えておりますし,また,公正取引委員会が摘発した価格カルテルや,入札談合事件の多くが課徴金減免制度に基づく事件です。そして,有力な情報源になっていると申し上げましたとおり,この制度の功罪についての御質問だと思いますが,あまりにそれに頼り過ぎていくといけないのではないかということは,私ども審査の立場としても,常々意識しているところです。この制度が導入される前から,私どもとしては,一般の方からのいろいろな情報の提供だけではなくて,探知と呼んでおりますが,いろいろな形で目を光らせて情報収集に努めてきており,そのような活動を通じて,いろいろな事件を発掘していくということが,会社の方にとっても,課徴金減免制度がなくても,公正取引委員会が目を光らせているということが分かりますので,それは逆に社内のコンプライアンスをして,課徴金減免制度を利用して,公正取引委員会に申請するという行為を促すことにもつながると思っておりますので,この課徴金減免制度は大変有力なツールにはなっておりますが,同時に別途,私どもとしても,いろいろなやり方で探知活動をし,情報を常に目を光らせて見つけていきたいという意識を持ってやっているところです。

 (問) 最後の質問ですが,ここ数年,課徴金額がどんどん増えている状況にありますが,今年度は,どのような部分で力を入れてやっていきたいかということを教えてください。

 (事務総長) 今,御質問いただいたとおり,ここ数年,前年度の違反事件の審査状況の発表の際に,課徴金額は過去最高ですということを申し上げていると思います。それは,1つには大型の事件が摘発できたということもありますし,また,17年の改正,また,21年の改正で,課徴金の率が強化されたことから課徴金の金額も上がってきたということがあります。もちろん,年によって今後は上がったり下がったりということはあるかと思いますが,そこは事件の規模の大小に応じて変わっていくところでありますので,私どもとしては引き続き,やはり市場規模の大きい,国民生活に影響の大きい分野を取り上げていくことがインパクトのある審査事件ということで,競争が大事だということを国民の方に理解していただくためには一番の方法だと思っておりますので,引き続きそのような大型の事案の摘発に努めていきたいと考えています。

 (問) 今回,課徴金額が過去最高,審判手続を経た事件を除いても362億円あるということで,その理由に,価格カルテル事件の規模が大型化しているという説明がありましたが,犯則事件については数年ないという状況で,国民生活に多大な影響を与えるのであれば犯則のほうがインパクトあるのではありませんか。それとも,課徴金を取ることのほうが企業に対する抑止効果として有効だとお考えなのか。矛盾があるような気もしまして,価格カルテル事件の規模が大型化しているのであれば犯則事件にするべきかもしれませんし,その辺のところお聞かせ願えればと思います。

 (事務総長) 公正取引委員会は,刑事告発に関する公正取引委員会の方針というものを明らかにしておりまして,価格カルテルや国民生活に広範な影響を及ぼす悪質で重大な事案について,また,行政処分によっては目的が達成できないと考えられる事案については,積極的に刑事処分を求めて告発を行う方針を明らかにしているところです。
 他方,この2年強ぐらい,告発事件はございませんが,今,申し上げたような告発方針に基づいて,私ども審査の現場としては,積極的に刑事罰を求めて告発を行っていきたいという方針の下に,情報収集に努めているところでありまして,結果として,最近,告発事件がございませんが,引き続きそのような情報収集活動や審査活動に努力していきたいと考えております。

 以上

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