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平成25年7月24日付 事務総長定例会見記録

平成25年7月24日付 事務総長定例会見記録

 [配布資料]

 [発言事項]

事務総長会見記録(平成25年7月24日(水曜)13時30分~於官房第1会議室)

公正取引委員会における外部人材の活用状況等について

(事務総長)
 本日,私からは,公正取引委員会における外部人材の活用状況,弁護士やエコノミストなどの受入れの現状と,任期付弁護士,エコノミストの募集についてお話しさせていただきたいと思います。
 まず現状ですけれども,現在,公正取引委員会の組織は,定員としては823名になっておりますが,複雑化する独占禁止法違反事件の厳正・的確な処理,また,企業結合審査における経済分析の活用といった政策課題を着実に実施していくためには,通常の公務員試験の合格者の採用のほか,即戦力となる専門的な知見を有する職員を確保して,質的な面においても組織の運営基盤を強化していく必要が高まっていると考えております。このため,公正取引委員会では,実務経験や専門知識を有する弁護士やエコノミストの方など,各方面から多様な人材の受入れに努めているところです。
 弁護士やエコノミストにつきましては,5年以内の任期付職員として受入れを行っておりまして,現在,弁護士13名,エコノミスト2名が審査局や経済取引局などにおきまして,独占禁止法の違反事件の審査や審判・訴訟関係,企業結合審査などの職務に就いているところです。
 このほか,近年,独占禁止法違反事件の事件審査におきまして,電子証拠の活用が重要になってきていることから,電子証拠収集の専門家として,本年の1月からデジタルフォレンジックに関する専門知識を有する者1名を任期付の職員として採用しているところであります。

 次に,募集についてですけれども,現在,公正取引委員会のホームページを見ていただきますと,エコノミストにつきまして任期付採用の募集を行っております。また,本日からは弁護士についても募集を開始いたします。採用を希望される方は,ホームページを御覧になりまして,応募していただければと思っております。
 私からは以上です。

質疑応答

(問) ここに示された15名が,例えば,5年前から比べて何人くらい増えたとか,そういう推移は分かりますか。
(事務総長) この任期付採用につきましては,平成13年から始めた取組でして,当初は弁護士の方から始めて,それが,今,弁護士の方とエコノミストの方を合わせて15名採用しております。ですから,平成13年度から比べれば,年々,次第に増加しておりますけれども,最近ですと,大体15名前後の弁護士の方などを任期付で採用している状況です。

(問) 最近,数年間はこのくらいの人数で推移しているということですか。
(事務総長) 15名より,もう少し多かったり少なかったりすることがありますけれども,大体15名前後というところで推移しています。

(問) もっと増やそうとか,そういう計画もあるのですか。
(事務総長) 今,申し上げたとおり,今日から弁護士の任期付採用の募集を始めていますし,また,エコノミストの採用も今やっておりますので,一気に大きく増やすということではないですけれども,即戦力となるような適任の方がいたら,今後とも増やしていきたいと思っています。

(問) 浅学なんですけど,アメリカのFTCでは,司法省とハイレベルな人材交流とかを進めていると聞いているですが,そういった,何かもう少し人材交流を進めるというようなお考えはありますか。
(事務総長) 人材交流という意味では,アメリカですと,競争当局が2つあって,司法省とFTCがあるわけですけれども,そこでの人事交流の状況というのはよく分かりませんが,今,非常に,競争当局の活動が国際的になってきておりますので,国際的な交流というものが増えてきておりまして,例えば,アメリカでは2年前にEUの担当官を一定の期間,研修プログラムとして受け入れておりまして,昨年は,EUの担当官と日本の公正取引委員会の職員も1名,そのアメリカの研修プログラムに参加しているところです。
 また,日本とEUとの関係で言えば,EUに,この6月まで6カ月以上ですが,トレーニーとして職員を派遣しております。そういった形で,数はそんなに多くはないかもしれませんけれども,単に,日ごろ,業務の連絡を取るということだけではなくて,お互いに,相手がどういった形で仕事をしているかというやり方を勉強するのも大事なことなので,研修なりトレーニーという形での交流も,今後増やしていきたいと思っています。

(問) 日本も,アメリカなりEUから受け入れたという例もあるのですか。
(事務総長) これは言葉の問題があります。日本の公取からEUなりアメリカに派遣した職員は英語でやっているわけですけれども,過去の例ですと,アメリカから政府のプログラムとして日本に研修に来た方が,日本語の語学学校で勉強した後,公正取引委員会に半年ほどいたという,アメリカ司法省出身の方がいた例はあります。

(問) 総長の個人的な見解でも結構なのですが,弁護士とエコノミストを受け入れることによる公取にとってのメリット,また逆に,弁護士とエコノミストの方々にとってのメリットでお感じになっていることがあれば,お願いします。
(事務総長) まず,公正取引委員会側のメリットとしては,実務経験や専門知識を有する,そういった弁護士やエコノミストの方を職員として確保することによって,即戦力としての活用ができるということになるわけです。
 それから,そういった即戦力として活用すること以外に,公正取引委員会職員のレベルをアップするということで,いろいろな形で研修をやったりしているわけですけれども,そういう研修なり,オン・ザ・ジョブ・トレーニングで能力を高めていく取組をしているわけですが,身近なところに弁護士の経験を持っている方とか,エコノミストの経済分析を指導してもらえる方がいて,一緒に仕事をするということによって,そういった知識,経験を積むことが,職員としてもできていくということも期待しているわけです。
 公取に来られる弁護士なりエコノミストにとって,どういったメリットがあるのかということについては,特に,弁護士の方で言えば,今後,独占禁止法に関する仕事をしていこうと考えていらっしゃる弁護士の方にとっては,公正取引委員会がどういった形で仕事,業務を運用しているかということを知る機会ができるというのは,それなりに貴重な経験だと考えてもらえているのかなと思っております。
 また,これは一般論になりますけれども,従来,弁護士の方というのは,公正取引委員会としては,違反事件の場で,または審判の場で,企業の方と向かい合って並んだ形でいる存在だったので,率直に申し上げて,それほど弁護士の方と公正取引委員会の職員というものは近い存在という認識がお互いになかったんだと思っています。
 それが,こういった任期付採用を進めることによって,また,別途,課徴金減免制度ができたこともありますけれども,弁護士の方が公正取引委員会を知っていくということによって,どちらかというと公正取引委員会と,企業・弁護士という向かい合う形だったものが,弁護士と公正取引委員会と企業という形で,三角形の関係になっていっているという印象を持っておりまして,欧米ではそういう形が普通だと思いますので,そういった意味では,それぞれ立場が違うわけですけれども,企業と弁護士と公正取引委員会というものの3つがバランスのとれた関係になっていくという上でも,この任期付弁護士などの採用を進めるというのは意味があるのではないかと思っています。

(問) エコノミストの点はどうですか。
(事務総長) エコノミストについては,もちろんエコノミストの方が,公正取引委員会の現場で実際の経済分析なんかを経験されるという意味でメリットがあると思いますし,我々職員にとってみれば,まさしくオン・ザ・ジョブ・トレーニングの中で,そのエコノミストの方が持っているノウハウなり知見を吸収していくということができるので,実際の業務に即戦力として役立つ以外にも,いろいろなメリットが公正取引委員会の職員にとってもあると思っています。

(問) 今の質問にちょっと関連するんですけど,特に,審査局で8人いる弁護士,大体2年か3年で辞めると思うんですけれども,いわゆる公取の戦い方みたいなのを知って出ていかれるわけなので,独禁法の世界で活躍されている方が多いんですけれども,かえって,審判のときとか,あるいは課徴金の計算の仕方とかで手の内を見せることによってやりづらくなっているという問題とか,懸念とか,そういうのは内部ではないのですか。
(事務総長) もちろん,率直に申し上げて,そういう手の内を見せるということの懸念があるのではないかという考え方が一方ではあると思います。他方で,そういった公正取引委員会の実務経験を通じて,独占禁止法についての考え方なり理解を深めていただいていますので,そういったことが訴訟なり審判なりになったとき,お互いの意見のやりとりが,立場は違うわけですけれどもスムーズに行くという両面があるのかなと思っておりまして,そういうマイナスの面の指摘もあり得るとは思いますけれども,そういうことはあまり心配していません。

以上

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