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平成27年4月22日付 事務総長定例会見記録

平成27年4月22日付 事務総長定例会見記録

 [配布資料]

独占禁止懇話会第200回会合議事概要(平成27年4月22日公表資料)

 [発言事項]

事務総長会見記録(平成27年4月22日(水曜)13時30分~於官房第1会議室)

独占禁止懇話会第200回会合議事概要について

 本日はお手元の資料に基づきまして,4月8日に開催されました独占禁止懇話会,独禁懇の概要についてお話をしたいと思います。
 今月8日の定例会見でも申し上げましたように,独禁懇は昭和43年の設立以来,47年間,特段中断することなく,最近ではおおむね年3回の頻度で積極的に開催されてきておりまして,去る4月8日に開催された会合で200回目の節目を迎えたところであります。
 この独禁懇には,公正取引委員会からは,委員長のほか,4人の委員全員,そして総局幹部が出席したところであります。
 今回の独禁懇では,4つのテーマ,「公的再生支援研究会の中間取りまとめ」,「消費税転嫁対策の取組」,「流通・取引慣行ガイドライン」,及び「独占禁止法改正法の施行に係る取組」について,総局から報告し,会員の皆様方から御意見をいただいたところであります。
 御意見の内容につきましては,本日公表いたしましたお手元の議事概要を御覧いただければと思いますが,ここで幾つか御紹介をさせていただきたいと思います。
 まず,最初の議題である「公的再生支援研究会の中間取りまとめ」につきましては,例えばこの議事概要の2ページ目になりますが,その2つ目の御意見のところにあるように,「公正取引委員会が作成するガイドラインに公的再生支援を行う上で支援機関が競争政策の観点から留意すべき点を盛り込むことや支援機関からの相談に応ずることはよいが,現状では,公正取引委員会が公的再生支援による競争への影響について意見する権限はないため,競争当局として公正取引委員会が支援機関や規制当局に提言できるような制度的枠組みを検討しておくことも有益と考えられる」という御意見をいただきました。
 これに対しまして,当方からは,資料にありますように,基本的に,競争環境以外にも被支援事業者の業種や特性など様々な要素を総合勘案した上で,再生支援を行うかどうかを判断するのは支援機関であるという現行の枠組みの下で,中間取りまとめにおきましては,再生支援を行う際に考慮すべき要素の1つとして競争政策の観点からの留意点をガイドラインで示すということが公正取引委員会の役割として適切とされたものであるというところを説明させていただきました。
 また,その下の3つ目の論点でございますけれども,「現在,各府省庁が1つずつ所管しているといえるほど官民ファンドが増えているところ,官民ファンドは主に融資ではなくエクイティへの出資によって事業再生の支援を行っている状況である。公正取引委員会には,公的再生支援以外にも官民ファンドによる公的支援があることについて問題意識を持ってほしい」との御指摘がありました。これに対しては内閣官房を中心に政府全体として官民ファンドの活動をチェックする会議があり,その会議には公正取引委員会もメンバーとなって参加している旨お答えをしたところであります。
 2つ目の「消費税転嫁対策の取組」につきましては,当方からの説明に対しまして,会員の皆様方から特段の意見,質問はございませんでした。
 3つ目の「流通・取引慣行ガイドライン」につきましては,例えば3ページ目の1つ目,真ん中の1つ目の論点でありますけれども,「今回の改正は妥当なものと考えている。セーフハーバーに関する基準や要件等について検討を開始しているとのことであるが,規制改革会議との関係で検討結果を出す期限はあるのか」と,また,「説明資料にガイドライン全体を対象として見直しを検討予定と記載されているけれども,公正取引委員会でいつまでに結論を得ることを考えているのか」という御質問,それから,更にもう1つ下の御意見ですが,「流通・取引慣行ガイドラインは平成3年に策定されているもので,その後20年以上の間改正されていないところ,策定当時とは判例や学説等も大きく変わってきているので,本ガイドライン全体の見直しに当たっては,現在の経済実態に見合ったものとしてほしい」という御要望もいただいたところであります。
 これに対しましては,そこにありますように,規制改革実施計画ではセーフハーバーに関する基準や要件等の見直しにつきましては,平成26年度に見直しを開始することとなっているのみで,検討期限は特段,今のところ設定されておりません。
 また,流通・取引慣行ガイドライン全体の見直しを行うに当たっては,先ほどの2つ目の御要望にありましたように,現在の経済の実態に合ったものとするために,業界の実態調査,有識者からの意見聴取など公正取引委員会としてしっかりとした検討が必要であり,ある程度の時間を要するものというふうに答えたところであります。いずれにせよ,公正取引委員会としてはできるだけ速やかに作業を進めていくつもりであります。
 それから4つ目の「独占禁止法の施行に係る取組」につきましては,例えば4ページ目の1つ目でございますけれども,今回の法改正は,適正手続・防御権の保障及び行政処分に際しての公正取引委員会の適切な判断を確保するためのものであると理解しているけれども,期日設定,証拠の閲覧・謄写等の意見聴取手続の実際の運用に際してはこれらの目的をしっかりと踏まえた上での運用をお願いしたいとの御要望をいただきました。
 また,3つ目の論点,御意見の後半でございますけれども,司法,裁判所の方にも独占禁止法に関する理解を深めてもらうことが必要であると考えているけれども,公正取引委員会として,どのように対応しているのかという御質問がありまして,これに対しましては,司法,裁判所に対しましては,日本弁護士会や裁判所と,東京地裁における第一審の審議運営に係る意見交換を行うなどして,相互の理解を深めるといった活動を公正取引委員会として行っている旨をお答えしたところであります。
 公正取引委員会といたしましては,各界の一線で活躍されておられます独禁懇のメンバーの方々と意見交換をさせていただくということを通じまして,委員長を含め,委員会のメンバーが公正取引委員会の施策に対する意見,要望を直接徴することは当委員会にとっても非常に有益かつ重要なことと考えておりますので,今後とも,今回いただいた御意見等も踏まえ,適切な独占禁止法等の運用,競争政策の展開に努めてまいりたいと考えております。

質疑応答

(問) 来週28日のですね,JASRACの判決が出される見通しですけれども,それについてお伺いしたいのですけれども,一審の東京高裁の判断が確定する見通しと報じられているのですけれども,判決が確定することの影響といったらあれですけれども,どのようにお考えになるのかということと,やり直しの審理というのでしょうか,審決,審議はどのくらいかかる見込みなのかについて教えていただけますでしょうか。
(事務総長) JASRACの事案に関しましては,最高裁判所の判決の言渡し期日が4月28日に指定されたということは承知しておりますけれども,今の段階では判決言渡し期日が指定されただけでございまして,まだ判決が具体的に出たわけではありませんので,具体的なコメントは差し控えるべきだと思います。
 ただ,一般論として今の御質問に関連して申し上げれば,改正前の旧独占禁止法第82条の2項で,審決の取消しの判決が確定したときは,判決の趣旨に従い改めて審判請求に対する審決をしなければならないという規定がありますので,一般論でございますけれども,審決取消しの判決が確定したときは,今申し上げた規定に沿って,公正取引委員会として所要の手続を進めていくということになると思います。

以上

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