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平成30年3月28日付 事務総長定例会見記録

平成30年3月28日付 事務総長定例会見記録

[発言事項]

事務総長会見記録(平成30年3月28日(水曜)13時30分~於官房第1会議室)

東海旅客鉄道株式会社が発注する中央新幹線に係る建設工事の受注調整に係る告発について

 本日,私の方からは,先週23日に行いました刑事告発についてお話しいたします。
 公正取引委員会は,東海旅客鉄道株式会社(JR東海)が発注する中央新幹線の建設工事の受注調整事件につきまして,昨年12月18日以降,犯則調査を行ってまいりました。その結果,公正取引委員会としまして,犯則の心証を得ましたので,独占禁止法第74条第1項の規定に基づき,3月23日,4社,具体的には大成建設株式会社,鹿島建設株式会社,株式会社大林組,清水建設株式会社,並びに大成建設と鹿島建設でJR東海が発注する中央新幹線に係る建設工事の受注等に関する業務に従事していた従業者2名を検事総長に告発しました。
 また,同日,東京地方検察庁は,公正取引委員会の告発を受けまして,これらの事業者等を東京地方裁判所に独占禁止法違反の罪で起訴いたしました。
 御案内のとおり,公正取引委員会は,告発方針におきまして,国民生活に広範な影響を及ぼすと考えられる悪質かつ重大な事案,違反を反復して行っている事業者等に係る違反行為であって,行政処分によっては独占禁止法の目的が達成できないと考えられる事案について,積極的に刑事処分を求めて告発を行う方針を採っております。
 本件におきましては,4社はいずれも我が国を代表する総合建設業者であること,本件受注調整の対象とされた工事の規模が大きいこと,被告発会社が過去にも独占禁止法違反に係る刑事罰・行政処分を受けていること,本件対象工事は高度に公共的な財・サービスであることなどから,本件は国民生活に広範な影響を与える悪質かつ重大な事案であると考えられ,公正取引委員会が行う行政処分によっては独占禁止法の目的が達成できない事案と考えられることから,先ほど申し上げました告発方針に照らして,告発することとしたものであります。
 今後,公判において,本件違反行為の事実関係が明らかにされることとなりますため,現時点におきましては,具体的な内容を御説明することはできませんが,今回の告発は,これまで度々独占禁止法違反を問擬されてきました建設業界における入札談合や受注調整を抑止する上で,大きな意義を持っていると考えております。
 公正取引委員会としましては,今後とも,告発方針に基づきまして,告発を相当とする事案が認められる場合には,積極的に刑事告発を行っていきたいと考えております。
 なお,本件は,平成2年に告発方針を公表してから17件目の事案であり,また,平成17年の改正によって犯則調査権限が導入されてからは8件目の告発事案となりました。近年では,平成26年3月の北陸新幹線融雪・消雪基地機械設備工事の入札談合事件や,平成28年2月の東日本高速道路株式会社東北支社が発注する東日本大震災に係る舗装災害復旧工事の入札談合事件に続く告発となります。

質疑応答

(問) 日銀が,金融庁の有識者会議に長崎県の銀行の統合について報告書を提出し,その中において,ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)と十八銀行が統合しても寡占化の懸念は薄いという内容を出したというふうに報じられていますけれども,公正取引委員会が2次審査をしている中での,このような報告が出されることについての受け止めをまず教えてください。
(事務総長) そのような報道がされていることは承知しております。金融庁に置かれております検討会議の中でそうした報告がなされたということであろうかと思います。
 私ども,今現在,FFGと十八銀行の案件につきましては,2次審査を行っているところであり,また,先般も申し上げましたが,現在,2回目のアンケート調査の回収・集計を行っているところでございます。金融庁として,検討会議の中でいろいろなことを議論され,その中に,競争環境に関する問題も含まれているというふうには承知しておりますけれども,まだ具体的な考え方等についてのお話がまとまっているというわけではないようですので,個別の検討状況について,私どもの方から何か申し上げるのは今の段階では適当ではないと思います。
 私どもといたしましては,先ほど申し上げましたように,現在行っているアンケート調査も含めた2次審査を着実,適切に行っていくということだと思います。
(問) 日銀のこの報告書が,ある程度きちんとした調査とデータに基づいたものであって,それが正式に発表された場合には,それは審査のために検討されるんですか。
(事務総長) 従前から,私どもは,統合された後の競争環境がどうなるかということに関心を持って審査を行っておりますので,そのためのいろいろな考え方であるとか,データであるとか,そういうものは参考になるものは参考にしたいというふうに考えております。
 具体的にどの情報をどういうふうにというのは,現時点では答えるのはまだ適当ではないと思います。

(問) 先ほどのFFGの話なんですけれども,アンケートを今,回収しているところだと思うんですけれども,今の回収状況等はどんな感じなんでしょうか。
(事務総長) 3月の上旬を一応の回答期限としておりましたが,その後も督促を行っている状況でございまして,直近の段階では,4割を超える回答を得たと承知をしております。
 ですので,データの量としてはそこそこの規模に達しているのではないかと考えています。
(問) もう回収は終わったという認識なんでしょうか。
(事務総長) 以前の会見でも申しましたけれども,基本的には督促も含めて今月中にと考えていますけれども,もう28日ですので,基本的にはそうした状況はほぼ終わっていると考えていただいて結構だと思います。
(問) 今後,集計・分析にどれぐらいの時間をかけて,当事会社にいつごろに伝えるのかという点についてはどうでしょうか。
(事務総長) データのお話でございますので,集計作業というのは,全部の回収が終わらなくてもある程度の集計というのはできると思いますし,かなり時間が経っている案件でもありますので,できるだけ早く進めていきたいと思いますし,また,このアンケート調査の結果云々に限らずですね,当事会社との間ではコミュニケーションは続けておりますので,そうした中で必要に応じて,こうしたアンケートも含めた競争状況に対する私どもの考え方というのは随時,伝えていくことになると思います。

(問) 地銀統合の関連で,回収率4割というのは,今,手元で計算したら1,760社ということになったんですけれども,およそ1,800社ということでよろしいんでしょうか。
(事務総長) 先ほど4割を超えると申しましたので,大体目の子でいえばそのぐらいですね。
(問) 1,800社超と言って差し支えないでしょうか。
(事務総長) まだ回収の最中でもありますので,現時点では,4割を少し超えるぐらいというふうにお考えください。
(問) 新潟の案件ではたしか6,900社に投げて,回答率がほぼ半数だったというふうに記憶しているんですが,それはそれで間違いないでしょうか。
(事務総長) 5割程度の回収でした。
(問) 重ねてなんですが,集計を終える時期というのは,以前お聞きしたときにはたしかゴールデンウィーク前後というようなことだったと記憶しているんですけれども,どうでしょう。
(事務総長) 先ほども申しましたけれども,集計し,それをまた分析する必要がありますので,やはりそれなりの時間はかかると思いますが,できるだけ早くそうしたものは終えて,必要なコミュニケーションを進めていきたいと思っています。

以上

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