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海外当局の動き

最近の動き(2018年3月更新)

EU

欧州委員会は,クアルコムがLTEベースバンドチップセット市場における支配的地位を濫用していたとして,9億9743万9000ユーロの制裁金を賦課

2018年1月24日 欧州委員会 公表
原文:
○本件公表文
○マルグレーテ・ヴェステアー委員の声明

【概要】

 欧州委員会は,クアルコムがLTEベースバンドチップセット市場における支配的地位を濫用していたとして,同社に対して9億9743万9000ユーロの制裁金を賦課した。クアルコムは極めて重要な顧客に対し,競争事業者から購入しないことを条件に多額の金銭提供を行うことにより,競争事業者が当該市場で競争することを妨げていた。このような行為はEU競争法に違反する。
 マルグレーテ・ヴェステアー委員(競争政策担当)は「クアルコムは5年以上にわたりLTEペースバンドチップセット市場から競争事業者を違法に締め出すことで,自身の市場支配を確実なものとしていた。同社は極めて重要な顧客であるアップルに対して数十億米ドルを支払っていたが,これによって,アップルはクアルコムの競争事業者から購入しないようになっていた。こうした支払いは単なる値引きではなく,アップルが全てのiPhoneやiPadにクアルコムのベースバンドチップセットを排他的に利用することを条件としていた。すなわち,競争事業者の製品がどんなに良質でも,競争事業者はクアルコムと効率的な競争をすることはできなくなっていた。クアルコムの行為は消費者や他企業の選択肢及び革新を否定するものである。当該市場には莫大な需要と技術革新の潜在性があるはずである。こうした行為はEU競争法に違反するものであり,これが本日の決定に到った理由である。」と述べている。

クアルコムの行為及びLTEベースバンドチップセット市場

 ベースバンドチップセットはスマートフォン及びタブレットがセルラー方式によるネットワークに接続し,音声やデータを移送することを可能とする。
 クアルコムはLTEベースバンドチップセットの世界最大の供給業者である。しかし,LTEベースバンドチップセット市場には他の製造業者も存在しており,特にコンピューターに用いられるチップセットの世界最大の供給業者であるインテルは顧客を巡りクアルコムに対抗及び競争しようとしていた。
 長い間,アップルは高品質ブランドイメージを世界的に有するスマートフォン及びタブレットの重要な製造業者であり,LTEベースバンドチップセットの極めて重要な顧客である。2011年にクアルコムは,アップルとの間で,アップルがiPhoneやiPadといったデバイスにクアルコム製のチップセットを排他的に用いることを条件に,多額の金銭をアップルに提供するという契約を結んだ。2013年,当該契約条件は2016年末まで延長された。
 この契約では,仮にアップルがクアルコムの競争事業者から供給されたチップセットをデバイスに搭載し始めた場合,クアルコムは金銭の支払を停止することが明らかにされていた。さらに,契約が実施されているほとんどの期間において,アップルが供給業者を代えることを決定した場合に,アップルは過去に受け取った金銭の大部分をクアルコムに対して返還しなくてはならないとしていた。すなわち,クアルコムの競争事業者の製品がどんなに良質であっても,当該競争事業者はアップルとの重要な取引において効果的に競争することができなかったのである。また,当該競争事業者は,アップルと取引できていれば実現できたであろう他の顧客とのビジネス機会も失わされたのである。
 実際に,アップルの内部文書からは,同社がベースバンドチップセットの一部をインテルから購入することを真剣に検討していたことが分かった。クアルコムの排他的な条件は,契約が終了するまでの間,アップルがインテルから購入しないことを決定する重要な要因となっていた。2016年9月,当時の契約の満了が近づき,現在の条件の下で他社から購入した場合の費用が限定的になったことから,アップルはベースバンドチップセットの一部をインテルから調達し始めた。しかしそれまでは,クアルコムの行為は,消費者及び他の事業者が有効な競争による恩恵,すなわち,選択肢の拡大及び技術革新の向上を享受することを妨げていた。

EU競争法違反

 クアルコムの行為は,競争を阻害するものであって,LTEベースバンドチップセットにおける市場支配的地位の濫用に該当する。
 市場支配それ自体はEU競争法に違反するものではないが,市場支配的地位を有する事業者には,支配的地位を有している市場及び他の市場の競争を制限することによって市場支配的地位の濫用をしてはならないという,特別な責任が伴う。
 本日の決定では,クアルコムが,調査期間(2011年から2016年の間)において,LTEベースバンドチップセットの世界市場で支配的地位を有していたことが認定されている。これは,特に,クアルコムが調査期間の大部分において90パーセント以上という非常に高い市場シェアを有していたことが根拠である。また,同市場の特徴として高い参入障壁がある。例えば,LTEベースバンドチップセットの供給のために必要な研究開発に係る支出やクアルコムが所有する知的財産権に関する様々な障壁がある。
 クアルコムは,同社のチップセットを排他的に利用することを条件に極めて重要な顧客に対して多額の金銭を提供することで,競争事業者がベースバンドチップセット市場で競争することを妨げることにより,市場支配的地位を濫用していた。このような取決めの問題は,顧客が短期的に割安な製品を受け取るということではなく,排他的な条件によって競争事業者が競争できなくなることにある。
 欧州委員会は,様々な質的・量的証拠を根拠に,クアルコムの行為が消費者及び競争に損害を与えていたことを認定した。この評価にはとりわけ以下の点が考慮されている。
 ・ クアルコムの市場支配的地位の範囲
 ・ 競争事業者と取引しないことを条件にクアルコムが提供していた多額の金銭
 ・ クアルコムによる多額の金銭提供によってアップルがクアルコムの競争事業者と取引するインセンティブが損なわれていたとする広範囲にわたる証拠(アップルの内部文書を含む)
 ・ LTEベースバンドチップセット市場の供給者にとってのアップルの重要性(アップルはLTEベースバンドチップセットの需要の多くのシェア(約3分の1)を占めており,他の顧客や製造業者による調達やデザイン選択にも影響を与える,主導的なスマートフォン及びタブレット製造業者である。アップルとの重要なビジネスにおいて,競争事業者に競争の機会を与えないことで,クアルコムはLTEベースバンドチップセット市場全体に影響を与えていた。) 
 ・ クアルコムは,排他的条件が効率性を生み出していたこと,すなわちクアルコムの行為が正当化され得ることを説明しなかったこと
 クアルコムからは,価格・費用テストが提出されていたが,欧州委員会は,このテストの結果は,排他的な金銭提供が反競争的な効果を有し得ないとするクアルコムの主張を裏付けるものにはならないと判断し,この証拠を不採用とした。
 こうした根拠から,欧州委員会は,クアルコムによる違法行為が競争に重大な損害をもたらしたと結論付けた。クアルコムは競争事業者を市場から排除し,欧州の消費者から選択と革新を奪っていたのである。

決定

 本件の制裁金9億9743万9000ユーロには,違反行為の期間及び重大さが考慮されており,その目的は市場参加者が将来的にこのような違反行為を行うことを抑止することである。制裁金は2017年のクアルコムの売上高の4.9パーセントに相当する。
 制裁金は,制裁金ガイドラインに則り,欧州経済領域におけるLTEベースバンドチップセットに関するクアルコムの直接又は間接的な販売額を基礎に算定されている。決定によって認定された違反期間は5年6か月23日である。
 また,欧州委員会は,本件と同様の目的又は効果を有する行為又は慣行を将来的に行わないよう,クアルコムに命令した。

背景

 欧州機能条約第102条及び欧州経済領域協定第54条は市場支配的地位の濫用を禁じている。
 欧州委員会は2015年7月16日に調査を開始し,同年12月8日に異議告知書をクアルコムに送付し,2017年2月に最終的な決定に関連する事実要因を説明した文書を送付している。
 また,これとは別に,2015年12月8日,欧州委員会はクアルコムに対して同社が略奪的価格設定を行っているとする異議告知書を送付している。この調査は継続中であり,現時点で調査結果について予断できない。

インテル判決の影響

 なお,本件の公表に併せて,欧州委員会は,マルグレーテ・ヴェステアー委員(競争政策担当)の声明を公表しているところ,そのうちインテル事件の判決との関係について,次のように述べている。「我々の決定は,種々の質的・量的証拠を基礎として,クアルコムの行為の結果,消費者及び競争がいかに被害を受けたかを示している。本件は,昨年9月に欧州司法裁判所がインテル事件の判決を下して以来初めての,欧州委員会による市場支配的地位の濫用事件の決定である。この判決は欧州委員会が市場支配的地位の濫用事件をどのように証明し,どのような基準に依拠すべきかについてのガイダンスとなっている。我々は,今回の決定が欧州司法裁判所によるガイダンスと完全に整合するよう,判決と事件記録の証拠を注意深く精査した。」

欧州委員会は,自動車海上輸送,スパークプラグ及びブレーキシステムに係るカルテルを行っていた事業者に対して,総額5億4600万ユーロの制裁金を賦課

2017年2月21日 欧州委員会 公表
原文

【概要】

 欧州委員会は,3つの事件について,EU競争法に違反しているとして,自動車海上輸送業者4社に対し総額3億9500万ユーロ,スパークプラグ供給業者2社に対し総額7600万ユーロ及びブレーキシステム供給業者2社に対し総額7500万ユーロの制裁金を賦課した。全ての違反事業者はカルテルを行っていたことを認め,和解に応じている。

自動車海上輸送

 欧州委員会は,チリの海上輸送業者CSAV,日本の海上輸送業者川崎汽船,商船三井及び日本郵船並びにノルウェー・スウェーデンの海上輸送業者WWL-EUKORが自動車海上輸送に関するカルテルを行っていたことを認定し,総額3億9500万ユーロの制裁金を賦課した。
 2006年10月から2012年9月までのおよそ6年間,これら海上輸送業者5社は,欧州及びその他の国との間の様々な航路において,新車,トラック及びコンバインやトラクター等その他の大型車の海上輸送に関するカルテルを行っていた。
 欧州委員会の調査によれば,海上輸送業者の営業部長は,反競争的行為を調整するために,お互いの事務所,バー,レストラン,その他懇親会等で会合を持ち,定期的に電話で連絡を取っていた。特に,彼らは価格を調整し,顧客を割り当てていた。さらに,為替や原油価格の変動を埋め合わせるために価格に上乗せされる課金やサーチャージ等,価格要素に関する商業上の機密情報を交換していた。
 海上輸送業者は,自動車製造業者が行う入札において,意図的に高い価格で見積もったり,入札に参加しないことによって,市場の現状を維持し,従前からの特定の航路におけるビジネスや特定の顧客を尊重し合うことを合意していた。
 輸入された自動車は欧州経済領域で販売されることから,本件カルテルは欧州の自動車輸入業者及び消費者に悪影響を与えた。また,欧州の自動車製造業者は欧州経済領域外に車を輸出することから,これら製造業者にも悪影響を与えた。2016年では,約630万台以上の自動車が欧州外に輸出されており,また,約340万台の自動車が欧州外から輸入されている。これら自動車のおよそ半分が本件で制裁金を賦課された海上輸送業者によって輸送されていた。
 商船三井によるリニエンシー申請を受け,欧州委員会は本件調査を開始した。調査期間中,欧州委員会はオーストラリア,カナダ,日本及び米国といった海外の競争当局と協力した。

【制裁金】

 制裁金を決定するに当たって,欧州委員会は,カルテル参加者が獲得した,欧州経済領域発出の国際的な航路における輸送サービスに関する売上額,違反の重大性,地理的範囲及び期間を考慮に入れた。リニエンシーを申請した商船三井は,約2億300万ユーロの制裁金を免除された。また,CSAV,川崎汽船,日本郵船及びWWL-EUKORは,欧州委員会への協力によって,制裁金が減額されている。減額は,協力のタイミング,提出された証拠が欧州委員会がカルテルの存在を証明するのにどの程度役に立ったかを反映している。なお,CSAVは違反行為への関与が他に比べて低いことが考慮され,同社に対する制裁金が20パーセント減額されている。
 さらに,全ての違反事業者がカルテルに参加していたこと及びその責任を認めたことから,和解告示に基づいて欧州委員会は制裁金を10パーセント減額している。
それぞれの会社に賦課された制裁金の概要は以下のとおり。

企業名

リニエンシーによる
減額割合

和解による減額割合

制裁金
(ユーロ)

商船三井 100% 10% 0
日本郵船 20% 10% 141,820,000
川崎汽船 50% 10% 39,100,000
WWL-EUKOR 20% 10% 207,335,000
CSAV 25% 10% 7,033,000

スパークプラグ

 欧州委員会は,ドイツのボッシュ,日本のデンソー及び日本特殊陶業が欧州経済領域内の自動車製造業者向けのスパークプラグの供給に関するカルテルを行っていたことを認定し,総額7600万ユーロの制裁金を賦課した。
 ボッシュ,デンソー及び日本特殊陶業の顧客は,欧州経済領域に生産施設を持つ自動車製造業者である。
 本件カルテルは,2000年から2011年までの間,継続的に行われ,その目的は,お互いの従来の顧客を尊重し,欧州経済領域におけるスパークプラグ産業の現状を維持することによって,競争を回避することにあった。
 これら3社は商業上の機密情報を交換し,時には,特定の顧客に対する見積価格や特殊な顧客への供給の分担,従来の供給権利の尊重に関して合意していた。ボッシュと日本特殊陶業,デンソーと日本特殊陶業はそれぞれ2社間で連絡を取り合うことで,この調整は行われていた。
 デンソーによるリニエンシー申請を受け,欧州委員会は調査を開始した。

【制裁金】

 制裁金を決定するに当たって,欧州委員会は,欧州経済領域内に生産施設を持つ自動車製造業者向けのスパークプラグの供給に関し,欧州経済領域内で発生した売上高,違反の重大性,地理的範囲及び期間を考慮に入れた。リニエンシーを申請したデンソーは,約100万ユーロの制裁金を免除された。また,ボッシュ及び日本特殊陶業は,欧州委員会への協力によって,制裁金が減額されている。減額は,協力のタイミング,提出された証拠が欧州委員会がカルテルの存在を証明するのにどの程度役に立ったかを反映している。なお,ボッシュ及びデンソーは違反行為への関与が他に比べて低いことが考慮され,同社らに対する制裁金が10パーセント減額されている。
 さらに,全ての違反事業者がカルテルに参加していたこと及びその責任を認めたことから,和解告示に基づいて欧州委員会は制裁金を10パーセント減額している。
それぞれの会社に賦課された制裁金の概要は以下のとおり。

企業名

リニエンシーによる
減額割合

和解による減額割合

制裁金
(ユーロ)

デンソー 100% 10% 0
ボッシュ 28% 10% 45,834,000
日本特殊陶業 42% 10% 30,265,000

ブレーキシステム

 欧州委員会は,米国のTRW(現在はドイツのZF TRW),ドイツのボッシュ及び コンチネンタルが油圧ブレーキシステムの供給に関し,また,ボッシュ及びコンチネンタルが電気ブレーキシステムの供給に関し,カルテルを行っていたとして,総額7500万ユーロの制裁金を賦課した。
 2つのカルテルにおいて,これら3社は価格要素等に関する機密情報を交換することによって,市場行動を調整していた。この調整は,2社間の会合,電話やメールのやり取りを通じて行われていた。
 油圧ブレーキシステムのカルテルは,2007年2月から2011年3月までの間,継続して行われ,ダイムラー及びBMW向けの油圧ブレーキシステムの一般的な販売条件が話し合われた。また,電気ブレーキシステムのカルテルは,2010年9月から2011年7月までの間,継続して行われ,フォルクスワーゲン向けの電気ブレーキシステムに関する入札に関するものであった。
 TRWによるリニエンシー申請を受け,欧州委員会は調査を開始した。

【制裁金】

 制裁金を決定するに当たって,欧州委員会は,問題となった製品に関するカルテル参加者によって獲得された欧州経済領域内の販売額,違反の重大性,地理的範囲及び期間を考慮に入れた。油圧ブレーキシステムのカルテルについてリニエンシーを申請したTRWは,約540万ユーロの制裁金を免除され,電気ブレーキシステムのカルテルについてリニエンシーを申請したコンチネンタルは,約220万ユーロの制裁金を免除された。前記免除を受けていないカルテルについて,ボッシュ及びコンチネンタルは,欧州委員会への協力によって,制裁金が減額されている。減額は,協力のタイミング,提出された証拠が欧州委員会がカルテルの存在を証明するのにどの程度役に立ったかを反映している。
 さらに,全ての違反事業者がカルテルに参加していたこと及びその責任を認めたことから,和解告示に基づいて欧州委員会は制裁金を10パーセント減額している。
それぞれの会社に賦課された制裁金の概要は以下のとおり。

企業名 リニエンシーによる減額割合 和解による減額割合

制裁金
(ユーロ)


TRW
ボッシュ
コンチネンタル

ダイムラー BMW

10%
10%
10%


0
12,072,000
44,006,000

100%
35%
20%

100%
35%
100%


コンチネンタル
ボッシュ

フォルクスワーゲン

10%
10%


0
19,348,000

100%
30%

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