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(平成29年3月31日)日本精工株式会社に対する審決について(軸受製造販売業者による価格カルテル事件)

平成29年3月31日
公正取引委員会

 公正取引委員会は,被審人日本精工株式会社(以下「被審人」という。)に対し,平成25年7月17日,審判手続を開始し,以後,審判官をして審判手続を行わせてきたところ,平成29年3月29日,被審人に対し,独占禁止法の一部を改正する法律(平成25年法律第100号)による改正前の独占禁止法(以下「独占禁止法」という。)第66条第2項の規定に基づき,被審人の審判請求を棄却する旨の審決を行った(本件平成25年(判)第23号審決書については,当委員会ホームページの「報道発表資料」及び「審決等データベース」参照)。

1 被審人の概要

事業者名 本店所在地 代表者

日本精工株式会社
法人番号8010701007715

東京都品川区大崎一丁目6番3号

代表執行役 内山 俊弘

2 被審人の審判請求の趣旨

 平成25年(納)第10号課徴金納付命令のうち,55億4712万円を超えて納付を命じた部分の取消しを求める。

3 主文の内容

 被審人の審判請求を棄却する。

4 本件の経緯

平成25年
3月29日 排除措置命令及び課徴金納付命令
5月29日 被審人から課徴金納付命令に対して審判請求(注1)
7月17日 審判手続開始
9月25日 第1回審判

平成28年
3月17日 第9回審判(最終意見陳述を終了)
平成29年
2月10日 審決案送達
2月24日 被審人から審決案に対する異議の申立て
3月29日 被審人の審判請求を棄却する審決

(注1) 被審人は,排除措置命令に対しては審判請求を行わず,同命令は確定している。

5 原処分の原因となる事実

 被審人は,他の事業者と共同して,産業機械用軸受(注2)の販売価格を引き上げることを合意することにより,公共の利益に反して,我が国における産業機械用軸受の販売分野における競争を実質的に制限していた(以下「産業機械用軸受に係る本件違反行為」という。)。また,被審人は,他の事業者と共同して,自動車用軸受(注3)の販売価格を引き上げることを合意することにより,公共の利益に反して,我が国における自動車用軸受の販売分野における競争を実質的に制限していた(以下「自動車用軸受に係る本件違反行為」という。)。
 独占禁止法第7条の2第1項の規定により,被審人の産業機械用軸受に係る本件違反行為の実行期間は平成22年8月24日から平成23年7月25日まで,自動車用軸受に係る本件違反行為の実行期間は平成22年7月30日から平成23年7月25日までであり,独占禁止法第7条の2の規定により算出された課徴金の額は56億2541万円である。

(注2) 「産業機械用軸受」とは,軸受の製造販売業者又はその販売子会社若しくは販売代理店(代理店契約を締結していない販売業者を含む。以下同じ。)が自動車及び自動車部品の製造販売業者等の需要者を除く需要者との間で交渉の上販売価格を決定する玉軸受及びころ軸受(ミニチュア軸受及び小径軸受を除く。)をいう。
(注3) 「自動車用軸受」とは,軸受の製造販売業者又はその販売子会社若しくは販売代理店が自動車又は自動車部品の製造販売業者等の需要者との間で交渉の上販売価格を決定する玉軸受及びころ軸受(ミニチュア軸受及び小径軸受を除く。)をいう。

6 審決の概要

(1) 本件の争点

ア 被審人が自動車又は自動車部品の製造販売業者(以下「自動車メーカー等」という。)から自動車用軸受の構成部品の一部を購入し(以下,自動車メーカー等から購入した自動車用軸受の構成部品の一部を「本件有償支給品」という。),本件有償支給品を組み込んだ自動車用軸受の完成品(以下「本件完成品」という。)を製造して,これを本件有償支給品の供給元へ販売している場合,本件完成品の販売代金のうち本件有償支給品の購入代金相当額は,独占禁止法第7条の2第1項にいう「当該商品又は役務の政令で定める方法により算定した売上額」(以下「当該商品の売上額」という。)に当たるか(争点1)

イ 産業機械用軸受のうち,被審人が「特殊品取引」,「スポット取引」及び「コード流用取引」と呼称する取引(以下「3取引」という。)により販売される製品(以下「3取引により販売される製品」という。)の売上げは,当該商品の売上額に当たるか(争点2)

(2) 争点に対する判断の概要

ア 争点1について(審決案13~18頁)

 自動車用軸受に係る本件違反行為の対象商品は自動車用軸受であるところ,本件完成品は,本件有償支給品と本件有償支給品以外の部分が組み合わされて一体となった商品であり,被審人が需要者である自動車メーカー等との間で交渉の上販売価格を決定する玉軸受又はころ軸受であることから,上記違反行為の対象商品の範ちゅうに属する商品に該当する。
 そのため,本件完成品は,当該商品該当性を否定する特段の事情が認められない限り当該商品に含まれるところ,かかる事情を認めるに足りる証拠はない。
 したがって,当該商品に該当するのは本件完成品である。
 また,課徴金算定の基礎となる売上額に該当するのは,違反行為者が実行期間中に違反行為の対象商品の範ちゅうに属する商品を引き渡して得た対価の額であり,本件完成品の対価は本件有償支給品の購入代金相当額を含んだ価格として設定されていることから,被審人が上記違反行為の実行期間中に本件完成品を引き渡して得た対価の額が売上額となる。

イ 争点2について(審決案18~23頁)

 産業機械用軸受に係る本件違反行為の対象商品は産業機械用軸受であるところ,3取引は,いずれも被審人又は被審人の販売代理店が自動車及び自動車部品の製造販売業者等の需要者を除く需要者との間で交渉の上販売価格を決定するものであることから,3取引により販売される製品は,上記違反行為の対象商品の範ちゅうに属する商品に該当する。

 そのため,3取引により販売される製品は,当該商品該当性を否定する特段の事情が認められない限り当該商品に含まれるところ,かかる事情を認めるに足りる証拠はない。

 したがって,3取引により販売される製品は当該商品に該当し,被審人が上記違反行為の実行期間中に上記製品を引き渡して得た対価の額が売上額となる。

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問い合わせ先

公正取引委員会事務総局官房総務課審決訟務室
電話 03-3581-5478(直通)
ホームページ http://www.jftc.go.jp/

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