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平成28年7月6日付 事務総長定例会見記録

 [配布資料]

義務教育諸学校で使用する教科書の発行者に対する警告等について(平成28年7月6日公表資料)

 [発言事項]

事務総長会見記録(平成28年7月6日(水曜)13時30分~於官房第1会議室)

義務教育諸学校で使用する教科書の発行者に対する警告等について

 本日,私からはお手元の資料に基づきまして,義務教育諸学校で使用する教科書の発行者に対する警告等について御説明させていただきたいと思います。
 公正取引委員会は本日,義務教育諸学校で使用いたします教科書の発行者9社に対しまして,不公正な取引方法第9項,不当な利益による顧客誘引に該当し,独占禁止法第19条の規定に違反するおそれのある行為を行っていたとして,警告を行ったところであります。
 また,同時に本日,一般社団法人教科書協会に対しまして,同協会が策定中の自主基準の内容につきまして,公正取引委員会と十分協議すること等の要請を行いました。
 警告の相手方は,お手元の資料3ページ目の別表1のとおり,全部で9社でございます。
 本件警告において問題とした行為は,1ページ目の「2 警告の概要」のところに記載しておりますとおり,小学校用教科書と中学校用教科書の採択に関与する可能性のある教員,校長及び教育委員会関係者に対しまして,文部科学大臣に教科書の検定を申請した後であるにもかかわらず,意見聴取の謝礼として金銭等を提供していたこと,懇親会を開催して,酒類・料理等を提供したこと,さらには,中元・歳暮を提供したことであります。
 具体的な9社の提供状況につきましては,4ページ目の別表2に記載しているとおりであります。平成24年4月以降,9社合計で延べ1,800人を超える教員等に対しまして,総額1600万円を超える経済的利益を提供していました。
 義務教育課程における教科書は,小中学校における主要な教材として,国費を用いて児童・生徒の皆さんに届けられるものでありまして,将来の我が国を担う子供たちへの教育に重要な役割を果たすものとして,真に内容本位で選定されるべきものであります。
 今申し上げた行為を行うことは,こうした教科書の採択につきまして,その公正性,信頼性を損なう社会的な問題であると同時に,独占禁止法の観点からも,公正で自由な競争を阻害し,品質・内容による教科書の選択を妨げるものとして大きな問題となるものであります。
 繰り返しになりますが,学校教育における主たる教材として重要な役割を果たしている教科書につきましては,その採択に当たって,公正で自由な競争が確保されることは極めて重要であります。今申し上げました三つの利益提供行為につきましては,利益提供の相手方や提供された利益の内容などに照らせば,実質的には勧誘のための金品提供であった疑いがあること,さらには,他社が利益提供していない中で9社が利益提供行為をすることは誘引効果が期待され得るものであることといったことなどから,これらの行為は正常な商慣習に照らして不当な利益をもって顧客を誘引するおそれのある行為であると考えています。
 他方で,本件問題行為につきましては,文部科学省におきまして,問題行為発覚後,文部行政を所管される観点から,「教科書採択の公正確保について」等の通知を発出するなど,問題行為の是正,再発防止に努められてきているというふうに理解しております。
 また,教科書発行業界においても,9社は警告の対象となった行為が不適切なものであったと認識し,各社におきまして,社内基準の整備,全社員を対象とした研修会の実施,社内体制の整備等の再発防止策を講ずることを決定し,対外的にもその旨を公表しております。
 教科書協会におきましても,本件において問題とした行為が行われないよう,これまでの自主基準であります,教科書宣伝行動基準を見直し,新たな自主基準である,教科書発行者行動規範の策定に向けて行動していると承知しております。
 このような状況の下で,今申し上げました9社に上る教科書発行者が関与した本件事案につきまして,公正取引委員会としては,公正で自由な競争を確保する観点から,速やかに問題行為の是正および再発防止の徹底を図り,この分野における公正な取引慣行を早期に確立することが不可欠であると考え,本件に対しまして,先ほど申し上げました9社に対し警告を行うとともに,教科書協会に対しては,現在策定中の教科書発行者行動規範の内容等につきまして,私ども公正取引委員会と十分協議するよう要請したところであります。
 公正取引委員会といたしましては,時機を失することなく,実効性のある処理を行うとの観点から,本件警告及び要請という措置に至ったところでありますが,今後とも警告後の改善状況を注視していくとともに,先ほど申し上げました教科書発行者行動規範の案につきまして,本件審査を踏まえ,問題行為の再発防止が実効性のあるものとなるよう,速やかに意見を述べていきたいと考えております。

質疑応答

(問) 最後の方でおっしゃっていたですね,教科書発行者行動規範について十分協議するよう求めるということで,協議した先に,基準というのか,実施要領について,再発防止でこのようなことが起きないために,一体どういう内容を求めているのか,その辺についてお伺いします。
(事務総長) 本件につきましては,本日,警告という措置を行い,公表したことであります。この警告の措置に至った審査の結果を踏まえまして,もう既に教科書発行者行動規範は,自主ルールの案として私どもにも相談が来ておりますので,速やかに検討して,先ほど申し上げましたように,このような問題行為の再発防止を図るためには,どういう基準,自主ルールが一番有効であるかという観点から,速やかに教科書協会に対して私どもの意見を申していきたいと考えております。
(問) お尋ねしたいのは,その意見というのはどういうもので,これまでの自主ルールでは,一体何が足りなくて,このようなことになってしまったのかというのをお聞きしたいんですが。
(事務総長) それは,これから私どもが委員会で検討し,向こうに伝えることで,できるだけ速やかにしたいと思いますけども,私どもの考え方は,この本件の問題行為について,きちっと措置を採った上で,その審査結果を踏まえて意見を述べるということでございますので,ここで具体的に,あの案のどこをどうするということについては具体的なことを申し上げるのは差し控えたいと思いますが,いずれにしろ,問題行為の再発防止に向けて,実効性のある基準となるよう,私どもの観点から審査結果を踏まえて,意見を申し述べるというのが今の姿勢でございます。
(問) あと,もう一つなんですが,これ,なぜ警告になったのでしょうか。最後の方にもおっしゃっていたことだと思うんですが,排除措置命令にせずに警告になった。これは,通常の商慣習に比べて不当な行為とも判断できる部分はあるのか,それで,速やかに問題を是正するために警告という措置に至ったのか,ちょっと,その辺を詳しくお聞かせ願いたいんですが。
(事務総長) まず,不当な利益による顧客誘引という,この不公正な取引方法の一つの類型につきましては,利益の提供という行為が,誰に対して,どのような形で行われたかという行為の外観から客観的に判断されるものと考えております。したがいまして,提供者の意図でありますとか,提供された方の受け止め方でありますとか,実際にその誘引する効果を持ったかどうかというのは,それぞれ大事な,今の誘引行為があったかどうかということを認定するに当たっての大事な要因ではありますが,全てではなくて,総合的に判断して,誘引する効果のある誘引行為と言えるかどうかということであります。
 その上で,私どもは,4月以来,調査を進めてきたわけでございますけれども,それ以前の文部科学省の調査もありますので,この行為が,本件の問題行為が誘引行為に当たるおそれのある行為に当たり得るというふうに考えております。
 ただ,他方で,私ども独占禁止法,あるいは公正取引委員会の執行の目標というのは,何よりも公正で自由な競争を確保するということそのものにあるわけで,そのためには,多くの場合において法的措置である排除措置命令,課徴金納付命令を出すことによって問題行為を是正し,再発を防止する場合が一番多いわけでありますが,他方で全ての場合において,そういう法的措置まで至ることが,公正で自由な競争を確保するという観点から効果的な措置かどうかということについては,検討する必要がある事例もあるものと思います。
 この件につきましては,先ほど申し上げましたように,認め得る行為があったというふうには我々としては考えておりますが,他方で,先ほど申し上げましたように,まず第1に9社という,教科書発行者は22社というふうに理解しておりますが,そのうち9社という多くの教科書発行者が本件問題行為をしていたということでございますので,できるだけ早く本件の問題の処理を通じて公正取引委員会としての考え方を示して,この分野における公正で自由な競争を確保するということが何よりも私ども大事だと考えたところであります。
 その上で,先ほど申し上げましたように,文部科学省の問題再発防止策,問題行為の再発防止に向けた指導等,それから教科書発行者が,本件問題行為が不適切であったと認めた上で,それぞれ再発防止の措置を採ると公表していること,さらには教科書協会の,先ほどの自主ルールの改善の取組というものを考慮いたしますと,私どもとしては,できるだけ速やかに問題行為を是正し再発防止を徹底することにより公正で自由な競争を確保するという観点から,今回,警告を出すとともに,教科書協会に対して要請をしたものであります。
 繰り返しになりますけれども,公正で自由な競争を確保するという独占禁止法の目的,私ども公正取引委員会に与えられた使命を果たすために,どのような対応が個別の問題,本件問題について一番効果的で厳正な措置となるかということから,私どもとしてこの措置,警告の措置を採ったところであります。

(問) 今,言っていた迅速な措置を採ったという理由で,速やかに競争状態を確保することが重要だというお話だったと思うんですけども,教科書協会は自主ルールを作成しようとしていて,その途中で,結局,その公取委の結論を待ってから,自主ルールというものを決めたいというような意向も示していたと思うんですが,そのことと,今回,速やかな措置を採ろうとして,警告という速やかな措置を採ったということと,どのように関係しているかというのをもう少し詳しく教えてください。
(事務総長) 教科書発行者それぞれが再発防止のための努力をしている,それから教科書協会も協会として自主ルールの改善に向けた努力をしているときに,私どもとしては,本件問題について4月以降,調査をしてきているわけでございますが,その調査の結果を踏まえることなく,その自主ルールの,例えば自主ルールの案について,問題の再発防止を図る観点から,どういう意見が一番実効性のあるものかということを言うのは適切ではないと思います。繰り返しになりますけれども,審査結果を踏まえた上で,何が再発防止のための一番実効的なルールになるのかという観点から,もう既に明らかになっております協会の自主ルールなりについて意見を申し述べたいというのが基本的な考え方であります。
 したがいまして,このように早期に措置を決定することによって,それを踏まえて,先ほどの御質問にありましたけれども,私どもとしてできるだけ速やかに実効性を確保する観点から,協会の出されております基準案について意見を申し述べていきたいと思っております。逆に言えば,例えば私どもが法的措置ということで通常のように措置を採るとすれば,今,出されております基準のルールの案についての私どもの審査結果を踏まえた,あるいは実効性のある観点からの意見が遅れるということになります。先ほど申し上げましたように9社という,22社の中で見れば決して少なくない会社の方がそういう問題行為を行っているというのが,今の教科書の採択に係る競争の実情であることもあり,私どもとしてこのような早期の措置を採ることを決断したものであります。

(問) 文科省とは切り離して,公取委として調査をしたかと思うんですが,文科省の結果と違う点があれば具体的に教えていただきたいのと,文科省への各社の報告と,今回の調査結果に齟齬があった部分があれば,それについて教えていただけますでしょうか。
(事務総長) 文部科学省の方では,それぞれ文部科学省の所管する行政の観点から調査を行った。皆様方の報道等によりますと,本来,検定申請したら閲覧させてはいけない教科書を閲覧させていたというのがそもそものこの問題のもとであると,文部科学省の方々はそう考えていると思います。私どもは,独占禁止法の考え方に立って調査を行いました。しかもこの問題,教科書の採択をめぐる宣伝行動といいますか,それにつきましては昨日,今日始まったわけではなく,昔から,皆さんご存じのとおり,公正取引委員会も措置を採ったことを含めてですね,いろんな誘引行為についての事件が起こってきたところであります。
 したがいまして,当然,私どもとしては,公正で自由な競争を確保するという観点から,しかし,一方で文部科学省が教科書発行者に依頼して調査した報告も活用しつつですね,独禁法の立場から見ていったものでありまして,その調査結果についてどこがどうだというのは,あまり申し上げるのはどうかと思いますけれども,お配りした表に書いてありますように,それと先ほど申し上げましたように,文科省の方は閲覧させてはいけない教科書を,申請教科書を閲覧させ,それに伴って利益提供行為があったのかどうかということからアプローチされたと思いますが,我々はもう少し広く誘引行為として考えられるものということでございますから,そこにありますように,懇親会の開催でありますとか,お中元,お歳暮の提供でありますとか,そういうものについても広く調査していったわけであります。個々のこの9社の会社ごとに,文部科学省の先ほどの視点からの調査でどこがどうというのは,ここで個別には申し上げるのは差し控えますが,今,齟齬があるかという観点については,私どもは齟齬はないと考えております。

(問) 3点あるんですけれども,今の公取委で石油の元売りのですね,出光・昭和シェル,JX・東燃ゼネラルの統合に関して審査中だと思うんですけれども,その審査の直近の状況と,今後のスケジュールとしての見通し,こちらが1点目。
 2点目なんですけど,現在,ご存じのように出光の創業家がですね,統合に反対をしているんですけれども,その統合形態が今後,変わる可能性など,いろいろ変化があると思うんですが,それが審査に影響するのであれば,どういったところがあるのか教えてください。
 3点目ですね,出光と昭和シェルの統合が成立しない場合ですね,JX・東燃ゼネラルという,そちらの審査の方にどういった影響があるのかという,その3点をお願いします。
(事務総長) まず,第1点目の出光興産と昭和シェルとの企業結合についての審査状況でありますけれども,御案内のとおり,平成28年1月15日に当事会社に対しまして,公正取引委員会から報告等を求め,第2次審査を開始したところであります。これ以上のことにつきましては,具体的な審査の中身に及びますので,今の段階ではお答えを差し控えさせていただき,一般論として,私どもとしては,当事会社が提案している企業結合が,一定の取引分野における競争を実質的に制限することになるかどうかという観点から審査を行うということにとどめさせていただきたいと思います。
 2番目に,いろいろ報道されております出光興産の内部のお話につきましては,私どもはいずれにしろ会社から出てきた,当事会社から出てきた届出に基づいて審査をするということでございますので,変更があったらどうするかとか,あるいは3番目の,それがJXと東燃ゼネラルの企業結合申請にどういう影響があるかという仮定の話については,ここで申し上げるべきではないと思います。

(問) 幾つかお尋ねいたしますが,まず,(1),(2),(3)と警告の概要をそれぞれ分けられていますけれども,(1)については,検定を申請した後,つまり検定中の金銭等の提供に限定していますが,(2)と(3)につきましては,これは検定中か検定中ではないかに関係なく,こうした行為をしているのは違反のおそれがあるという認定だと思います。これらを分けられている根拠を教えてください。
(事務総長) この意見聴取の謝礼としての金銭等の提供につきましては,いわゆる検定期間,御案内のとおり教科書の検定採択は4年サイクルでありまして,1年目に教科書の発行者が,その教科書をつくる,著作,編集の段階,そして2年目に,それを検定申請する検定申請,3年目が採択,4年目が使用というふうに関わるわけでありますけれども,意見聴取の謝礼を検定期間に限ったのは,第1番目の,実際に教科書を著作する段階で,いろんな御意見を聞いたということは必要性もあるでしょうし,一方で,検定期間であれば,もう検定申請をしたわけですから,検定申請した教科書の内容を修正できるという余地は,それ以前の編集段階に比べれば少なくなるだろうという,その性質上の差から,意見聴取の謝礼としての金銭提供につきましては,決定期間に限らせていただいたわけです。採択期間については,さすがに,この三つの行為のどれも,私どもの今までの調査の範囲内では,こういう利益提供行為は見当たらなかったところでございます。
 次に,懇親会,お中元,歳暮について,検定期間だけではなく,実際上は,先ほどの著作編集期間においても行われていたという行為が私どもの調査で見つかったわけでございますが,これはやはり文部科学省との観点の違いで,誘引行為として,どういうものが考えられるかということでございますので,例えば,著作編集段階に意見聴取をして,その対価として,そのようなものを払ったというのと,同じ意見聴取期間であっても,お酒を飲んだと,飯を食ったと,その対価というのは,私どもとして見ていく場合に,予断を持ってはいけませんが,誘引行為としての外観性というのは,やはり濃くなるんではないか。同じように,お中元,お歳暮もそうですね。
 しかも,この中には,あまり細かく審査の中身について申し上げるのはどうかと思いますけれども,一方で,先生方は勤務時間中に意見聴取に応じて,その対価を受け取っているでありますとか,意見聴取を受けた人は,あわせて中元,歳暮も受けているとかいう,そういう事案もありますので,そういうことから考えれば,独占禁止法の観点からする正常な商慣習に照らして,不当な利益をもって顧客を誘引するという行為があったということの事実を認定するに当たって非常に大事な行為であるというふうに考えて,私ども,そこに焦点を置いて調査をして,今回,警告の対象の問題行動として掲げたということでございます。
(問) そうしますと,編集段階で意見聴取をして,それに対して金銭ではなくて,料理を御馳走すると。あくまで意見聴取のお礼として,料理を御馳走しますよというふうになった場合は,その意見聴取に対する謝礼金だということが客観事実からわかれば違反に,違反のおそれの認定にはならず,客観事実から,これは誘引行為だということになれば違反認定になるということでしょうか。
(事務総長) おっしゃるとおりですが,ただ,客観的な行為として認定するということは,今,御質問にあったように,本人が,例えば,提供者が,これは昼間の意見聴取の対価でございますといって,夜,お酒を,あるいは食べ物を,御馳走を渡すということが,本人なりがどう考えようが,外観的に見て,これは不公正な行為ではないか。不当な利益をもって顧客を誘引する行為ではないかと考えられるおそれがあれば,当然,私どもは,それは問題だということになると思います。
 また,先ほど申し上げたように,誘引行為として一番問題になりそうなものを,迅速な調査という観点から絞って取り上げたということでありまして,ここに挙げなかった行為が全てシロであるという,我々の意見を表明しているものでは全くない。ここに掲げた行為だけでも,十分,誘引行為として警告の対象になるというのが私どもの判断であります。
(問) 分かりました。もう2点ありますので,まとめて質問します。
1点目は,次のページの第2にあります要請についてなんですけれども,この要請の中でですね,第2の2,3行目,公正宣伝特別委員会を設置しと,こうございます。代表者が公正宣伝特別委員会の委員長又は委員を務める会社が含まれていたとございまして,これがどの社が委員長で,どの社が委員なのかというのは教えていただけるんでしょうか。
 それと,協会の方にも,もちろん取材をさせていただくんですけれども,公取としては,この公正宣伝特別委員会というのは,どういう業務を担っている協会の中の委員会とお考えになっているんでしょうかというのが1点目でございます。
 それと2点目はですね,今回,9社に一律に警告ということになってございますけれども,別表を見ますとですね,提供人数や提供金額には大きな差がございます。200人とか300人に渡している社もあれば,9人にとどまっているところもございますし。この9社の間に,かなり大きな濃淡がある中でですね,一律に警告を出された理由を教えていただけますでしょうか。
(事務総長) まず,公正宣伝特別委員会のメンバーの話でございますけれども,私の方からここで申し上げることは控えます。その9社の名前は出てるわけですから,あとは教科書協会にお聞きになられればと思います。
 2点目で,その点に関係して,この特別委員会がどういうことをやっているのか。私どもも細かいことまでは,具体的な活動状況については,詳しく存じ上げませんが,教科書協会は,それぞれ昔からの経緯があって教科書の発行採択における公正な競争を確保するというのを一つの重要な使命として自主ルールの,いわば運用をする責任のあるところでございますので,こういう宣伝,今までの教科書の宣伝行動基準の,いわば責任者,運用の責任者であると,あるいは責任ある委員会であるという意味で,非常にこの自主ルールを遵守する上で重要な役割を果たすべき委員会であったというふうに理解しております。
 それから,2つ目に,なぜ一律に9社に警告したのかですが,9社それぞれの違反行為,ここで掲げた利用提供行為,利益提供行為については,おっしゃるとおり,濃淡,多寡があるわけでございますけれども,これはやはり措置を採る,しかも警告という行政指導を採るわけでございますので,その中身,例えば課徴金納付命令みたいなですね,提供した利益に従って課徴金をたくさんかけたり,少なかったりという性質のものではなく,誘引行為として考えられる行為をしていたという会社については,たとえ利益提供した金額が他の社に比べれば少なくても,やはり公正な競争,公正で自由な競争を損なうというおそれがあるわけですから,行政指導としての警告をそういう意味で一律にさせていただいたということであります。
(問) 第2の3でございますけれども,(2)のですね,周知方法及び遵守状況に係る監査方法についてと書いてて,この遵守状況に係る監査方法というのが,これはどういう意味というか,どういう効果を狙っているものなのかというのをもう少し噛み砕いて説明していただけるとありがたいんですけれども。
(事務総長) 一般論で答えて恐縮でございますけれども,今までの教科書発行者行動規範ということについても,これがきちっと協会において守られている,また,協会において教科書会社がそれを遵守するように実効性のあるような監視,フォローアップを行っていれば,このような問題は多分発生しなかったんだろうと思います。仏作って魂入れずじゃありませんが,やはりルールをつくるのはコンプライアンスの第一歩でありまして,これをきちっと実効性を持って確保していかなければ,実際にそれを守っていかなければいけないということでございます。規則を作る,いいルールを作ることは一つでありますが,そのルールをきちっと守っていただくということがもう一つ,それ以上に大事なことであります。これは,この件に限らず,カルテル,談合など独占禁止法のコンプライアンスに関して一般的に言えることでございます。したがって,今回このような行動規範について,その遵守状況に問題があるということから,このような本件問題が出てきたというふうに理解しておりますので,ルール自体,改善したものであっても,それをきちっと遵守していただく,あるいは教科書協会がその各会社の教科書発行者の遵守状況をきちっと見ていく,そしてそのルールが本当に実効性あるものとなって問題となる行為が二度と起こらないようにするというフォローアップをすることは,私どもとして,ルールについて意見を言う以上に大事なことと考えております。

(問) 1点だけ確認なんですが,警告した具体的な内容って,懇親会,酒類の提供とか中元,歳暮があると思うんですけども,教科書を見せずにこういうことをした事例というのはあったんでしょうか。
(事務総長) そこは審査の中身に触れますので言うべきじゃないと思いますが,文科省が調べたような,要するに閲覧をさせているという相手方じゃない人にこのような利益を提供したという事例もあったのも事実です。

(問) 今の質問に関連して。そうしますと,この(2)と(3)については,会社側は何のためにこれをしたのかという説明はどういうふうに言っているんですか。
(事務総長) 私どもが聞いております会社側の意図は,今言った私のこととかえって矛盾するかもしれませんが,あくまでもいろんな意見を,別に申請中の教科書を見せなくても意見は聞けるという前提で,これは意見をいただいた,あるいはいただくお礼であるというのが,そういう意図で提供したというのが彼らの言い分であります。
(問) 警告と要請はもう既に午前中に終わったという理解でよろしいでしょうか。
(事務総長) 終わりました。

(問) 先ほど,今回の警告内容に書いてないことはシロだと言うつもりはないというお話もされてまして,冒頭の協会との今後の規範案のすり合わせのところにもかなりよるんですけども,現段階では,協会側の想定しているたたき台の中では,今回の(1)に該当する文面になろうかと思うんですけども,検定期間及び採択期間を除く期間では意見聴取について対価を支払うこと自体はできると。その金額だとか,そういったことは公取委側と相談したいですというふうになっているんですが,検定期間外においても,基準がある,なしにかかわらず,対価の支払いそのものを認めないという判断を,御意見を今後するつもりというのはあるんでしょうか。
(事務総長) 一番最初の質問とも関連しますが,先ほど申し上げたとおり,本件措置を踏まえて,問題行為の再発防止の観点から,実効性のあるルールとしてどうするかという観点から,今検討しているところでございまして,速やかに教科書協会にお話をするつもりですが,今のところでは,その具体的な内容については申し上げることは差し控えたいと思います。
(問) いつぐらいまでに規範案の「案」がとれるようにとお考えでしょうか。
(事務総長) できるだけ速やかにということですが,私どもの意見を教科書協会が全て,はい,そうですと言って受け入れてくれるにはやはりお互い協議が必要でしょうから。私どもの意見については,なるべく速やかに申し上げたいと思いますけれども,「案」がとれるというのは,これは最終的には,教科書協会のご判断でございますので,そこについて,いつごろになるかというスケジュール感については,現時点では勘弁していただきたいと思います。

(問) 先ほどの質問にちょっと関連してですね,文科省は教科書を見せた,検定中に教科書を見せた前提で調査をしていたと思うんですが,つまり文科省が見せ,検定中の教科書を見せて何に金品提供をもらったとかって数が出てきたと思うんですが,新たに公取委が調査した中で,教科書を見せた上で何か金品提供とか中元とか歳暮をもらっていたとか,文科省では把握しきれなかったところまで把握した,教科書を見せた上でですね。そのようなものはあるんでしょうか。
(事務総長) これも中身に及びますので,具体的には差し控えますが,そういうものはありました。
(問) 見せた上でのものもあったということですか。
(事務総長) 先ほど申し上げたように,文部科学省の調査と齟齬はないと申しましたが,文部科学省の調査では報告されなかったことについて,私どもの調査で報告されたこともございます。
(問) つまり,その中身というのは,教科書を見せてないものは,もうそもそも文科省の調査の範囲外だと思うんですが,そういう範囲外のものもあり,そもそも文科省が範囲にしていたところのものも新たに見つかったものもあるということでしょうか。
(事務総長) 先ほど申し上げたこと以上は差し控えます。
 ただ,いずれにしましても,文部科学省の調べる観点,検定申請中の教科書を閲覧させてはいけないのに閲覧させたという観点と,我々の調査の観点は違いますので,そういう回答で御勘弁いただきたいと思います。
(問) 冒頭に御説明いただいた,警告を打ったのは,できるだけ早く現状を是正させることが大事だからという判断だとおっしゃいました。再発防止とか止めさせるという意味ではですね,やはり排除措置命令が一番効果的であるのは明白だと思うんですけれども,総長の御説明ですと,排除措置命令よりも警告だったら早く出せるというふうに受け止めました。
 警告は排除措置命令よりも早く出せるものなんでしょうか。もし早く出せるとしたら,その理由を教えてください。
(事務総長) 今までの数字を見ましても,法的措置というものは警告よりも時間がかかってるというのは事実であります。
 先ほどの繰り返しになりますけども,私どもの一番すべきこと,独占禁止法の執行当局としてすべきことは,それぞれ与えられた法的権限,排除措置命令等も含めましてですね,あるいは行政指導をする措置をすることを含めまして,公正で自由な競争を確保するということに尽きるわけであります。
 これは例えば独禁法そのものにも,もうやめている行為,いわゆる既往の行為については,私どもの排除措置命令については,特に必要があるときに,排除の確保をするために,あるいは再発防止のために特に必要があるときにできると,こういう独禁法の建てつけからいっても,何が何でも白黒つけて調査をして詰めて,白黒して法的措置を採るのは,多くの場合,それが一番相手方にとって改善を促すという意味にとって効果があるというのはおっしゃるとおりですが,本件のように,もう文部科学省の指導があり,あるいは業界団体の自主的な努力もあって,問題の改善の方向に動きつつあるときに,公正取引委員会,しかもルール基準について案が示され,私どもとしてもその案について実効あらしめる観点から,意見を求められたときに,今おっしゃったような法的措置が一番厳正な措置であるという判断は私どもはしておりません。
 繰り返しになりますけれども,既往の行為については,特に必要があるときに排除措置命令を行えるものですから,極端なことを言えば,時間が経てば経つほど文部科学省の再発防止の努力,あるいは当事者の努力によって,公正で自由な競争が確保されてくるかもしれない。そうすると,私どもとしては,今この段階で改善の努力,再発防止への努力が関係者あるいは文部科学省も含めてやられている今の段階で,きちっと私どもの観点から競争制度の観点から意見を示すということが,私どもの使命である公正で自由な競争を確保するという観点から最も効果的であるという判断で,この措置に至ったものであります。
 繰り返しになりますけれども,課徴金,この場合の27年度の執行状況のときも少し申し上げたかもしれませんが,法的措置というのは非常に厳正で,カルテル,談合を抑止するために最も効果があるというのは私ども信じておるところでございますが,他方で,常にそうかというのは,必ずしもそうではないというのが私どもの考え方でありまして,この問題もその一つの例であると思います。
 それから,これもあまりこういう比較もどうかと思いますけども,諸外国で取り入れられてる自主的な解決の制度,EUの確約等も,やはり相手が改善措置を採るのであれば,速やかな確約という措置を採ろうということで,今回の,今私が申し上げた考え方と背景的には一致するところがあると。制度として全く違いますけれども,考え方としては共通するところがあるというふうに私個人は考えております。

以上

本文ここまで


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