CPRC20周年特設サイト

  20周年を迎えて

　平成15年６月に鈴村興太郎所長の下で公正取引委員会競争政策研究センター（CPRC）が発足してから20年経ちましたが、発足当初から、CPRCの目的である「中長期的観点から独占禁止法の運用や競争政策の企画・立案・評価を行う上での理論的な基礎を強化する」ための活動を継続してまいりました。各種活動やシンポジウムをはじめとする各種企画において関連分野の有識者からご協力を賜ることができたこと、CPRCの活動を常時支えてこられた公正取引委員会の方々からご支援を頂いたことに感謝の意を表させていただきます。また、これまでCPRCの活動に直接貢献されてこられた歴代所長や主任研究官の先生方にも敬意を表する次第であります。
　CPRCの活動実績を簡単に振り返ると、CPRC発足当初から、広く競争政策全般について各国の有識者を交えて検討するシンポジウムや公開セミナーを開催してきました。その後、活動が軌道に乗るにつれて競争政策における個別課題の検討を行い、それと並行して各時代における現代的課題を取り上げることが増え、最近はデジタル市場に関連した議論が増えています。これは競争政策が世間一般に浸透したことで競争政策全般を紹介する段階を終えて、時々の重要な課題を扱える段階に移行できたことを表わしていると思いますが、今後も競争政策に係る社会課題を検討する場としてCPRCの活動を継続することが必要とされます。また、最近のCPRCにおける各種企画ではデジタル市場の議論が増えているものの、実際の独占禁止政策では取引関係全般に係る案件が多く、この問題に対する議論の重要性は高いと考えています。
　シンポジウム等の公開企画以外にもCPRCでは関連分野の有識者による研究成果を発信する場も提供してまいりました。初期の頃は法学者、経済学者、公正取引委員会事務総局職員の三者協働による共同研究報告書を随時公表することで、特定の課題について様々な観点から検討する機会を提供できたと思います。また、発足当時から現在に至るまで、各有識者ご自身の研究内容に即した研究成果をディスカッション・ペーパー（DP）として随時公表しております。DPとして公表された成果が学術誌に掲載された例もあり、DPの公表の場を提供することは微力ながらも有識者による研究を促進することに寄与できていると思います。
　今後もCPRCが競争政策に関する研究基盤を提供する場として機能するように尽力してまいる所存です。CPRCの今後の発展に一層の御理解・御支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。