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「非ハードコアカルテルの実証経済分析―X会事件―」(2010年4月) 後藤 宇生(北九州市立大学経済学部) 荒井 弘毅(公正取引委員会競争政策研究センター) 概要 本稿は,ハードコアカルテルと非ハードコアカルテルの両方の経済環境を持つ事例,「X会に対する事件」を取り上げ,それぞれの経済環境の関係等について実証分析を考えるものである。非ハードコアカルテル下では,ある程度,物理的な距離が保たれている状態であり,その距離を前提とすると,より近くなった方がハードコアカルテルは維持しやすくなる傾向を持つことが考えられた。その理由としては,病院間のモニタリングコストが掛かるためカルテル逸脱の監視のためにはむしろ離れない方がカルテルが実効性を持つこととなったと推測される。すなわち,非ハードコアカルテルとハードコアカルテルが持つ誘因構造が両立していなかったと考えられる。 キーワード:非ハードコアカルテル,距離規制 |
CPDP 47-J(PDF:445KB) |