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第112回ワークショップの概要

第112回ワークショップの概要

 第112回ワークショップが12月16日(金曜)に開催されました。報告等の概要は以下のとおりです。

 「低価格入札に関する研究」の中間報告

 報告者
 (鈴木彩子CPRC客員研究員・早稲田大学国際教養学部講師)
 (大久保直樹CPRC主任研究官・学習院大学法学部教授)
 (塚田益徳CPRC研究員・第二上席)
 (高橋理人CPRC研究員・第二上席)
 (荒井弘毅CPRC次長)
 (工藤恭嗣CPRC研究員・経済調査室)

 平成23年度の共同研究の1つである本研究は,低価格入札調査制度及び最低制限価格制度が設けられている理由,低価格入札(安値応札)が社会的厚生へ与える影響の分析,安値応札の系統的な分析方法の提案を目的としています。
 今回のワークショップにおいては,報告者から,初めに,低価格入札調査制度及び最低制限価格制度それぞれについて説明がなされました。次に,安値応札に関する経済理論のレビューがなされ,次に具体的なデータを用いた低価格入札調査制度及び最低制限価格制度の実証分析の結果が示されました。最後に,今後の課題として,安値応札に対し略奪的価格設定の議論が適用し得るか,どのような場合に安値応札が正当化し得るか等について経済理論モデルを用いた分析を行い,本制度の導入が落札率を改善したのか,本制度の効果について統計モデルの変数及び推定法を再検討し,データ分析を行いたいという報告がなされました。
 報告を受けて,参加者から,実証分析に関し被説明変数として平均落札率を使っている理由について質問がなされ,報告者から,個々の入札における落札率がデータとして公表されておらず,平均として予定価格でウエイト付けしたものが公表されているため,それを利用したとの回答がなされました。その回答に対し,参加者から,特定の地方公共団体のデータが利用できれば面白い結果が得られるかもしれないとのコメントがあり,報告者から,調査費用等の点から本共同研究で行うのは難しいと思われるとの回答がなされました。
 また,参加者から,本制度において,基準価格を下回る入札価格を提示した事業者は調査の対象になる又は失格になるということであったが,低い入札価格を提示したことについてどのような理由があるのか質問がなされ,報告者から,予定価格が適正ではなかったこと,実績を積むためといった理由などが言われているとの回答がなされました。
 最後に,参加者から,安値応札に関連して下請事業者へのしわ寄せが独占禁止法上問題となった事例があるのか質問がなされ,報告者から,これまで問題となった事例はないものの,事業法である建設業法による規制もあるので,そちらで問題となっているケースはあるかもしれないとの回答がなされました。

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