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第124回ワークショップの概要

第124回ワークショップの概要

 第124回ワークショップが3月22日(金曜)に開催されました。報告等の概要は以下のとおりです。

 「EU国家補助規制の考え方の我が国への応用について」の最終報告

 報告者
 (大久保直樹 学習院大学法学部教授・CPRC主任研究官)
 (青柳 由香 東海大学法学部専任講師・CPRC客員研究員)
 (安藤 至大 日本大学大学院総合科学研究科准教授・CPRC客員研究員)
 (市川 芳治 慶應義塾大学法科大学院・経済学部非常勤講師)
 (多田 英明 東洋大学法学部准教授・CPRC客員研究員)
 (宮澤信二郎 神戸大学大学院経済学研究科特命准教授)
 (笠原 宏  経済取引局総務課長・調整課長事務取扱・CPRC研究員)
 (宇津木達郎 調整課・CPRC研究員)
 (白石 幸輔 調整課・CPRC研究員)
 (久野 慎介 調整課・CPRC研究員)
 (多賀根 健 経済調査室・CPRC研究員)

 平成24年度の共同研究の一つである本研究は,平成23年度共同研究を踏まえ,我が国において,事業再生に係る公的支援について競争政策の観点からの規律の在り方を議論する際の手掛かりを提供することを目的としています。
 今回のワークショップにおいては,報告者から本研究の成果について報告がありました。初めに,法制的視点からみたEU国家補助規制の特徴として,EU法の優越という原則によって加盟国の立法を規律していること,欧州委員会が総合的な政策衡量に基づいて国家補助規制の運用を行っていることが紹介されました。次に,経済学の観点からみたEU国家補助規制の評価として,EU国家補助規制は,効率性の観点(総余剰の増大)のみでなく衡平性の観点(分配上の適切さ)からの要請が含まれると解釈されること,EU国家補助規制は,加盟国の法律に優位する条約によって加盟国の補助金政策を外部からコントロールし得るので,加盟国による補助金支出競争を起こさせないためのコミットメント装置としての役割を果たしているとの見解が紹介されました。
 次に,我が国の事業再生に係る公的支援制度の現状について,競争政策との整合性が確保されていないこと等が紹介されました。そして,最後に上記の法制面及び経済学の観点からの検討結果を踏まえ,我が国において事業再生に係る公的支援の規律制度を考えるに当たっては,競争への影響と公的支援により政策的要請が達成されることの利益の間での総合的政策衡量が求められるところ,EUと我が国では行政組織の基本的な前提が異なっている点に留意する必要があるとの見解が紹介されました。

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