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第132回ワークショップの概要

第132回ワークショップの概要

 第132回ワークショップが3月28日(金曜)に開催されました。報告等の概要は以下のとおりです。

「諸外国における優越的地位の濫用規制等の分析」の最終報告

 報告者
 (泉水文雄 CPRC客員研究員・神戸大学大学院法学研究科教授)
 (柴田潤子 CPRC客員研究員・香川大学大学院香川大学・愛媛大学連合法務研究科教授)
 (多田英明 CPRC客員研究員・東洋大学法学部准教授)
 (真渕 博 CPRC研究員・企業取引課長)
 (宮川 幸 CPRC研究員・経済調査室)ほか

 
 平成25年度の共同研究の一つである本研究は,優越的地位の濫用規制等について,諸外国においても,近時,小売業者のバイイングパワーを背景として,取引の公正化という観点から問題視されているため,我が国の優越的地位の濫用規制・下請法に類似した諸外国の法制度やその運用状況について調査・分析を行うことを目的としています。
 今回のワークショップにおいては,報告者から本研究の成果として,初めに,EU,イギリス,フランス,ドイツ,韓国,中国,オーストラリア及びアメリカにおける優越的地位の濫用規制等について調査した結果,各国・地域が優越的地位の濫用に係る問題意識を有している点については共通していたが,当該問題に対する規制手法やエンフォースメントについては多様性がみられたとの報告がなされました。次に,前述の8の国・地域における優越的地位の濫用に係る問題意識,規制の枠組みとその規制実態等について説明がありました。この中で,EUにおいては優越的地位の濫用を規制するための規定はないが,主に食料品分野における大規模小売業者による不公正な取引慣行について調査等を実施しているとともに,事業者間において良い取引慣行に係る自主的な取組が行われていること,ドイツにおいては競争制限防止法において,相対的市場力に基づく一般的な妨害・差別行為等を規制するための規定や正当な理由のない利益供与の要請を禁止する規定等が設けられているが,当該規定が適用された事例はほとんどないこと等が説明されました。
 報告を受け,参加者から,競争当局によるエンフォースメントにおいて,被害者救済の観点は考慮されているのかとの質問がありました。これに対して,報告者からは,制度としては,制裁と被害者救済の双方を意識していると思われるとの回答がありました。

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