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第135回ワークショップの概要

第135回ワークショップの概要

 第135回ワークショップが5月16日(金曜)に開催されました。報告等の概要は以下のとおりです。

(1)「プラットフォームビジネスの特性の分析と合併審査上の課題」の研究計画

報告者
(大橋弘 CPRC主任研究官・東京大学大学院経済学研究科教授)
(大久保直樹 CPRC主任研究官・学習院大学法学部教授)
(池田千鶴 CPRC客員研究員・神戸大学大学院法学研究科准教授)
(大木良子 CPRC客員研究員・日本大学商学部助教)
(品川武 CPRC研究員・企業結合課長)
(荒井弘毅 CPRC研究員・経済研究官)
(橋本庄一郎 CPRC研究員・企業結合課)
(工藤恭嗣 CPRC研究員・経済調査室)
(後藤景子 CPRC研究員・経済調査室)

 平成26年度の共同研究の一つである本研究は,プラットフォームビジネスの業界構造やビジネスモデルを検証し,プラットフォームビジネスにおける競争上の特性を分析・把握した上で,こうした特性を有する分野の水平合併審査に当たって考慮すべき問題(商品範囲の画定,隣接市場からの競争圧力等)について調査研究することを目的としています。
 今回のワークショップにおいては,報告者から,プラットフォームビジネスにおいては,プラットフォームを通じて結ばれている双方向の利用者にネットワーク効果が顕著に働いているところ,このような特性から,プラットフォームビジネスに係る企業結合事案において,双方向の利用者全体の厚生を高める企業結合審査を行うために考慮すべき点は何かとの問題意識に基づき,市場画定の方法,間接ネットワーク効果の影響をどのように評価すべきかなどを課題として,[1]経済学の観点から理論的整理及び定量分析を行うこと,[2]法学の観点から理論的整理及びプラットフォームビジネスに係る国内外の企業結合審査事例の検証を行うとの説明がされました。
 報告を受け,参加者から,プラットフォームビジネスにおいては,ネットワーク効果のほかに規模の経済等といった論点も重要であるため,この点も併せて研究してほしい,また,プラットフォームビジネスに係る問題は様々あるので,競争政策の在り方について研究がなされることに期待しているとのコメントがありました。

(2)「医薬品市場における競争と研究開発インセンティブ―ジェネリック医薬品の参入が市場に与えた影響の検証を通じて―」の研究計画

報告者
(土井教之 CPRC主任研究官・関西学院大学経済学部教授)
(武田邦宣 CPRC主任研究官・大阪大学大学院法学研究科教授)
(伊藤隆史 CPRC客員研究員・常葉大学法学部准教授)
(明松祐司 CPRC研究員・経済調査室)
(宮川幸 CPRC研究員・経済調査室)
(後藤景子 CPRC研究員・経済調査室)

 平成26年度の共同研究の一つである本研究は,[1]我が国におけるジェネリック医薬品の参入が市場に与えた影響の検証,[2]欧米におけるジェネリック医薬品をめぐる競争法違反事例の検証を通じ,我が国の医薬品市場において,競争政策上,競争当局が注視すべき点について示唆を得ることを目的としています。
 今回のワークショップにおいては,報告者から,研究手法として,[1]経済学の視点から,[i]ジェネリック医薬品の普及要因について,需要要因,供給要因及び制度的要因に着目した分析,[ii]ジェネリック医薬品の普及に伴う市場への影響について,研究開発や企業結合等に着目した分析,[2]法学の視点から,[i]欧州における医薬品産業に係るセクター別調査や競争法違反事例の検証,[ii]米国におけるいわゆるReverse Payment に係る事例の検証,[3]有識者や業界団体からヒアリングを行い,我が国の医薬品市場における競争の状況を把握する旨の説明がされました。
 報告を受け,参加者から,ジェネリック医薬品の参入が進まない背景には制度的要因があることも考えられるので,その点を踏まえて研究を進めてもらいたいというコメントや,ジェネリック医薬品の普及をみる上では,薬効別に検証することが必要であるとの指摘や,今後普及が予測されるバイオ医薬品について,従来の医薬品との違いを踏まえた競争上の示唆や予測を加えてもらいたいとのコメントがなされました。

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