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第44回ワークショップの概要

第44回ワークショップの概要

 第44回ワークショップが2月9日(金曜)に開催されました。報告等の概要は以下のとおりです((1)のかっこ内は報告者,(2)のかっこ内は担当客員研究員及び研究員を表す。)。

(1)「審査・審判における経験則・経済理論の活用」の中間報告
 (競争政策研究センター研究員 酒井 紀子 氏)
 (競争政策研究センター研究員 下津 秀幸 氏)

 平成18年度の共同研究の一つである本研究では,独禁法の違反行為にかかる経験則・経済理論(以下「経験則等」という。)のうち,違反行為の立件のための審査審判手続において利用していると思われる経験則等について,その認定,あるいは推認が合理的であることを明らかにするため,思考過程を明示し,事実認定における推察過程を明確化することを目的としています。
 今回の中間報告では,まず,下津氏から,表題にある経験則と経済理論の位置付けの説明がなされた後,過去の審決を分析した結果から得られる示唆の報告が行われました。その後,酒井氏から,訴訟における経験則の機能,事実認定と経験則の関係,経験則の法律解釈における利用等についての報告が行われました。
 この報告を受け,審決データの分析結果に係る問題点,経験則からどのように違反行為を推認するのかといった推論過程に係る問題点,公取委の存在を考慮した経済モデルを活用する際の留意点等について議論がなされました。
 また,カルテルの種類(価格引上げ,価格維持等)を踏まえた経験則を考える必要があるとの意見が出されました。

(2)「状況証拠からの事実認定」の共同研究計画
 (CPRC客員研究員・西村ときわ法律事務所 越知 保見 氏)
 (競争政策研究センター研究員 荒井 弘毅 氏)
 (競争政策研究センター研究員 萩原 浩太 氏)
 (競争政策研究センター研究員 下津 秀幸 氏)

 平成17年度の共同研究の一つである本研究は,カルテル,入札談合に焦点を当てて,欧米における状況証拠からの事実認定の事例の調査等を踏まえ,日本の独禁法違反事件における事実認定手法等を検証することを目的としています。
 今回の最終報告では,まず,越知氏から,報告書の構成,本研究の意義等の全体的な報告のほか,価格カルテル及び入札談合の「相互拘束」といった構成要件のポイントが説明されました。その後,萩原氏から,「ごみ焼却炉施設」等の損害賠償請求事件の事例を基に,課徴金審判実務及び損害賠償請求訴訟における個別調整の立証の要否等についての報告が行われました。
 この報告を踏まえ,民事訴訟の判決にかかる不法行為の認定が公取委の審決に与える影響,談合における基本合意の認定手法,課徴金算定とカルテルの始期の認定との関係等についての議論が行われました。

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