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第50回ワークショップの概要

第50回ワークショップの概要

 第50回ワークショップが9月28日(金曜)に開催されました。報告等の概要は以下のとおりです(かっこ内は担当客員研究員及び研究員を表す。)。

 【テーマ】 「競争者排除型行為に係る不公正な取引方法についての考え方」の最終報告

 (CPRC主任客員研究員・京都大学大学院法学研究科教授 川濱 昇 氏)
 (CPRC主任研究官・名古屋大学大学院法学研究科准教授 林 秀弥 氏)
 (慶應義塾大学経済学部准教授 玉田 康成 氏)
 (大阪大学大学院国際公共政策研究科准教授 石田 潤一郎 氏)
 (CPRC研究員・経済取引局企画室 岩成 博夫 氏)

 平成17年度に始まった共同研究の一つである本研究は,不公正な取引方法のうち,競争者排除型行為に関する規制のあり方を検討することを主たる目的として研究を行っています。
 今回の最終報告では,何故,今,排除が問題なのかについて,伝統的な公正競争阻害性論の空白及び日本版能率競争論の欧米との乖離からの説明が行われ,また,不当な「排除」の定義と基準について,従来議論の整理がなされ,各種基準及び米欧における排除概念の考え方についての報告がなされ,その後,引き続き,忠誠リベートの経済学的解釈について,インテル事件等を例とした報告が行われました。
 この報告を受け,忠誠リベートの効果について,4つ(価格競争の手段,価格差別,排他条件付取引,抱き合わせ)に分けて論ずることの意味は何か。従来の自由競争減殺の立場からも不当性の議論はできるのではないか。手段の不当性の話とその市場支配力,自由競争減殺の話しについては,線が引かれていると思うが,本件における考え方は違うようにみえるがこの点どうか。帰結主義の観点からの基準は,総余剰基準だと思うが,競争制限的な規制を入れた際,規模の経済性が背景にあれば,生産者余剰と消費者余剰を足すと,消費者余剰の減少分は,生産者余剰の増加分により,トータルではプラスになる。余剰の厚生部分の間でのコンフリクトをどのように評価するかは,帰結主義の観点からも論点になっているが,この点はどうかといった議論が行われました。
 また,今回のこの報告書で,法律論のかなり基礎的な考え方に踏み込んで,経済学者がよく使う判断基準を位置づけていただく議論,特に,帰結的な判断の基準とプロセスに対しての配慮といったものをどのように考えるかについて有用な議論を入れていただいている。この点に関しては,これからも学ばなければならないといった意見が出されました。

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