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第53回ワークショップの概要

第53回ワークショップの概要

 第53回ワークショップが12月14日(金曜)に開催されました。報告等の概要は以下のとおりです(かっこ内は担当客員研究員及び研究員を表す。)。

 「垂直的取引契約,垂直的制限,垂直的統合の反競争的効果に関する分析」の中間報告

 (CPRC客員研究員・慶応義塾大学経済学部准教授 玉田 康成 氏)
 (大阪大学大学院国際公共政策研究科准教授 石田 潤一郎 氏)
 (東邦大学理学部専任講師 山方 竜二 氏)

 平成19年度の共同研究の一つである本研究は,垂直的取引契約,垂直的制限及び垂直的統合について,従来の議論を整理すると同時に,その組み合わせや複数の目的を持つ契約について,理論的に検討し,競争効果を分析することを目的とします。
 今回の報告では,(株)ソニー・コンピュータエンタテインメントに対する件を事例として,事件行為の概要,本件の特徴であるプラットフォーム競争の考え方,プラットフォームの役割を果たすゲーム機の特徴,ソフトウェア企業のインセンティブの説明がなされ,その後,小売店間の競争制限,リスクシェアリング,コーディネーション問題及び競争政策の観点からの論点が報告されました。
 報告を受け,ネットワーク外部性がプラットフォームによって内部化される,事前の選択における外部性及び事後の取引における外部性の意味について,プラットフォームの定義,抱き合わせとの違いについて,また,ネットワーク間競争において,シングルネットワークで独占されていたところに,新しいネットワークの参入ができるのか,参入したことによる社会的な厚生のメリットはあがるのか。その場合のメリットの測り方をどのように考えるのかについての議論が行われました。
 加えて,競争政策の観点からいうと,マルティサイドマーケットでは,市場画定の問題がある。この場合のマルチプライシングは,市場間の補完性を反映した機会費用を考慮して決定され,Aマーケットの部分における価格付けがBマーケットにおける収益に影響する,その点をすべて勘案するということは,理論的には簡単だけれども,分析や観察が極めて難しくなるのではないか,マルティサイドマーケット,つまり,複数の市場があった場合に,1つの市場で価格の変化があった場合には,その点も含めて競争への効果を分析する必要がでてくるのではないかといった意見が出されました。

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