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第66回ワークショップの概要

第66回ワークショップの概要

 第66回ワークショップが11月28日(金曜)に開催されました。報告等の概要は以下のとおりです。

(1)「入札談合のメカニズムに関する調査と分析」の共同研究中間報告

 (CPRC客員研究員・青山学院大学経済学部経済学科准教授 石橋 郁雄 氏)
 (日本大学人口研究所ポスト・ドクトラル・フェロー 石井 利江子 氏)
 (CPRC研究員・経済調査室 荒井 弘毅 氏)

 平成20年度の共同研究の一つである本研究は,実際に摘発された入札談合事件の資料・データなどから,現実の談合メカニズムの基本的特性を明らかにすることにより,理論研究と実証研究の更なる進展を促すことを目的とするものです。
 今回のワークショップでは,報告者から,研究の進捗状況として,談合の分類方法,データベース,分類データの解析等が報告されました。
 報告を受け,参加者から,課徴金減免制度の施行によって談合の性質が変化したかを調べることや談合の種類ごとにその頑強性(robustness)を調べることも興味深いのではないかとのコメントがありましたが,他の参加者から,本研究の対象となっている談合はすべて何らかの事情によって摘発されてしまったものであり,頑強性を評価するのは困難ではないかとの指摘がありました。また,本研究の対象は勧告審決を含むすべての審決であるところ,談合が実際には有していた性質が審決に記載されていないことも多いのではないかとの指摘がありました。これに対して,報告者から,情報量が極めて少ない審決については分析の対象から除くのも一つの手段であるかもしれないがそうするとサンプル数が減ってしまうかもしれないとの説明がなされました。

(2)「旅客鉄道の生産性と幹線旅客輸送におけるモード間競争」の共同研究中間報告

 (CPRC客員研究員・神戸大学大学院経済学研究科教授 柳川 隆 氏)
 (札幌学院大学経済学部准教授 播磨谷 浩三 氏)

 平成20年度の共同研究の一つである本研究は,(1)九州における交通のモード間の競争について,ビジネス旅客の交通機関選択行動を通じて検証すること,(2)並行在来線の業況を効率性の観点から検証すること,(3)オープンアクセス環境におけるインフラ投資のインセンティブについて理論的に考察することを目的とするものです。
 今回のワークショップでは,報告者から,九州のモード間競争の現状,交通機関選択行動の分析データの概要や,整備新幹線開業に伴いJRから分離された並行在来線の業況を効率性の観点から検証した結果等について説明が行われました。
 報告を受け,参加者から,交通のモード間に加え,モード内の競争状況について注目しても面白いのではないか,効率性の分析に使用された投入変数はすべて金額ベースであるが,利用旅客者数や鉄道会社の職員数,路線距離などを使った方がよいのではないか等のコメントが出されました。また,高速バスについては,共同の予約システムの構築にみられるように協調的行動が行われやすく,既存企業の協調的行動によって新規参入が排除されるといった問題は生じていないかという質問がなされました。これに対し,確かにモード内の競争は減ってきているが,共同の予約システムについては,JRに対抗するために共同して構築・運用しているとのことであったとの説明がありました。。

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