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第68回ワークショップの概要

第68回ワークショップの概要

 第68回ワークショップが12月19日(金曜)に開催されました。報告等の概要は以下のとおりです。

(1)「小売市場の寡占化と小売事業者の購買力に関する調査研究」の共同研究中間報告

 (東京農業大学国際食料情報学部准教授 小島 泰友 氏)
 (CPRCスチューデントフェロー・慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程 渕川 和彦 氏)
 (CPRC研究員・経済調査室 服部 純 氏)
 (CPRC研究員・経済調査室 中條 玲子 氏)

 平成20年度の共同研究の一つである本研究では,買手独占力,ウォーターベッド効果,ゲートキーパーに関する経済学的な議論を分析し,業態別の卸売価格に関するアンケート調査等を通じてウォーターベッド効果の実態と傾向を把握すること,また,大規模小売業に対する規制の海外の状況について法学的に分析すること等を通じて,現在の我が国における大規模小売業による優越的地位の濫用に対する規制の在り方について考察することを目的とするものです。
 今回のワークショップでは,報告者から,研究の進捗状況等について説明が行われました。
 報告を受け,参加者から,アンケート調査では品目ごとの卸売価格だけでなく,取扱数量についての質問項目も設けるべきではないかとのコメントがありました。また,大手小売業者は,買手パワーを有しているとしても,特にナショナルブランドについて消費者に対する売手パワーがあるとみなすには,市場を相当狭く定義する必要があるのではないかとの指摘がありました。さらに,ウォーターベッド効果等の第三者効果が生じているかどうか等について調べる際,売手にしても買手にしても,取引先をスイッチできるかという点を最も考慮すべきであるとのコメントが出されました

(2)「双方向市場の経済分析」の共同研究中間報告

 (CPRC研究員・経済調査室 砂田 充 氏)

 平成20年度の共同研究の一つである本研究は,実証分析による雑誌市場のケーススタディを通じて,近年注目を集めている双方向市場とプラットフォームビジネスにおける競争政策の在り方に対して1つの示唆を与えることを目的とするものです。
 今回のワークショップでは,報告者から,研究の進捗状況等について説明が行われました。
 報告を受け,参加者から,雑誌の広告主の目的は商品を売ることであるが,この点もモデルで考慮されているのかとの質問が出されました。また,広告主がある雑誌に広告を出すに当たり,当該雑誌の知名度,ブランド力,格付けなどを考慮すると思われるが,分析に用いている広告の需要関数において,それらを表す変数はどれかとの質問に対し,報告者から,大まかには発行部数に表れると考えられるとの回答がありました。さらに,雑誌需要関数における価格の符号は有意にマイナスとなっているものの,需要と価格の関係それ自体よりも雑誌の生産における規模の経済性によるものである可能性があるのではないかとのコメントが出されました。

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