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第70回ワークショップの概要

第70回ワークショップの概要

 第70回ワークショップが4月10日(金曜)に開催されました。報告等の概要は以下のとおりです。

 「並行的排除行為規制の妥当性とその手法に関する研究‐排除行為に関する経済学的考察」の最終報告

 (CPRC客員研究員・東北大学大学院法学研究科准教授 滝澤 紗矢子 氏)
 (CPRC研究員・経済調査室長 荒井 弘毅 氏)
 (CPRC研究員・経済調査室 松八重 泰輔 氏)

 平成20年度の共同研究の一つである本研究は,複数の事業者が各自の独立した意思決定に基づいて並行的に排除行為を行うことにより,関連する市場で競争機会が十分確保されていないと評価できる場合に,独占禁止法に基づくいかなる規制を行うべきかを検討することを目的とするものです。
 今回のワークショップでは,報告者から,最終報告書案について説明が行われました。
 報告を受け,参加者から,報告書案では,エンフォースメントの内容を考えるに際しては,適正な対価で契約締結を促進できるように,その過程をうまく仕組む必要があるとしているが,具体的にはどのような仕組みが考えられるのかとの質問がありました。これに対し,報告者から,一つの方法として入札によって対価を設定することなどが考えられるとの説明がありました。また,経済学的考察の中で排除の対象として検討されている新規参入業者は既存業者と同等に効率的な企業であることが前提とされているのかとの質問があり,報告者から,基本的には,既存事業者とコスト構造が対称的な新規参入業者を想定しているとの説明がありました。さらに,排除に伴う費用とは具体的にどのようなものを指すのかという質問があり,報告者から,排他的契約を結ぶために川上事業者が川下事業者に対して支払う費用(リベート等)を想定しているとの回答がありました。最後に,経済学的考察の中では上流市場における新規参入のケースを分析しているが,下流市場(小売)における参入のケースにも報告書案の結論は適用できるのかとの質問があり,報告者から,小売における参入についても同様の結論が得られるであろうとの回答がありました。

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