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第75回ワークショップの概要

第75回ワークショップの概要

 第75回ワークショップが5月22日(金曜)に開催されました。報告等の概要は以下のとおりです。

(1)「独占禁止法による抱き合わせの規制に関する比較法的研究」の研究計画

 (CPRC客員研究員・大阪大学大学院高等司法研究科准教授 武田 邦宣 氏)
 (官房国際課 五十嵐 俊之 氏)
 (経済取引局総務課企画室 神田 哲也 氏)
 (CPRC研究員・経済取引局総務課企画室 伊永 大輔 氏)
 (経済取引局総務課企画室 志賀 明 氏)
 (審査局管理企画課企画室 藤谷 義秀 氏)
 (審査局管理企画課審査企画官付 馬渕 弘亘 氏)

 平成21年度の共同研究の一つである本研究は,抱き合わせの規制に関する先行研究の調査やヒアリング等を通じて,抱き合わせの規制対象になるもとそうでないものを峻別するための判断基準を明らかにすることを目的とするものです。
 今回のワークショップでは,報告者から,研究計画について報告が行われました。
 報告を受け,参加者から,抱き合わせの規制に関する重要な論点については,現在の判例には反映されておらず,経済学者から提起されたものであるため,共同研究のメンバーに経済学者を含めることにより,経済学的な見解の整理を行うことも重要ではないかとのコメントがなされました。また,参加者から,抱き合わせの規制については,重要な論点が多く存在するものの,焦点を絞ってヒアリング等を実施していくことにより,質の高い研究成果が得られるのではないかとのコメントがなされました。

(2)「PET市場における合併の影響」の研究計画

 (CPRC客員研究員・大阪大学大学院高等司法研究科准教授 武田 邦宣 氏)
 (CPRC研究員・経済調査室 岡村 薫 氏)

 平成21年度の共同研究の一つである本研究は,主としてポリプロピレン市場やポリスチレン市場を取り上げ,公正取引委員会の合併審査で検討された事項について,事後的な推移を検証し,構造的見地からの判断基準の妥当性を検証することを目的とするものです。
 今回のワークショップでは,報告者から,研究計画について報告が行われました。。
 報告を受け,参加者から,通常の寡占競争モデルでは企業数が減少すると価格は上昇するので,この効果と企業数が減ったことによる協調効果を区別するのは困難な課題であるとのコメントがなされました。また,参加者から,分析対象の産業において,合併は,企業にとって設備を統廃合するという利点があるため,設備投資の問題に着目することは重要であるとのコメントがなされました。

(3)「企業の提携・部分的結合に関する研究」の研究計画

 (CPRC客員研究員・(豪)ニューサウスウェールズ大学准教授 森田 穂高 氏)
 (CPRC主任研究官・名古屋大学大学院法学研究科准教授 林 秀弥 氏)ほか

 平成21年度の共同研究の一つである本研究は,知識・技術の移転を理論化することにより,企業間の部分的結合のレベルを内生化する経済理論を構築するとともに,部分的結合に関する法学的な議論を整理・検討することにより,新たな理論的分析の方向性を見出すことを目的とするものです。
 今回のワークショップでは,報告者から,研究計画について報告が行われました。。
 報告を受け,参加者から,特許庁の「知的財産活動調査」においては,知的財産権の国際的な実施許諾も調査対象となっているところ,本研究では,国際的な知識・技術の移転も調査対象とするのかとの質問がなされ,報告者から,主に一国における知識・技術の移転を想定しているとの説明がなされました。また,参加者から,移転される知識・技術の範囲を明確化しておくことは,アンケート調査を行う場合に重要になってくるのではないかとのコメントがなされました。

(4)「排他的取引契約における反競争効果と競争促進効果の考察」の研究計画

 (CPRC客員研究員・東京大学大学院経済学研究科准教授 柳川 範之 氏)
 (CPRC客員研究員・東北大学大学院法学研究科准教授 滝澤 紗矢子 氏)
 (東京大学大学院経済学研究科 大木 良子 氏)
 (CPRC研究員・経済調査室 松八重 泰輔 氏)

 平成21年度の共同研究の一つである本研究は,主に経済学的なアプローチによって,排他的取引契約が競争や厚生に与える影響を明らかにすることを目的とするものです。
 今回のワークショップでは,報告者から,研究計画について報告が行われました。
 報告を受け,参加者から,本研究における競争促進効果の定義について質問がなされ,報告者から,排他的取引契約によって投資が促進され,経済の効率性が上昇する効果であるとの説明がなされました。また,参加者から,本研究におけるアプローチは置かれる仮定次第で様々な結論を導くと予想されるので,特殊なケースを深く掘り下げるよりも,置かれる仮定と導かれる結論を整理する方が,競争政策への応用可能性が高まるのではないかとのコメントがなされました。さらに,本研究や先行研究における「同等に効率的な競争事業者」の取扱いについて議論がなされました。

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