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第80回ワークショップの概要

第80回ワークショップの概要

 第80回ワークショップが10月23日(金曜)に開催されました。報告等の概要は以下のとおりです。

 「改良技術に関する経済理論分析」の共同研究中間報告

 (CPRC客員研究員・政策研究大学院大学准教授 畠中薫里氏)
 (CPRC研究員・経済調査室 西村元宏氏)
 (CPRC研究員・経済調査室 水野倫理氏)

 平成21年度の共同研究の一つである本研究は,グランドバック条項が投資行動の誘因にどのような影響を与えるのかに関して,現実の事例を考慮しな
がら,経済学的分析を行うことを目的とするものです。
 今回のワークショップにおいては,報告者から,本研究の問題意識を実務的な観点から説明された後,経済学の理論的なモデルに基づいた分析結果の報告が行われました。また,今後の分析の方向性について,現行モデルの拡張可能性についても説明がなされました。
 報告を受け,参加者から,ライセンス価格を調整することにより,市場を独占することが可能なのではないかという質問があり,報告者から,実務上の観点から現行のモデルではライセンス価格は外生的に与えられている状況を想定しているという説明がなされました。また,参加者から,グラントバック条項があるかどうかで,均衡における投資量が変化すると考えられるが,この変化は社会的に最適な状況に近づくのかという質問がなされました。これについて,報告者から,現行モデルでは常に過少投資の状況が均衡となるので,グラントバック条項により投資が減少するというのは、社会的余剰が減少することを意味するという説明がなされました。さらに,参加者から,ライセンサーも改良技術を開発できる状況や,売上に基づいたロイヤリティや二部料金制など考慮してはどうかというコメントや,グラントバックによる買取り価格が事後的に行われる場合のゲームの設定をもう少し検討してはどうかというコメントがなされました。上記のコメントを受けて,報告者から,これらの内容をできるだけ反映させるように修正していきたいという説明がなされました。

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