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第81回ワークショップの概要

第81回ワークショップの概要

 第81回ワークショップが10月30日(金曜)に開催されました。報告等の概要は以下のとおりです。

 「排他的取引契約における反競争効果と競争促進効果の考察」の共同研究中間報告

 (CPRC客員研究員・東京大学大学院経済学研究科准教授 柳川範之氏(都合のため欠席))
 (CPRCスチューデントフェロー・東京大学大学院経済学研究科 大木良子氏(都合のため欠席))
 (CPRC客員研究員・東北大学大学院法学研究科准教授 滝澤沙矢子氏(都合のため欠席))
 (CPRC研究員・経済調査室 松八重泰輔氏)

 平成21年度の共同研究の一つである本研究は,排他的取引契約が結ばれやすい状況とその影響に関する経済学的分析を行うことを目的とするものです。
 今回のワークショップにおいては,報告者から,経済学の理論的なモデルに基づいた分析結果の報告が行われました。本研究の主要な特徴は,流通業者が生産者に対して排他的取引契約を提示できる点です。また,今後の分析の方向性について,現行モデルの拡張可能性についても説明がなされました。
 報告を受け,参加者から,先行研究と本研究の違いは排他的取引契約を提示できる経済主体が異なることであるが,このことが異なる結論を導く理由を知りたいという質問がなされ,報告者から,排除が行われた場合に得られる利得に違いがあることが,異なる結果を導く源泉であるという説明がなされました。また,本稿とは異なる状況において,排他的取引契約が問題となった事例があるが,そのような事例に関して本研究はどのような評価を与えるのかという質問があり,報告者から,本稿で想定しているような研究はあまり行われていないので,直接そのような事例に評価を与えることはできないが,事例に則した仮定を用いることで,何らかの主張は可能であると考えているという説明がなされました。参加者から,排他的取引契約から逸脱した場合の報復によって契約を維持するような状況を考えてはどうかというコメントや,多段階な流通を考えた場合,最終消費者に近い流通段階で排他的取引契約が行われた場合の方が排他的取引は行われやすいかということを分析してはどうかというコメントがなされました。上記のコメントを受けて,報告者から,これらの内容を反映できるような修正が可能かを検討していきたいという説明がなされました。

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