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第83回ワークショップの概要

第83回ワークショップの概要

 第83回ワークショップが11月20日(金曜)に開催されました。報告等の概要は以下のとおりです。

 「再販価格維持行為の法と経済学」の共同研究中間報告

 (CPRC客員研究員・京都大学大学院法学研究科教授 川濱昇氏)
 (CPRC客員研究員・神戸大学大学院経済学研究科教授 柳川隆氏)
 (東北大学大学院法学研究科教授 諏訪園貞明氏)
 (CPRC客員研究員・名古屋大学大学院法学研究科准教授 林秀弥氏)
 (CPRC研究員・審査局管理企画課企画室 瀬戸英三郎氏)

 平成21年度の共同研究の一つである本研究は,先行研究の整理やインタビューなどを用いて,再販売価格維持行為をどのように扱っていくかを考察していくことを目的とするものです。
 今回のワークショップにおいては,報告者から,これまでの研究において議論されてきたことの概要が説明され,今後の分析の方向性についても説明がなされました。
 報告を受け,参加者から,再販売価格維持行為と排除行為の関係を考えた場合,経済学の既存研究では詳細な契約が書けると排除行為が行われやすいことが示されているので,再販売価格維持行為を認めると排除行為が促進されることが推察されるというコメントがなされました。また,近年の経済学の研究では,製造業者に比べて小売業者が多くの情報を持っているような情報の非対称性が存在する場合,再販売価格維持行為によって小売業者の情報上の優位性が調整されることが示されているので,このような点を考慮してはどうかというコメントがなされました。さらに,参加者から,経済理論的に再販売価格維持行為と返品制は同じような性質を持っていると考えられるが,現実にはどのような違いがあるのかという質問がなされ,報告者から,返品制は取引を行っている経済主体間のリスク配分を調整する機能があると思われる点が異なるとの説明がなされました。最後に,報告者から,本研究では事例特有の事情が背後にありそうなので,インタビュー調査などを進めていくことで,より詳細に分析していきたいということと,上記のコメントを受けて,これらの内容をできるだけ反映させるように修正していきたいという説明がなされました。

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