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第86回ワークショップの概要

第86回ワークショップの概要

 第86回ワークショップが2月12日(金曜)に開催されました。報告等の概要は以下のとおりです。

 「知的財産権のネットワーク分析を通じた法と経済分析」の共同研究中間報告

 (CPRC主任研究官・名古屋大学大学院法学研究科准教授 林秀弥氏)
 (神戸市外国語大学教授 田中悟氏)
 (CPRC研究員・経済調査室 西村元宏氏)

 平成21年度の共同研究の一つである本研究は,企業結合事案などにおける知的財産権の集積が将来の市場競争に与える影響を明らかにするための分析方法を確立することを目的とするものです。
 今回のワークショップにおいては,報告者から,問題意識と本研究における事例として自動販売機製造業の紹介が行われた後で,ネットワーク分析をどのように用いるのかについての説明がなされました。ネットワーク分析の説明では,主に特許の引用関係に着目することで,重要特許を抽出する方法に焦点が当てられました。
 報告を受け,参加者から,本研究では特許の引用関係いう側面に着目し,特許の重要性を議論しており,特許が引用されることが学術的に重要であることは理解できるが,引用されるということと商業的に価値があるということに差異があるのではないかという質問がなされ,報告者から,商業的価値と引用に関連があるかは,実務の中で議論されてきたことであるが,商業的重要性を数値的に把握することは困難であるため,本研究では,基準が明確な引用という点に着目したという説明がなされました。また,参加者から,本研究で注目している市場などは,垂直統合の程度が重要であると考えられるので,部品の供給者と需要者の取引関係などを詳細に調査してはどうかというコメントや,ネットワーク分析という手法が有用である市場の条件はどのようなものであるかを明らかにすると,競争政策を考える上で役立つのではないかというコメントがなされました。報告者から,これらのコメントを考慮して分析を続けたいという説明がなされました。

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