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第88回ワークショップの概要

第88回ワークショップの概要

 第88回ワークショップが3月19日(金曜)に開催されました。報告等の概要は以下のとおりです。

 「双方向市場の経済分析2」の共同研究最終報告

 (CPRC主任研究官・東京大学大学院経済学研究科准教授 大橋弘氏)
 (CPRC研究員・経済調査室 砂田充氏)

 平成21年度の共同研究の一つである本研究は,近年注目を集めているインターネット検索エンジンに代表される視聴者獲得型プラットフォームに注目をし,実証分析に必要なデータが現在のところ比較的利用可能な雑誌市場を分析することで,雑誌市場の双方向の検証及び再販規制適用除外となっている雑誌市場の競争状況の評価を目的とするものです。
 今回のワークショップにおいては,報告者から,間接的ネットワーク効果を明示的に取り入れた読者需要関数及び広告需要関数を推定した結果が示され,読者数(発行部数)が多いほど,広告主にとって魅力的であることと,掲載広告量は読者の行動に大きな影響を与えていないという結果が報告されました。また,雑誌市場の特徴を考慮しながら,再販が一般的になっている日本の雑誌市場が「競争的」か「協調的」かについて実証的に検証したところ,日本の雑誌市場は読者サイド及び広告サイドの双方で「競争的」であったと報告されました。
 報告を受け,参加者から,分析の結果,雑誌市場は競争的であるという結果が出たことから,雑誌市場における再販の悪影響をそれほど心配しなくてもよいといえるか否か質問があったが,報告者からは今回の分析では,共謀について動学的意思決定を考慮した理論構造を直接分析したわけではないので,指摘のとおりの説明が可能か否かについては今後さらなる分析が必要との回答がありました。また,再販制度が存在している中,雑誌市場が競争的である理由には何が考えられるかという質問があり,雑誌市場が双方向性をもっていることが理由として考えられるだろうという回答がありました。

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