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第95回ワークショップの概要

第95回ワークショップの概要

 第95回ワークショップが10月15日(金曜)に開催されました。報告等の概要は以下のとおりです。

 「カルテル-経済分析の活用等-」の中間報告

 (CPRC所長・成城大学社会イノベーション学部教授 小田切宏之氏)
 (CPRC客員研究員・大阪大学大学院国際公共政策研究科准教授 石橋郁雄氏)(都合により欠席)
 (CPRC研究員・経済調査室 荒井弘毅氏)
 (CPRC研究員・経済調査室 工藤恭嗣氏)

 平成22年度の共同研究の一つである本研究は,過去の多くのカルテルの事例を計量的又は事例的に研究することにより,現実には,どのような条件の下でカルテルが起きるのかを分析し,当該分析結果をカルテルの予測に用いることができるか検討することを目的とするものです。
 今回の中間報告では,報告者からカルテルに関する論文サーベイ,日本におけるカルテル並びに談合に関して,日本標準産業分類の小分類に従った分類分けの結果及びカルテル及び談合が顕著であった産業とともに,OFTのレポートとの比較結果が報告されました。また,カルテル等の立証に関する経済分析の活用について米国及びEUではどのように取組がなされているのか報告されました。
 報告を受け,参加者から,産業分類を用いた分析結果をカルテルの立証に用いることが可能か否かについても研究を進めるのかとの質問があり,報告者から,そこまでは考えておらず,産業分類に関する分析は,事件が起こる前の段階でカルテルが起きていそうな産業を検知することに関するもので,立証に関する調査については,また別である。事件が起きた後,経済分析をどのように活用できるのか考察することは,別な形でまとめているもう一つの本研究の目的であるとの回答がなされました。次に,小分類に従った分類では産業分類が細かくなり,この場合,分類方法によって結果が異なってくることが予想されるが,どのように分類を行っているのかとの質問があり,報告者からは,産業については,審決書で一定の取引分野として定義されているものを用い,標準産業分類の小分類に従い分類を行ったこと,回帰分析において説明変数を選ぶ場合,産業分類に従ったものが利用可能であることから,報告にあった分類を用いているとの回答がなされました。さらに,日本とEU及び米国との比較を行っているが,EUは欧州諸国にまたがった事件を扱い,米国では連邦政府が取り組んだ事件を扱っていることから,個別の国又は州における事件を反映しておらず,日本の場合と異なるため,報告にあるような差異がみられたのではないかとの指摘があり,報告者からは,コメントを踏まえ今後の研究を進めて行くとの回答がなされました。

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