公正取引委員会競争政策研究センター(CPRC)は,平成21年2月6日,「米国金融危機の来し方と行く末」をテーマに,池尾 和人氏(慶應義塾大学経済学部教授)を講師として,岩倉 正和氏(西村あさひ法律事務所所属弁護士)をコメンテーターとしてお迎えし,第14回公開セミナーを開催いたしました。
参加応募者多数のため,締め切らせていただきました(1月22日)。多数のご応募ありがとうございました。
日時 | 平成21年2月6日(金曜)14時00分-16時00分 |
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会場 | 東京都千代田区霞が関1-1-1 中央合同庁舎第6号館B棟 公正取引委員会大会議室(11階) |
(1) テーマ:米国金融危機の来し方と行く末
【概要】
日本がかつて経験したのは,伝統的な銀行中心の間接金融体制の下でのバブルの崩壊でした。これに対して今回の米国の場合には,きわめて高度かつ複雑に発展していた重層的な市場型金融の仕組みの下で住宅バブルの崩壊が起きました。こうした市場型金融の仕組みが成立するためには,情報インフラが信頼できるものとして機能していなければなりせん。しかし,その情報インフラの役割を果たしていた格付会社が信認を失うことになったために,サブプライムローンというローカルな市場の問題が全般的な信用危機にまで拡大することになりました。その過程で,様々なエイジェンシー問題がコントロールできていないことが判明し,さらに危機が深化することになりました。
高度かつ複雑な市場機構が壊れてしまったときに,その機能をいかにすれば回復できるかは,未踏の領域の課題であり,その答えは米国当局を含め誰ももっていません。そのために,対症療法的な経済政策がとられていますが,それが功を奏して市場機能が自生的に回復してくるかどうかは予断を許しません。
今回の危機は,「市場の暴走」であるとともに,「政府の失敗」の結果でもあると考えられます。米国政府は,市場を適正に機能させるための競争政策や制度インフラの整備を内容とする「市場の保全」の役割を十全に果たしていませんでした。したがって,今後,市場と政府の役割分担の見直しが行われざるを得なくなるでしょうが,その答えは単純な規制強化ではあり得ません。
(2) 講師 : 池尾 和人 (慶應義塾大学経済学部教授)
コメンテーター:岩倉 正和 (西村あさひ法律事務所所属弁護士)
(3) 司会 :小田切 宏之 (競争政策研究センター所長・一橋大学大学院経済学研究科教授)
時間 | 内容 | 講演者等 |
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14時00分-14時05分 | オープニング | 小田切所長 |
14時05分-15時05分 | 講演 「米国金融危機の来し方と行く末」 |
池尾氏 |
15時05分-15時25分 | コメント | 岩倉氏 |
15時25分-15時45分 | リプライ・ディスカッション | 池尾氏,岩倉氏 |
15時45分-16時00分 | 質疑応答 |
競争政策研究センター事務局
[公正取引委員会事務総局経済取引局総務課経済調査室]
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