1 相談者
接着剤製造業者の団体(平成10年度)
2 相談の要旨
(1) 接着剤は,木工から自動車・航空機まで幅広く利用されているが,利用が最も多いのは,合板等の木工である。接着剤の種類は多く,会員による月間の総生産量は約4万トン強である。
(2) 今後,団体として,需要業界の動向を勘案して,接着剤の需要見通しを作成し会報に掲載することを計画しているが,独占禁止法上問題ないか。
3 独占禁止法上の考え方
(1) 事業者団体が,当該産業の全般的な需要の動向について,一般的な情報を収集・提供し,又は客観的な事象に基づく概括的な将来見通しを作成し,公表することは,構成事業者に各自の将来の供給数量に係る具体的な目安を与えるようなことのないものに限り,独占禁止法上問題とならない。[団体ガイドライン9-7(概括的な需要見通しの作成・公表)
(2) 相談の需要見通しの公表については,需要業界の動向を踏まえて,概括的な将来の需要見通しを作成して提供する場合には,独占禁止法上問題ない。
しかしながら,個別具体的で詳細な将来の需要見通しを示すことにより,会員に各自の将来の供給数量に係る具体的な目安を与える場合には,独占禁止法上問題となるおそれがある。
4 回答の要旨
団体が,接着剤の需要見通しについて,概括的な将来の需要見通しを作成して提供することは,独占禁止法上問題ない。