令和2年6月19日
公正取引委員会事務総局九州事務所
消費者庁
消費者庁は,一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある不当な表示及び過大な景品類の提供に対して,不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号。以下「景品表示法」という。)の規定に基づいて厳正・迅速に対処するとともに,同法の普及・啓発に関する活動を行うなど,表示等の適正化に努めている。
公正取引委員会は,消費者庁長官から景品表示法違反事件に係る調査権限を委任され,必要な調査を行うとともに,相談への対応,講師派遣等を通じた同法の普及・啓発に取り組んでいる。
令和元年度における九州地区(福岡県,佐賀県,長崎県,熊本県,大分県,宮崎県及び鹿児島県の7県)の景品表示法の運用状況等は次のとおりである。
第1 景品表示法違反事件の処理状況
1 概況
景品表示法違反事件については,公正取引委員会事務総局九州事務所(以下「九州事務所」という。)及び消費者庁が行った調査の結果を踏まえ,消費者庁が,違反行為者に対して措置命令・課徴金納付命令を行うほか,違反のおそれのある行為等がみられた場合には関係事業者に対して指導を行うなどしている。
令和元年度における景品表示法の事件処理件数は,措置命令が2件,課徴金納付命令が3件(計3725万円),指導が10件の計15件であった(令和元年度の主要な処理事件は別紙参照)。
事件
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措置命令
|
課徴金納付命令
|
指導
|
合計
|
||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
30年度
|
元年度
|
30年度
|
元年度
|
30年度
|
元年度
|
30年度
|
元年度
|
|
表示事件
|
3
|
2
|
0
|
3
|
7
|
7 |
10
|
12
|
景品事件
|
0
|
0
|
-
|
-
|
1
|
3
|
1
|
3
|
合計
|
3
|
2
|
0
|
3
|
8
|
10
|
11
|
15
|
2 表示事件
令和元年度に処理した表示事件は12件で,事件処理件数全体の大部分(80%)を占めた。
その内訳を延べ数でみると,優良誤認(景品表示法第5条第1号)が8件,有利誤認(景品表示法第5条第2号)が5件であった。
令和元年度において,九州事務所及び消費者庁が行った調査の結果を踏まえ,①食品の体重の増量効果に係る不当表示及び②食品の白髪が黒髪になる効果に係る不当表示について,消費者庁において措置命令を行った。また,①健康食品の痩身効果に係る不当表示,②食品の白髪が艶のある黒髪となる効果に係る不当表示及び③食品の体重の増量効果に係る不当表示について,消費者庁において課徴金納付命令(計3725万円)を行った。
事件
|
措置命令
|
課徴金納付命令
|
指導
|
合計
|
||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
30年度
|
元年度
|
30年度
|
元年度
|
30年度
|
元年度
|
30年度
|
元年度
|
|
優良誤認 (第5条第1号) |
2
|
2
|
0
|
3
|
3
|
3 |
5
|
8
|
有利誤認 (第5条第2号) |
1
|
0
|
0
|
0
|
3
|
5
|
4
|
5
|
第5条第3号に基づく告示 (第5条第3号) |
0
|
0
|
-
|
-
|
1
|
0
|
1
|
0
|
合計(延べ数)
|
3
|
2
|
0
|
3
|
7
|
8
|
10 |
13
|
(注) 関連法条が2つにわたる事件があるため,本表の合計は表1の合計と一致しない。
3 景品事件
令和元年度に処理した景品事件は3件(事件処理件数全体の20%)であった。
事件
|
措置命令
|
指導
|
合計
|
|||
---|---|---|---|---|---|---|
30年度
|
元年度
|
30年度
|
元年度
|
30年度
|
元年度
|
|
懸賞景品告示
|
0
|
0
|
1
|
1
|
1
|
1
|
総付景品告示
|
0
|
0
|
0
|
2
|
0
|
2
|
合計
|
0
|
0
|
1
|
3
|
1
|
3
|
4 事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置(注)
令和元年度に行った指導は9件であった。
(注) 平成26年12月に施行された景品表示法の改正法の規定により,事業者は,景品類の提供及び表示に関する事項を適正に管理するために必要な体制の整備その他の必要な措置を講じなければならないこととされた。消費者庁は,①事業者が講ずべき措置に関して,その適切かつ有効な実施を図るため必要があると認めるときは,必要な指導及び助言をするとともに,②事業者が講ずべき措置を講じていないと認めるときは,必要な措置を講ずべき旨の勧告をし,その勧告に従わないときは,その旨を公表することができる。
第2 景品表示法の普及・啓発活動等
1 景品表示法に関する相談
令和元年度に受け付けた相談件数は256件であった。具体的な相談内容としては,①景品類の提供限度額に関する相談,②食品の表示に関する相談,③商品を販売する際の二重価格表示に関する相談,④商品の効果・性能の表示に関する相談等が挙げられる。
2 景品表示法に関する講師派遣等
大分市(令和2年2月)において,事業者等を対象に,景品表示法の概要及び最近の違反事例等の紹介などを内容とする説明会を開催するとともに,一般消費者を対象に,景品表示法を身近に感じてもらうため,不当表示の違反事例の紹介などを内容とするセミナーを開催した。
また,福岡市で開催された事業者団体等が主催する研修会等に計4回講師を派遣したほか,北九州市に所在する消費者団体等からの依頼に応じ,開催されたセミナーに計2回講師を派遣した。
事業者団体等が開催する研修会の様子
3 関係行政機関との連携
不適切な食品表示に関する監視強化等の観点から,熊本市において開催された「九州地域食品表示監視連絡会」(令和元年9月)に参加した。
また,宮崎市において開催された「消費者行政ブロック会議(九州・沖縄ブロック)」(令和元年11月)及び福岡市において開催された「景品表示法ブロック会議(九州・沖縄ブロック)」(令和元年6月及び11月)に参加し,景品表示法違反事件への厳正な対応等について情報共有を図るなど,九州地区の関係行政機関とも協力して景品表示法の適正な執行に努めた。
関連ファイル
(印刷用)(令和2年6月19日)令和元年度における九州地区の景品表示法の運用状況等(PDF:572KB)
問い合わせ先
問い合わせ先 公正取引委員会事務総局九州事務所取引課
電話 092-431-6031(直通)
ホームページ https://www.jftc.go.jp/regional_office/kyusyu/