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(令和2年6月25日)令和元年度における中部地区の独占禁止法の運用状況等について

令和2年6月25日
公正取引委員会事務総局
中部事務所

第1 広報・広聴活動

 公正取引委員会は,独占禁止法等の普及・啓発及び競争政策の運営に資するため,次のような広報・広聴活動を行っている。

1 独占禁止政策協力委員制度

 競争政策への理解の促進と地域の経済社会の実情に即した政策運営に資するため,独占禁止政策協力委員制度を設置しており,公正取引委員会が行う広報活動等に御協力いただくとともに,独占禁止法等の運用や競争政策の運営等について意見聴取を行っている。
 令和元年度においては,(1)変化する社会経済環境における公正取引委員会に対する期待,(2)公正取引委員会の施策の効果,(3)地域経済の実情と競争政策上の課題,(4)優越的地位の濫用規制・下請法の規制,(5)実態調査,(6)消費税転嫁対策などについての意見聴取をそれぞれ行った。

2 有識者との懇談会

 各地の有識者と公正取引委員会の委員等との懇談会及び講演会を通して,競争政策についてより一層の理解を求めるとともに,幅広く意見及び要望を把握し,今後の競争政策の有効かつ適切な推進を図るため,毎年,全国各地において有識者との懇談会を開催している。
 中部地区では,令和元年度は富山市において,富山商工会議所,富山県中小企業団体中央会等の経済団体,消費者団体,報道機関,学識経験者等の有識者と公正取引委員会委員との懇談会を実施し,同時に「新時代の競争政策と公正取引委員会の使命」をテーマに講演会を開催した。
 このほか,中部事務所長等と各地の有識者との懇談会を開催しており,令和元年度は名古屋市(4か所),金沢市,岐阜県大垣市,静岡県榛原郡吉田町,静岡市(2か所)及び三重県松阪市の計10か所において開催した。

3 独占禁止法説明会等

 公正取引委員会は,独占禁止法等の違反行為の未然防止を図るため,説明会・講習会等を自ら主催しているほか,各種業界団体等から要請を受けて講習会等へ講師を派遣している。
 中部地区では,令和元年度は独占禁止法に関する説明会等を8回実施した。また,入札談合等関与行為防止法に関する研修会等を52回実施した。

4 独占禁止法教室(出前授業)

 将来を担う中学生,高校生,大学生等を対象に,市場経済の仕組みや競争の機能について説明するなどし,競争の必要性・重要性,独占禁止法の役割等について理解してもらうことを目的として,公正取引委員会の職員による「独占禁止法教室」を開催している。
 中部地区では,令和元年度は中学生向け独占禁止法教室を6回,高校生向け独占禁止法教室を21回,大学生向け独占禁止法教室を27回それぞれ開催した。

5 消費者セミナー

 一般消費者に独占禁止法の内容や公正取引委員会の活動について,より一層理解を深めてもらうことを目的として,地域の一般消費者を対象としたセミナーを開催しているほか,公正取引委員会の職員を消費者団体等の勉強会等に派遣している。
 中部地区では,令和元年度は名古屋市(3か所),愛知県岡崎市,同県日進市(2か所),同県一宮市,同県豊田市,金沢市,石川県鳳珠郡穴水町,同県河北郡津幡町,岐阜県大垣市(2か所),同県山県市,静岡市,静岡県沼津市,浜松市,富山市,津市,三重県鈴鹿市及び同県三重郡菰野町の計21か所において,消費者セミナーを開催した。
 また,名古屋市が主催する消費者向けイベント「名古屋市消費生活フェア」にブース出展し,独占禁止法に関するパネル展示やクイズを実施した。

6 一日公正取引委員会

 本局及び地方事務所等の所在地以外の都市において,独占禁止法及び下請法の普及啓発活動や相談対応の一層の充実を図るため,独占禁止法講演会,下請法基礎講習会,消費税転嫁対策特別措置法説明会,入札談合等関与行為防止法研修会,消費者セミナー,独占禁止法教室,報道機関との懇談会,相談・展示コーナーなどを1か所の会場で開催する「一日公正取引委員会」を開催している。
 中部地区では,令和元年度は岐阜県大垣市において,6月11日に一日公正取引委員会を開催した。

7 相談業務

(1) 相談受付件数
 公正取引委員会は,法運用に対する理解を深め,違反行為の未然防止を図るため,相談を受け付けている。
 最近5年間における中部地区の相談受付件数は次のとおりである。

相談受付件数(単位:件)
  平成27年度 平成28年度 平成29年度 平成30年度 令和元年度
独占禁止法 371 428 436 422 456
下請法 954 1,132 963 966 904
合計 1,325 1,560 1,399 1,388 1,360

第2 企業結合関係届出及び協同組合届出の状況

1 企業結合関係届出 

 独占禁止法では第4章において,事業支配力が過度に集中することとなる会社の設立等の禁止(第9条)及び銀行業又は保険業を営む会社の議決権取得・保有の制限(第11条)について規定しているほか,一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合及び不公正な取引方法による場合の会社等の株式取得・所有,役員兼任,合併,分割,共同株式移転及び事業譲受け等の禁止並びに一定の条件を満たす企業結合についての届出義務(第10条及び第13条から第16条まで)を規定している。
 公正取引委員会は,これら株式取得・所有,合併等に係る独占禁止法上の問題の有無について審査を行っている。
 最近5年間における中部地区の企業結合関係届出の状況は,次のとおりである。

企業結合関係届出受理件数(単位:件)
  平成27年度 平成28年度 平成29年度 平成30年度 令和元年度
株式取得届出受理 4 4 6 9 4
合併届出受理 0 0 0 0 3
分割届出受理 0 1 0 2 1
共同株式移転届出受理 0 0 0 1 0
事業譲受け等届出受理 2 1 0 0 2
合       計 6 6 6 12 10

2 協同組合届出

 中小企業等協同組合法は,同法に基づき設立された事業協同組合及び信用協同組合に対し,同法第7条第1項第1号に規定する小規模事業者以外の事業者が加入したとき又は組合員が同小規模事業者でなくなったときには,その旨を公正取引委員会に届け出ることを義務付けている(同法第7条第3項)。
 最近5年間における中部地区の協同組合届出件数は,次のとおりである。

中小企業等協同組合法第7条第3項に基づく届出件数(単位:件)
平成27年度 平成28年度 平成29年度 平成30年度 令和元年度
19 35 29 41 46

第3 独占禁止法違反事件等の処理状況

1 価格カルテル等

 娯楽施設内で売店又は飲食店を運営する事業者を会員とする団体Aは,会員が当該施設内で販売する酒類の最低販売価格を決定している疑いがあり,また,特定の会員を除名してAが行う事業から当該会員を排斥している疑いがあり,それぞれ,独占禁止法違反につながるおそれがあったため,注意を行った。

2 不当廉売

 不当廉売は,総販売原価を著しく下回る価格で継続して販売するほか,不当に低い価格で販売することにより,他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれのある行為であり,独占禁止法第19条で禁止されるものである。申告のあった小売業に係る不当廉売事案については,迅速に処理するとの方針の下で対処しているほか,大規模事業者による不当廉売等周辺の中小事業者に対する影響が大きいと考えられる事案については厳正に対処することとしている。
 なお,迅速に処理するとの上記方針の下,令和元年度においては,酒類,石油製品等の小売業について,不当廉売につながるおそれがあるとして中部地区で45件の注意を行った。

3 優越的地位の濫用

 公正取引委員会は,優越的地位の濫用に係る情報に接した場合には,効率的かつ効果的な調査を行い,独占禁止法違反につながるおそれのある行為が認められた場合には,未然防止の観点から注意するほか,独占禁止法違反が認められた場合は厳正に対処することとしている。
 なお,令和元年度においては,中部地区で4件の注意を行ったところ,その主な事例は以下のとおりである(注)。
 (注) 次の各事例は,記載された行為が行われていた疑いがあり,独占禁止法違反につながるおそれがあったものである。

 (1) スーパーマーケット等を営むBは,納入業者に対し,新規開店及び改装開店に当たり,従業員等の派遣を要請し,他社商品を含む商品の陳列作業を行わせているにもかかわらず,派遣を受けた納入業者の従業員等に対して,弁当及び飲料を支給するのみで,交通費等の納入業者が従業員等を派遣するために通常必要となる費用を負担していなかった。
 (2) 宿泊業等を営むCは,取引先事業者に対し,事業遂行上必要としないCのホテルで開催するクリスマスディナーショーのチケット,料理イベントのチケット,クリスマスケーキ及びお節料理を購入するよう要請していた

 (参考)独占禁止法違反事件等の処理状況(不当廉売事案で迅速処理したもの及び優越的地位の濫用事案で注意したものを除く。)
 最近の5年間における中部地区の独占禁止法違反事件等の処理状況は,次のとおりである。

独占禁止法違反事件等の処理件数(単位:件)
処理内容/年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度 平成30年度 令和元年度
審査件数 前年度からの繰越し 1 1 0 0 1
年度内新規着手 4 18 7 15 2
合    計 5 19 7 15 3
処理件数 法的措置(注1) 排除措置命令等 2 2 0 0 1
その他 警告(注2) 2 0 2 0 0
注意(注3) 2 7 5 13 1
打切り(注4) 0 11 0 1 0
小  計 4 18 7 14 1
合    計 6 20 7 14 2
次年度への繰越し 1(注5) 0(注6) 0 1 1

(注1)「法的措置」とは,排除措置命令,課徴金納付命令及び確約計画の認定であり,一つの事件について,排除措置命令と課徴金納付命令が共になされている場合には,法的措置件数を1件としている。
(注2)「警告」とは,排除措置命令を採るに足る証拠が得られないが,違反の疑いがある場合に行う措置である。
(注3)「注意」とは,違反行為の存在を疑うに足る証拠が得られないが,将来違反につながるおそれがある場合に行う措置である。
(注4)「打切り」とは,違反行為が認められない等により,審査を打ち切る場合をいう。
(注5)平成27年度の処理件数は,当事務所以外で審査を行った2件を計上しているため,件数は一致しない。
(注6)一つの事件において2件の排除措置命令を行ったため,件数は一致しない。

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問い合わせ先

第1に関する問い合わせ先
公正取引委員会事務総局中部事務所総務課
電話 052-961-9421(直通)

第2に関する問い合わせ先
公正取引委員会事務総局中部事務所経済取引指導官
電話 052-961-9422(直通)

第3に関する問い合わせ先
公正取引委員会事務総局中部事務所第一審査課
電話 052-961-9425(直通)

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