令和4年6月27日
公正取引委員会事務総局
中部事務所
消費者庁
消費者庁は、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある不当な表示及び過大な景品類の提供に対して、不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号。以下「景品表示法」という。)の規定に基づいて厳正・迅速に対処するとともに、同法の普及・啓発に関する活動を行うなど、表示等の適正化に努めている。
公正取引委員会は、消費者庁長官から景品表示法違反被疑事件に係る調査権限を委任され、必要な調査を行うとともに、相談への対応、講師派遣等を通じた同法の普及・啓発に取り組んでいる。
令和3年度における中部地区(富山県、石川県、岐阜県、静岡県、愛知県及び三重県の6県)の景品表示法の運用状況等は次のとおりである。
第1 景品表示法違反事件の処理状況
1 概況
景品表示法違反被疑事件については、公正取引委員会事務総局中部事務所(以下「中部事務所」という。)及び消費者庁が行った調査の結果を踏まえ、消費者庁が、違反事業者に対して措置命令・課徴金納付命令を行うほか、違反のおそれのある行為等がみられた場合には関係事業者に対して指導を行うなどしている。
令和3年度における景品表示法の事件処理件数は、指導が5件であった(令和3年度の主要な指導事件は別紙参照)。
表1 事件処理件数 (単位:件)
事件 | 措置命令 | 課徴金納付命令 | 指導 | 合計 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2年度 | 3年度 | 2年度 | 3年度 | 2年度 | 3年度 | 2年度 | 3年度 | |
表示事件 | 1 | 0 | 0 | 0 | 6 | 4 | 7 | 4 |
景品事件 | 0 | 0 | -(注) | -(注) | 0 | 1 | 0 | 1 |
合計 | 1 | 0 | 0 | 0 | 6 | 5 | 7 | 5 |
(注) 景品事件については課徴金納付命令の対象となっていない。
2 表示事件
令和3年度に処理した表示事件は4件で、事件処理件数全体の大部分(80%)を占めた。
その内訳をみると、優良誤認(景品表示法第5条第1号)が1件、有利誤認(景品表示法第5条第2号)が1件、原産国告示(景品表示法第5条第3号)が2件であった。
表2 表示事件の内訳 (単位:件)
事件 | 措置命令 | 課徴金納付命令 | 指導 | 合計 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2年度 | 3年度 | 2年度 | 3年度 | 2年度 | 3年度 | 2年度 | 3年度 | |
優良誤認 |
1 | 0 | 0 | 0 | 5 | 1 | 6 | 1 |
有利誤認 |
0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 1 | 1 |
第5条第3号に基づく告示 |
0 | 0 | -(注) | -(注) | 0 | 2 | 0 | 2 |
合計 | 1 | 0 | 0 | 0 | 6 | 4 | 7 | 4 |
(注) 第5条第3号に基づく告示事件については課徴金納付命令の対象となっていない。
3 景品事件
令和3年度に処理した景品事件は1件(事件処理件数全体の20%)であった。
表3 景品事件の内訳 (単位:件)
事件 | 措置命令 | 指導 | 合計 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
2年度 | 3年度 | 2年度 | 3年度 | 2年度 | 3年度 | |
懸賞景品告示 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
総付景品告示 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 |
合計 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 |
4 事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置
消費者庁は、①事業者が講ずべき景品類の提供及び表示に関する事項を適正に管理するために必要な体制の整備その他の必要な措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るため必要があると認めるときは、必要な指導及び助言をするとともに、②事業者が当該措置を講じていないと認めるときは、必要な措置を講ずべき旨の勧告をし、その勧告に従わないときは、その旨を公表することができる。
令和3年度に中部事務所及び消費者庁が行った調査の結果を踏まえて、消費者庁が行った指導は5件であった。
第2 景品表示法の普及・啓発活動等
1 景品表示法に関する相談
令和3年度に受け付けた相談件数は359件であった。具体的な相談内容としては、①景品類の提供限度額に関する相談、②商品の効果・性能の表示に関する相談、③商品を販売する際の二重価格表示に関する相談、④消費税の表示に関する相談、⑤食品の表示に関する相談等が挙げられる。
2 景品表示法に関する講師派遣等
令和3年度において,消費者団体等が開催する勉強会や大学の授業に、計20回(消費者団体:2回、地方公共団体:2回、大学:11回、事業者団体等:5回)講師を派遣した。
景品表示法の説明に際しては、実際の違反事例を紹介するなどして、同法の意義、規制内容等を理解してもらうことで、不当表示等による被害の未然防止を図った。特に、大学の授業においては、法学部や経済学部のほか、家政学部や生活環境学部といった様々な学部に講師を派遣した。説明に当たっては、これらの学部やその就職先と考えられる業種に応じて、紹介する規制や違反事例等をカスタマイズすることで、参加学生が景品表示法についてより興味・関心を抱く内容となるよう工夫を行った。
また、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、オンラインによる講師派遣や、オンラインによる実施への対応が難しい消費者団体等に対する「景品表示法クイズ」(よくある相談事例や違反事例を基に作成)の配布にも取り組んでいる。
3 関係行政機関との連携
「消費者行政ブロック会議(中部・北陸ブロック)」(令和3年11月(オンラインにより開催))及び「景品表示法ブロック会議(中部ブロック)」(同年6月(書面により開催)及び11月(オンラインにより開催))に参加し、消費者行政に対する課題等について情報共有を図るなど、関係行政機関とも協力して景品表示法の適正な執行に努めた。また、岐阜県、静岡県、愛知県及び三重県における景品表示法の執行力の強化の観点から、各県の景品表示法担当課長等により構成される「東海4県広告表示等適正化推進会議」(令和3年7月(書面により開催)及び11月(オンラインにより開催))に参加し、景品表示法違反事件の調査方法等について情報共有を行った。
関連ファイル
(印刷用)(令和4年6月27日)令和3年度における中部地区の景品表示法の運用状況等(PDF:161KB)
問い合わせ先
公正取引委員会事務総局中部事務所取引課
電話 052-961-9423(直通)
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