令和5年6月14日
公正取引委員会事務総局
近畿中国四国事務所中国支所
消費者庁
消費者庁は、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある不当な表示及び過大な景品類の提供に対して、不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号。以下「景品表示法」という。)の規定に基づいて厳正・迅速に対処するとともに、同法の普及・啓発に関する活動を行うなど、表示等の適正化に努めている。
公正取引委員会は、消費者庁長官から景品表示法違反被疑事件に係る調査権限を委任され、必要な調査を行うとともに、相談への対応、講師派遣等を通じた同法の普及・啓発に取り組んでいる。
令和4年度における中国地区(鳥取県、島根県、岡山県、広島県及び山口県の5県)の景品表示法の運用状況等は次のとおりである。
第1 景品表示法違反被疑事件の処理状況
1 概況
景品表示法違反被疑事件については、公正取引委員会事務総局近畿中国四国事務所中国支所(以下「中国支所」という。)及び消費者庁が行った調査の結果を踏まえ、消費者庁が、違反行為をした事業者に対して措置命令・課徴金納付命令を行うほか、違反のおそれのある行為等がみられた場合には関係事業者に対して指導を行うなどしている。
令和4年度における景品表示法の事件処理件数は、措置命令が1件、指導が5件の計6件であった(令和4年度の主要な処理事件は別紙参照)。
表1 事件処理件数(単位:件)
事件 |
措置命令 |
課徴金納付命令 |
指導 |
合計 |
||||
3年度 |
4年度 |
3年度 |
4年度 |
3年度 |
4年度 |
3年度 |
4年度 |
|
表示事件 |
1 |
1 |
0 |
0 |
3 |
3 |
4 |
4 |
景品事件 |
0 |
0 |
(注)- |
(注)- |
0 |
2 |
0 |
2 |
合計 |
1 |
1 |
0 |
0 |
3 |
5 |
4 |
6 |
(注) 景品事件については課徴金納付命令の対象となっていない。
2 表示事件
令和4年度に処理した表示事件は4件で、事件処理件数全体の大部分(約67%)を占めた。
その内訳をみると、優良誤認(景品表示法第5条第1号)が1件、有利誤認(景品表示法第5条第2号)が3件であった。
また、個別学習指導の月謝や授業単価に係る不当表示について、中国支所及び消費者庁が行った調査の結果を踏まえて、消費者庁が措置命令を行った。
表2 表示事件の内訳(単位:件)
事件 |
措置命令 |
課徴金納付命令 |
指導 |
合計 |
||||
3年度 |
4年度 |
3年度 |
4年度 |
3年度 |
4年度 |
3年度 |
4年度 |
|
優良誤認 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
1 |
1 |
有利誤認 |
0 |
1 |
0 |
0 |
3 |
2 |
3 |
3 |
第5条第3号に基づく告示 |
0 |
0 |
(注)- |
(注)- |
0 |
0 |
0 |
0 |
合計 |
1 |
1 |
0 |
0 |
3 |
3 |
4 |
4 |
(注) 第5条第3号に基づく告示事件については課徴金納付命令の対象となっていない。
3 景品事件
令和4年度に処理した景品事件は2件(事件処理件数全体の約33%)であった。
表3 景品事件の内訳(単位:件)
事件 |
措置命令 |
指導 |
合計 |
|||
3年度 |
4年度 |
3年度 |
4年度 |
3年度 |
4年度 |
|
懸賞景品告示 |
0 |
0 |
0 |
2 |
0 |
2 |
総付景品告示 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
合計 |
0 |
0 |
0 |
2 |
0 |
2 |
4 事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置
消費者庁は、①事業者が講ずべき景品類の提供及び表示に関する事項を適正に管理するために必要な体制の整備その他の必要な措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るため必要があると認めるときは、必要な指導及び助言をするとともに、②事業者が当該措置を講じていないと認めるときは、必要な措置を講ずべき旨の勧告をし、その勧告に従わないときは、その旨を公表することができる。
令和4年度に、中国支所及び消費者庁が行った調査の結果を踏まえて、消費者庁が行った指導は3件であった。
第2 景品表示法の普及・啓発活動等
1 景品表示法に関する相談
令和4年度に、中国支所において受け付けた相談件数は140件であった。具体的な相談内容としては、①商品又は役務の価格等取引条件の表示に関する相談、②商品を販売する際の二重価格表示に関する相談等が挙げられる。
また、景品類に関する相談では、①景品類を提供する際の取引価額や提供限度額に関する相談、②地方公共団体による地域経済対策の実施に伴う景品表示法上の規制の考え方に関する相談等がみられた。
2 景品表示法に関する講師派遣
令和4年度において、事業者団体等が開催する講習会に計3回講師を派遣した。また、消費者団体等からの依頼に応じ、山口県周南市(令和4年5月)、山口市(同年6月)、広島市(令和4年6月及び9月)、広島県呉市(同年9月)、岡山県井原市(同年10月)、広島県福山市(同年12月)、松江市(令和5年1月)及び岡山市(同月)において開催された、一般消費者等を対象に景品表示法等の内容を説明するセミナー等に計9回講師を派遣した。
3 関係行政機関等との連携
「景品表示法ブロック会議(中国ブロック)」(令和4年5月及び11月)に参加し、消費者行政の問題や景品表示法違反被疑事件の調査方法等について情報共有を図るとともに、高松市において開催された「中国四国地域食品表示監視連絡会議」(同年6月)及び岡山市において開催された「中国四国地域食品表示行政担当者研修会」(同年11月)に参加し、不適切な食品表示に関する監視強化を図るなど、中国地区等の関係行政機関とも協力して景品表示法の適正な執行に努めた。
また、広島県の観光土産品公正取引協議会が主催する観光土産品審査会(令和4年4月)、全国公正取引協議会連合会が主催する「公正取引協議会地方ブロック連絡会議(中国ブロック)」(同年11月)及び日本パン公正取引協議会が主催する中国・四国・九州・沖縄地区包装食パン表示検査会(令和5年3月)に出席して意見交換を行い、業界団体との連携による事業者の適正な表示の促進に努めた。関連ファイル
(印刷用)(令和5年6月14日)令和4年度における中国地区の景品表示法の運用状況等
(279 KB)
問い合わせ先
公正取引委員会事務総局近畿中国四国事務所中国支所取引課
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