令和6年12月5日
公正取引委員会
公正取引委員会は、電気興業株式会社(以下「電気興業」という。)に対し調査を行ってきたところ、下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」という。)第4条第2項第3号(不当な経済上の利益の提供要請の禁止)に掲げる行為に該当し、同項の規定に違反する事実が認められたので、本日、下請法第7条第3項の規定に基づき、電気興業に対し勧告を行った。
1 違反行為者の概要
法 人 番 号 | 4010001008723 |
名 称 | 電気興業株式会社 |
本店所在地 | 東京都千代田区丸の内三丁目3番1号 |
代 表 者 | 代表取締役 近藤 忠登史 |
事業の概要 | 電気通信機器等の製造販売 |
資 本 金 | 87億7478万1810円 |
2 違反事実の概要
⑴ 電気興業は、資本金の額が3億円以下の法人たる事業者に対し、自社が製造販売する電気通信機器等の部品の製造を委託している(これらの事業者を以下「下請事業者」という。)。
⑵ 電気興業は、下請事業者に対して自社が所有する金型、樹脂型又は治具(以下「金型等」という。)を貸与していたところ、 合計339個の金型等について、遅くとも令和3年9月1日以降、当該金型等を用いて製造する部品の発注を長期間行わないにもかかわらず、下請事業者に対し、無償で保管させることにより、下請事業者の利益を不当に害していた(下請事業者20名)。
⑶ 電気興業は、令和4年10月から令和6年8月までの間に、前記339個のうち、合計167個の金型等を回収又は廃棄している(下請事業者14名)。
3 勧告の概要
⑴ 電気興業は、下請事業者に対し、前記2⑵の行為により無償で金型等を保管させたことによる費用に相当する額を公正取引委員会の確認を得た上で速やかに支払うこと。
⑵ 電気興業は、次の事項を取締役会の決議により確認すること。
ア 前記2⑵の行為が下請法第4条第2項第3号に掲げる行為に該当し、同項の規定に違反するものであること
イ 今後、自己のために経済上の利益を提供させることにより、下請事業者の利益を不当に害さないこと
⑶ 電気興業は、今後、下請法第4条第2項第3号の規定に掲げる行為に該当し、同項の規定に違反する行為を行うことがないよう、自社の発注担当者に対して金型等の適切な管理に特に留意した下請法の研修を行うなど社内体制の整備のために必要な措置を講ずること。
⑷ 電気興業は、前記⑴から⑶までに基づいて採った措置を自社の役員及び従業員に周知徹底すること。
⑸ 電気興業は、前記⑴から⑷までに基づいて採った措置を取引先下請事業者に通知すること。
⑹ 電気興業は、前記⑴から⑸までに基づいて採った措置を速やかに公正取引委員会に報告すること。
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問い合わせ先
公正取引委員会事務総局経済取引局取引部下請取引調査室
電話 03-3581-3374(直通)
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